第6話 ブサメン魔王の怒り

 俺はゴブリン共に怒りを覚えた。

 女性に強姦するのもムカつくがあのゴブリンが、身長小学生並で短足、肌は緑色だし顔も人に近しいが完全なるドブサイク。


 そんな、そんな連中がブサメン魔王の俺を差し置いて童貞じゃないってのが1番腹立つ!。


「聞いた話ではヤツらレイプゴブリンは女を苗床にしたら役一月で生まれるとか、そして生まれて半年で女を犯し、繁殖する事を本能で学ぶらしいぞ」


「なっ!?」


 半年!?ははは半年!?。こっこちとら40年以上このバッドステータス『童貞』を携えて生きてるってのにそのクソゴブリン共は……ッ!。


 本当に許せんぶっ殺だよクソゴブリン共。

 俺は店の外に出た。ゴブリン共の姿は闇夜に紛れて発見は困難だ、しかしフランクフルトの町のあちこちから悲鳴とかが聞こえる。


 間違いなくこのフランクフルトに異分子が紛れ込んでいるな。なら俺は手加減はしない、魔王パワーを発動した。敵の位置を把握する。


 このフランクフルトという町全域のゴブリン共の居場所を把握するくらい訳もなかった。しかし町の人間の方も自動的にどうなっているのかを把握してしまう。


 男は殺して喰らい、女は本当その場で犯してやがる。何というか実に動物的だな、しかしな、日本で普通に道徳を学んだ身としては人に少しでも近しい姿の者が、んな事をしているのを視界に入れるだけで嫌悪してしまう物なんだよ。


 だから魔王になってもそう言う事には力を使わない。そう言うのはフィクションだから楽しめる物なんだよ。


 魔王として世界を支配するにしても人間を魔物の下にして奴隷にするつもりとかなかった。もうちょっと良い感じのプランを考えていたからな……まつま結局速攻で魔王軍解散したけど。


 その話置いといて。とにもかくにもこのクソゴブリン達は一匹も逃がさん、全て始末してくれるわ。


「ゼオン、レイプゴブリンは既に町に広がって人間を襲っている。この状況をなんとか出来るのか?」

「出来ます。ゴブリンは全て倒します!」


(マジでか……魔王スッゲェ~~~~~!)


 グリフさんがこちらをジッと見てる、アラフォーのおっさんに見られてもテンションは欠片も上がらないので辞めてほしい。


 俺は更に魔王パワーを発動する、今度はゴブリン達を浮かせた。そのまま空の一点にゴブリン達を集めていく……。


「レイプゴブリン達が……」

「あれはグリフさんやカリオにも使った力です、相手を浮かせているだけですよ」


「なる程、問答無用で強制的に浮遊させるとか。普通に考えたら強力な武器になるな」


 その通り、この魔王パワーがあれば飛び道具や遠距離攻撃魔法の大半が無力となる。かなり使える魔王パワーである。


 そして数にして数百匹のゴブリン共を空に集める事に成功した。フランクフルト全域のゴブリンを集めると結構な数になったな。大量のゴブリン、大変キモイ光景だ。


 俺は片手を空のゴブリン軍団に向ける。


「燃え果て、灰も遺すな。『灰色の火焰グレイ・フレア』」


 俺の右手の少し先に灰色に輝く炎が現れる、最初はライターの火くらいの大きさだったのがどんどん大きくなり最終的は10メートルくらいはある大きな火球となった。


 それを空のゴブリン軍団に向けて発射。灰色の炎はゴブリン共を一瞬で呑み込み、その身を瞬く間に燃やし尽くす。


 俺は魔王なんでね慈悲はないぞ、精々苦しんで死ねよ。

 後には灰すら残らない灰色の炎、ゴブリン軍団は空に消えた。




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