第17話 激突の果てに……
この世には2種類のロリコンがいる。1つはイエス・ロリータ・ノータッチと言う鋼の精神を持つ真っ当なロリコン、彼らには俺も法的な意味で負ける可能性があっただろう。
しかしこのロリコンはもう一つのロリコン、イエス・ロリータ・ゴーファックの犯罪暗黒ロリコン野郎だ。ブサメン魔王の俺が負ける訳がない!。
「フハハハハハハッ!ロリコンとおっぱい星人!残るのは1人だ!行くぞ!」
ザイゴブは両手を広げる、するとヤツの身体の周囲に白銀色に輝く光の球体が現れる。アレがヤツの持つ最強の魔法か……面白い!。
「我が魔王の力!その身を以て知るがいい!」
(魔王?何言ってんだコイツ、まあいいか)
俺も魔王パワーを全身から発する、漆黒の揺らめくオーラが俺の全身を包み込んだ。最強魔王の力が全身を満たしていく。
「………完全に端から見るとゼオンの方が悪役みたいになってるな」
「どっちもクソだろ気持ち悪ぃな!」
カリオの辛辣な言葉とグリフさんの言葉に何気に心がダメージを受ける。しかし今はザイゴブだけを俺は見る。
お互いに一歩も引かない……引けない。
同時に踏み出す、地面が陥没し共に前に突撃する。これで全てに決着だ!。
「胸に引っ付いた脂肪に踊らされる哀れな愚者よ!我が魔光に焼かれ。完全消滅するがいいーー!」
「くたばれロリコン!俺の正義が世界のジャスティスだーーーーーーーーーーーー!」
激突する『
ダンジョン内は一瞬で光に包まれた。
─────。
───────────。
───────────────。
…………まっ。
俺、最強ブサメン魔王だし、タダの魔族になんて負けないけどな。
ヤツは俺にぶっ飛ばされ、光速の速さでダンジョンの壁にめり込んだ、壁からはピーンと伸びた脚が2本出ているだけだ。
完璧な仕事だったぞ、ザイゴブ。お前のお陰で今回のメアリー嬢救出計画は完璧な形で幕を閉じた、これなら多少顔がイケてなくても彼女のハートを確実に射止めたと確信出来る。
最早俺の頭の中にはウェディングドレスのメアリー嬢、ついでにハーレム要員としてその母親も一応入れてあげての挙式を豪華に開いているイメージしかなかった。
魔王パワーで上の黒い泡からお義母さんを取り出す、ここもまた完璧な仕事をしてるぞ自分。そして落ち着いて、余裕を持ってメアリー嬢に話し掛ける。
「メアリー様、怪我はありませんか?」
「はっはい、私は大丈夫です」
少し気恥ずかしそうにしてる美少女、絵になるな。やはり彼女こそ我が人生のメインヒロ──。
「………クッ!ククククッ!」
ザイゴブだ、生きていたか?しかし俺には分かるぞ。ヤツは転移魔法で逃げるつもりだ、ここまで俺を良く見せてくれてお礼だ、見逃してやるからさっさと行くといいぞロリコン。
「ゼッ……ゼオン!」
「なんだ、ザイゴブもうお前と戦う理由はない。さっさと──」
「お前は………大きな勘違いをしているな?」
「……なんだと」
「ゼオン、お前はその女が清楚な女だと思っているだろう!」
「当たり前だ。彼女ほど清廉な女性はそうはいないだろう」
「………!?」
俺の言葉にメアリー嬢の目が泳いでいる?何故だろうか?。
「メアリー様、どうかしましたか?」
「いっいえ、あのっその…………」
ザイゴブが転移魔法で消える、その直前に捨て台詞を残した。
「ソイツはイケメンと出来てんだよ!純潔も何もあったもんじゃな───!」
そんな、バカな捨て台詞を。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます