第5話 許されざる者、ゴブリン

「ゴブリン?それはあの─」


「ああっスライムや角ウサギに並ぶキングオブ雑魚モンスターのあのゴブリンだな、そんなのが町に入り込んでも町の代表が雇っているであろう傭兵にでも始末されるんじゃないか?」


 俺もグリフさんの意見に賛成だ、しかしチンピラは完全にビビっていた。ゴブリンにそこまでビビるとは……この町はそこまでモンスターからの襲撃とか皆無だったとでもいうのか?。


 しかしチンピラの更なに続けた言葉が店内の空気を一変させた。


「相手はタダのゴブリンじゃねぇっ!あっあの最低最悪のゴブリン!レイプゴブリンだ!」


「…………は?」

 なんて?レイプゴブリン?そんなバカな名前のゴブリンがこの世にいるか、幾らゴブリン相手でも言っていい事と悪い事が──。


「何だと!?レイプゴブリン、あのレイプゴブリンか!?」

「そっそうだ!あのレイプゴブリンだ!」

「そんなバカな……ヤツらが根城にしているリムニスタはずっと東のはず、まさか既にここまで勢力を伸ばしていたと言うのか?あの……レイプゴブリンが!」


 レイプレイプうるせぇよ、意味知ってて言ってんのかよ。本当にいるの?レイプゴブリン。そんなのが異世界に現れるとかファンタジー世界も世も末だな。


「グリフさん、そのレイプゴブリンとかいうふざけた名前のモンスターは一体なんなのですか?」

「説明しよう、まずモンスターは人間を初めとして多くの生物を襲い。その命を奪う、すると稀に進化する生き物だ──」


 それは分かる、この世界。人間とかは進化とかしないがモンスターだけは進化する、むしろ進化する生物イコールモンスター的な扱いだ。


 まあ本当はモンスター以外も戦ったりして経験値を得るとレベルアップみたいな事が起こって身体能力が少しずつ上がるのだ。流石にレベルだステータスだって言葉はこの世界にはないがな。


 そしてモンスターの進化もとどのつまり経験値を得ていった先にある物だ。敵と戦って経験値を得て進化すればゴブリンがゴブリンファイターに……。


「──そしてレイプゴブリンとは人間やエルフや獣人の女子を犯す事を覚え、約20人以上を…」

「ちょっと待って下さい。え?つまりレイプゴブリンってそのまま強姦の経験値で進化したゴブリンって事ですか?」


「フッ………その通りだ」


 最悪じゃねぇか!この世界に来て5本の指に入る最低最悪のモンスターだな!滅べそんな連中!。


「無論、変わるのは名前だけじゃない。ゴブリンからレイプゴブリンに進化する身体に白い模様が全身に浮かび、身体能力も比べ物にならなくなる。更に隙あらば女性を攫いどっかで腰をスコスコしようとする変態ゴブリンになるのだ!」


「最悪ですね」


「あまりにも欲望に忠実故に仲間との連携行動も碌に取ろうとしないし普通のゴブリンと必ずケンカするとか。まさに下半身で物を考えし者達だ」


「最悪ですね」


 そして店の中は阿鼻叫喚の嵐となった。


 物の数十秒程でチンピラも女の子達も逃げてしまい、店の中には俺とグリフさんだけになってしまった。あの天国が………もうっ本当に許さんぞ、クソゴブリン共。




 



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る