第21話 続かなかったか…

「さあっ!姉さん以外は死んでいいよ!やれっゴブリン達!」


 エミリーの号令、するとどこからともなくレプゴブ達が湧いてきた。どうやらあの2人は指揮権を持っているようだ、まさか平時の城の外に指揮権持ちがいるとはな。


 レプゴブ達はデスサイスの存在に勘付いていないのか?ともかくこちらを囲んでボコろうと武器を手にして殺気全開だ。


 その数ザッと30は超えると見た。


「お願い、2人とも正気に戻って!」


「私達はずっと正気、私達王族に国は守れなかった。ならより強い存在に従う事で国を守るの」


「あ?守れてなんてねぇだろが!自分達の身を守る為に国の民を見捨てますクズ共がよ!」

「カレナの言うとおりだな、恥を知れ!」


「黙れ!僕達を怒らせるなよ?ゴブリン!」


 レプゴブ達が雄叫びを上げながら一斉に飛び掛かって来る。

 しかし………甘いな。


「包囲しているのはお前達ではない……俺達だ!」


 こちらに迫るレプゴブ達の背後、そこに無数の大きな鎌が現れた、そして───。


 スパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパッ


「ゴッ!?」「ブゴッ!?」「ゴッ…ブ」「ゴブゴ!?」「ゴブス!?」「ゴブァッ!?」「ブッ……フゴ?」「ゴ…ブ?」「ゴブゴアッ!?」


 ポトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトトッ


 レプゴブ達は膝から崩れ落ちた、鎌は一瞬で消え、後にはレプゴブの死骸と傍に斬り捨てられしイッチモツが転がるのみだ。


 諸行無常の響きあり。ゴブリンごときがヤリチンに目覚めてしまったばっかりに……。


「そっそんなバカな!?一瞬でゴブリン達がやられたの!?」

「……流石は姉さんが連れてきた連中って事かな?」


「俺達を舐めないでもらおうか、ゴブリンキングダムは今日滅びる!そして囚われた人々を解放するのだ!」


「妄想を口にするなーーーーー!」


「…………なぁ何でアイツらあんなマジなやり取りがこの場で出来んだ?」

「フッわたしに聞くな」

「だってそこら中にレプゴブの死骸とアレが転がって………うわっ!危うく踏みそうだったな!きったねぇな!」


 汚いなんて言うな、それは男の象徴なんだから。


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