第27話 ゴブリンの慟哭

 俺の魔王パワーによってレプゴブキング以外の強そうな幹部レプゴブ達は全て始末した。


 後はあの黒い鎧を着込んで頭に王冠をのっけてるレプゴブキングのみだ。既に外のレプゴブ共を始末したデスサイス達がこの城にまで侵入している、そう手間もかからずに城のレプゴブ共の掃除も終わるだろう。


「貴様に良いことを教えてやる。既に外のレプゴブ共の掃討は完了した、この城に残るレプゴブも時期に俺の僕が掃討を終えるだろう」


「何をバカな話を!」


「事実だ、現にこの城にかけた結界を解けばお前にも外の様子が理解出来るんじゃないのか?」


 魔物でもキングやクィーンと呼ばれる個体は自身の支配下にある魔物の気配を感じ取る能力があると聞く、ならばここからでも外にレプゴブの気配が一切なくなった今の状況を知る事が出来るだろう。


 俺は魔王パワーで張った結界を全て解除した。


「………!?、ばっばかな……そんな」

「理解出来たか?レプゴブキング。貴様のゴブリンキングダムはもう終わりだ!」


「きっききき貴様ーーーーーーッ!」


 凄い殺気である。俺は偽ミーリアに本物のミーリアを護衛するようにテレパシーで指示をして前に出る。


 これがこのゴブリンキングダムでの最後の戦いだ。精々俺の引き立て役になって、死ねっカイゼル!。


「ウォオオオオーーーーーーーッ!」


 カイゼルは腰の剣を抜いた。禍々しい邪気を纏う如何にもダークファンタジーチックなデザインのロングソードである。


 しかしあまいな、たかがゴブリンの王がブサメン魔王に勝てると思うなよ?俺は片手でレプゴブキングの渾身の剣を受け止めた。


 そして腹に至近距離から魔王パワーを炸裂させる、不可視の一撃がレプゴブキングの黒い鎧を粉々に消し飛ばしてレプゴブキングを吹き飛ばした。


「ガッ………ハッ!?」

「俺は貴様より遥かに強いぞ?」


 吹き飛ばされたレプゴブキングはバッと立ち上がる、たった一撃でボロボロの満身創痍となったレプゴブキング。彼我の実力差は理解出来てるだろうに、まだやるのか?。


「無駄な抵抗はやめろ、どのみちお前じゃ俺には勝てん……」

「…………恐るべき力だ。どうやらその言葉は正しいようだな」


 レプゴブキングは1度俯き……そして再び俺をにらみつける。


「だがっ!ここだ我が負ける訳にはいかないのだ!」

「……………」


 なんか、いきなり主人公見たいなセリフを言いだしたぞこのレイプ魔野郎。どうせ何か背負ってるとかさ、そんな大層な理由もねぇくせにこの……。


「な~~にが負ける訳にはだ!?お前見たいなドブサイクレプゴブ野郎が!そんな大層な理由があるのなら……言ってみろや!」


「…………我々は」


 レプゴブキングが意を決して言い放つ。


「我々ゴブリンの美的感覚は……お前ら人間と殆ど同じなのだ!」

「!?」


 なっ…………なんだっ……と?。


「つまり、いいメスだと思う相手も人間と大差ない………だから!」


 レプゴブキングは、慟哭した。


「ゴブリンのメスは……嫌だぁあああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」

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