第3話 仲間の足音
ブサメン魔王とグリフさんは夜の町をあるく。
そこに広がるのはお子様が大好きなファンタジーとは一味違うR指定が高めのファンタジー世界、要は歌舞伎町だな中世な歌舞伎町だ。町行く連中もガラの悪いのから金持ち成金的なヤツまで様々。
そしてそんな連中に声をかけるのは露出度高めの装備に身を包んだ若い女子達。人間もいればケモミミ、とんがり耳とか顔立ちのタイプも様々なチャンネーがいっぱいだ、普通に若くて綺麗な子ばっか。
「おぉ……グリフさん、これは……」
「どうしたゼオン、夜の町は初めてか?」
「えっええ、今までは夜は寝てましたから」
ぶっちゃけ魔王軍解散のショックが大きすぎて酒に溺れながら適当に旅をしていた俺だ、ストレス発散に夜の町にくり出そうだなんて発想すらなかった……何故かって?夜遊びとか知らない貧乏童貞だからだよ!。
しかし今日はグリフさんと言う仲間が共にいる、ブサメン魔王1人ではビビって入れないお店も同年代のアラフォーと一緒なら行ける気がする。
仲間とは何とか心強い物なんだろうか。
そして俺は理解した、やはりどんなチート能力を持って異世界に転生しても。人は一人では生きてなんていけないんだ、何故なら他者の存在に何も感じず、その意思と尊厳を無視する様になったら、それはもう人でも何でもなく。タダの化け物なのだから。
前の世界でも、自身より社会的立場が完全に下だと見下した人間にはマジでとんでもなく冷たいタイプの人間って居るじゃん?アレアレ。アレはもう人間じゃなくて化け物だよねって話。
話を真面目に戻す。……俺自身も、紙一重でそうなる可能性が常にある。しかしそこに仲間がいれば、きっとそうはならない。
一人で歩む真っ暗な闇の中。その孤独の中で揺らがず心を支える物、それは共に歩む仲間の足音だ。
「どうした?ゼオンよ…」
「………グリフさん、俺はやカリオやグリフさんと共に旅が出来る事に改めて感謝をし──」
「おっ!?オイッゼオン!見ろ!あのねぇちゃんエッロ!エロいぞ!」
「まじですか!?どれっどれで……」
「ホラあの娘だ!金髪ロングの!」
「おお!あの子は美人ですよ!オッパイでか!」
「だろ!?腰は細くて胸と尻がバィ~~ンってさ!最高じゃん最高!あの子の店にしよう絶対にサービスいいって!多分!」
「はいっ絶対にサービス満点ですね。多分!」
そして俺達は美人なキャッチのチャンネーに話をかけて店に向かった。
グフフ異世界ならその手の法律は緩いと相場は決まっているのだ、きっとこの美人さんに頼んだら沢山サービスして貰える筈だ。
どんなサービスかって?それはまあ……色々かな?グフフフフフッ………率直に言うわ、オッパイ触ったり太もも触ったりとか以上のヤツが欲しいです。
キッスと本番は童貞なのでメインヒロインの為に取っておくけど、パイズリとかフェラとか金積んだらしてくんないかな?グリフさんはキャッチの娘とセックスさせて下さいって言う気満々だった。
……もうブサメン魔王の童貞も捨ててしまおっかな~~グフフフフフ。
今夜~~僕らのフランクフルトが~~貴女のアワビへ~~開け~~ゴマ!だれ~~~。
五分後。
「ちょっ!あの可愛い子は何処行ったんだよ!この子全然可愛くないし!あの子を連れて─」
「お客様?ウチの譲が気に入りませんか?」
荒ぶるグリフさん。文句をいい始めると物の十数秒で怖い人達がゾロゾロと現れた。
「……え?え?何これ、あの~~わたし達は─」
「え~~と?酒を二杯ね……全部で金貨20枚ね、ウチの譲に失礼な事を言ったんだ、金だけ払ってさっさと出て行きな」
「「……………え~~?」」
木製のコップ二杯で金貨20枚?あり得ない、そしてキャッチの子をと言ったのに当たり前の様に来たのはガリガリと太っちょの女性達、そして現れしガラの悪い半グレ連中、これは確定だな……。
はいっ見事にぼったくられてます。
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