第15話 心の声を知らぬが仏
いきなりゴブリンと呼ばれた。ゴブリンは嫌だな、オークも嫌だけど。しかしこの一言は聞きたくなかった、本当に死にたくなるなゴブリン呼ばわりされると……。
気を取り直す、今は話しておく事を優先する。
「俺はこの国を助けに来た者です。今はこの城に侵入して敵の情報を集めている所でした、そこで貴女を見つけました」
「…………わっ私はミーリア、この国の王族で第1王女です」
「なる程、なら敵の情報を持っていると?」
「多少だがな」
「分かりました。なら貴女を救出します、外に出て俺の仲間にその情報を教えてくれませんか?」
「………わっわかった」
このやり取りに意味はない、何故なら既に情報は入手済みだからだ。しかし当人の意思で定期的もらった方が何かと話が進む、その為のやり取りだ。
「俺の魔……法なら姿を消して壁とかなら通り抜けられる。この牢屋にもその力で来たんです」
「その2つの魔法を合わせるとはなかなかやりますね。実力のある魔法使いのようですね」
「お誉めにあずかり光栄です王女様。フンッ!」
俺は魔法ではなく魔王パワーで彼女の手錠を破壊する、それと身代わりが必要だろうから魔王パワーで彼女そっくりさんを創っておこう。
「……よしっこれで当面はバレない筈です」
「こっこの私と瓜二つの彼女は?」
「俺の魔法で創った人間そっくりのゴーレムです、流石に喋れないし自我もないので見た目だけですけどね」
「…………本当に大した魔法使いですね、貴方は」
ミーリアは俺に感心している、今後も出来る魔法使いって体でいこうかな。
(この怪しげな黒マントの中年が本当に味方なのかは分からないけど。それでも国を救う為ならなんでも利用してみせるます……)
俺の方を見ている、まさかこのブサメンの勇姿に心をときめかせるとか?。
◇◇◇◇◇◇
「と言う訳でこの女性がミーリア、この国の本来の王族、王女様です」
「よっよろしく」
「フッいきなり王女様を連れてくるとは、流石はゼオンだな」
「………ふぅ~~~ん銀髪の……巨乳ねぇ……」
グリフさんとカレナの元に戻り早速城からの助けたミーリアと会わせる、グリフさんも冷静にミーリアの王女おっぱいをチラチラ見てる、流石は同士だ。
一方でカレナは相手が王女様だとしてだからなんだ?っと言わんばかりの態度である、目つきは鋭くまるでゴロツキかチンピラだな。
そう言えばあの包帯を取ってから声が変わった、前までは普通に少し高いが男の声だった。しかし今は普通に女の高い声だ……今は少し低いがな。
何故かって?あの包帯には声を変える魔法でも付与してあったんだろう。変わったマジックアイテムだがこの世界ならあってもおかしくはない。
「ほぉ~ん?んで?その銀髪巨乳がなんだってんだよ?作戦にコイツが必要なのか?要らないんだろ、どうせさ~~」
ものすごい態度の悪さだな、一体何がカレナをここまで……まあいいか。
「まあな、作戦には必要ない。しかし囚われていたんだ、助けるのが当然じゃないですか?」
「………………」
(カレナにも敬語を……コイツ本気で紳士を演じとんな。あのおっぱいに釣られたか……)
「………ケッ!」
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