第16話 戦力すら魔王の力で…

「少し話を良いですか?」


 ミーリアが何か質問があるようだ。

「どうぞ?何か聞きたいことが?」

「そっその、貴方達は3人しかいないのか?他に仲間は……」


「フッ他の仲間か………いない。1人もいないぞ」

「このおっさん達を慕って誰か人が集まりそうに見えるか?その目ん玉は節穴かよ」


「カレナ、ミーリア王女相手になんて口をきくんだ?少しは礼節を持つんだ」

「ア~~~!?てめぇその感じ辞めろ!キモいんだよアラフォーが!お前本気でその王女様がお前みたいな─」


 俺は余計な事を口にするアホを遮り、話を変える。


「確かにミーリア王女の心配は最もだ。幾らなんでもこの3人と王女様で墜とせる程ゴブリンキングダムは悪くない」


「ゴッゴブリンキングダム!?今の私の国はそんなバカな名前で呼ばれているんですか!?」


 何気ない言葉にダメージを受けるミーリア、しかしそれは何の問題もない。


「どうせ今日でゴブリンキングダムは消えて貴女の国に戻りますから気にしないでいいですよ」

「けっけどこの4人で何が出来るんですか?」


「俺達は何もしません、俺が召喚するしもべにやらせます」


「「「…………………え?」」」


 何だよ俺に僕がいるのがおかしいと?失礼な。


 そうっ毎度おなじみ魔王パワーである、ブサメン魔王でも魔王だからな。僕を見繕って使役するくらいわけないだろう。


「ヤツらを滅ぼすのは……コイツです」


 俺は指をパチンとならした。すると俺の隣にどす黒いモヤがぶわぁ~っと現れた。

 その黒いモヤの中から何かが現れる、それはボロい黒マントを羽織り大きな鎌を手にしたガイコツである、角とか生えていた。


「コイツはデスサイス。冥界の魔物ですコイツなら……ん?」


 3人がかなりの距離を取っているどうしたんだよ。


「ばっ化け物を召喚したんですか?」

「何だその普通に怖そうな魔物は!?近寄んな!」

「おおおお前マジでそれ使役出来てるのか?明らかに半端なレベルの魔物じゃないぞ!?」


「出来ますよ?俺を何だと思ってるんですか?これでも……まあそれは後にして」


 確かにデスサイスは強い。単体で騎士団を1つ潰せるくらいの戦闘力はある。なにより俺の魔王パワーみたいに姿を消せて壁とかもすり抜けるしな。


 そして身体も霊体化できるから基本物理攻撃が効かない。攻撃するときだけこちらの攻撃があたるようになるのだ、攻撃スピードも早いからそのタイミングを見破るのも大変だしな。コイツに不意打ちで襲われたらまずやられる。


 故にレプゴブ達に勝ち目はないのだ。その事をペラペラと説明した。


「そのデスサイスと言う魔物が強いのは分かりました。しかしその一体では……」

「もちろん一体ではないですよ?」


 また指をパチンとする、すると黒いモヤがズオオーーっとこのゴブリンキングダムを囲むようにたちのぼる。


 その中から無数のデスサイスが現れた。


「デスサイスを三十万体ほど喚びました。これなら小一時間もあれば都市のレプゴブ達を掃除出来るでしょう」


「ゼオン、お前マジで1人で世界征服出来るんじゃないか?」

「ん?そりゃあできますよ、興味がないからしないだけです」


 この大軍を出す予定だったから結界でレプゴブ連中の目を欺く必要があったんだからな。1度喚べば後は霊体化して首都を縦横無尽にレプゴブ連中を掃除してくれるだろう。


「「「…………………」」」


 引くな引くな、事実を言ってるだけなんだから。………さてっそれじゃあゴブリンキングダム、潰すとしますか。








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