第10話 ゴブリンキングダムへ!

「……は?それお前らマジで言ってんか?」

「ゼオンはマジですはいっ」

「ヤツらレプコブ共は許せん、必ず滅ぼす」


「……………」

(その理由が童貞からヤリチンへの嫉妬故にってところが本当にコイツらしいわ~~)


 グリフさんは瞳を閉じて静かに佇む、一体何を考えているのだろうか?。


(まっわたしもゴブリンのくせにヤリチンとか………ムカつく!全員去勢した上で滅びろって思うわな!)

「ゼオン、お前が行くのならわたしもいこうぞ!」


「ありがとうございますグリフさん!心強いです」

「いやっ……そのおっさん多分魔法使えないじゃ」

「黙れカレナ、今こそ世界に影を落とす邪悪なる者に天誅を与える時。違うか?ゼオン」


「その通りだと思います!」

 天誅とか魔王の俺が?って思いはする、しかしこう言う時はノリが大事だ。どうせやる事は同じなのだから。


 気分よくゴブリンキングダムを滅ぼすとしょう。カレナも仲間なのだから一緒に行くかを確認する。


「俺達はこれからゴブリンキングダムに行く、カレナお前はどうする?」

「………行くよ、いったろ?オレはお前について行くってオレが強くなる為にな」


「フッ話はついたな、では行くぞゼオン!ところでその手にしてる筒はなんなんだ?」

「………タダのゴミです、気にしないで下さい」


 寝起きバズーカを使うタイミングを失ってしまったので処分する。


 そしてそう言う事になり、俺達は俺の魔王パワーで再び空の人となりグリフさんの情報を頼りにゴブリンキングダムを目指す事になった。



◇◇◇◇◇◇



 そして基本的に空を移動する事1週間、1日の移動距離が軽く百数十キロは超えている事を考えると徒歩だとどれくらいの時間がかかるだろうかっと言う距離を移動した。


 ほぼ直線で千キロ以上はあるだろう、そんな距離を空を進むのは骨が折れるな、最初は快適だった空の旅もグリフさんとかが気持ち悪くなったと言ってくるので休みながらの飛行となった。


 そんな感じの1週間を過ぎた頃、ようやく目的の国に辿り着いた。


「アレが……ゴブリンキングダム」


 遠目から見れば白い城壁に囲まれた立派な国だと思う。中の様子は分からないが回りをゴブリンだかけという訳ではなさそうだ。


「オイッグリフ、本当にあそこがゴブリン共が支配してる国なのか?そんな感じには見えねぇぞ?」

「フッそこはゼオン、頼むぞ」

「ええっここから千里眼で覗いて見ましょう」


 本当は千里眼とかじゃなくて魔王パワーだけど。


 魔王パワーを発動!そして国を見る。城壁の上は兵士が移動出来るように道になっている、きっと弓兵とかで外の敵を攻撃する為の機能なんだろう。


「………いました、レプコブです」


 しかし今やそこに陣取るのはレプコブだった。緑色の身体に白い模様が浮き出ている、レプコブ達だ。ヤツらもあそこから敵の接近を警戒してるのか?人間の真似をしてると?。


 ……だけど相変わらずのブサメンだな。しかしフランクフルトの町を襲った連中よりも強いと思われる。


 何故なら装備が違うからだ、町にきたレプコブ達はほぼ全裸で腰蓑と棍棒とかボロい剣を装備していたが、ヤツらは違う。金属製の鎧に剣も槍も全然ボロくない。殺した国の兵士から奪ったのか?。


 しかしゴブリンと人間では体格差がありすぎる。この線はないな、なら──。


「グリフさん、1ついいですか?」

「なんだゼオンよ」

「魔物達の武器や防具って一体どこから」

「それは世界の秘密だ。わたしにも分からない」


 そうか、世界の秘密なら仕方ない。そう言う物なのだろうさ。俺は国の中を覗く事に思考を切り替えた。


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