第12話 ブサメンピエロ
土煙の中を悠然と進む。スタスタと進む。
「ザッザイゴブ様!壁が突然爆発しました!」
「何だと……侵入者か!」
「まさか私を助けに……ッ!」
「……はいっ助けに来ましたよ」
囚われのお姫様を助けに、俺は颯爽と現れた。
「…………う゛っ!?」
(うぇええっ!?あっあれは………ないですね)
フッフッフッメアリー嬢も驚きの表情をしている、この絶対絶命のタイミングでまさにマンガの主人公の如く登場した俺に視線は釘付けだ。
(ひぃいい!?こっちガン見してますーー!しかも笑ってるし、勘弁してくださいーーー!)
「……なあ、あの女の人の顔、完全にキ─いヤツを見る目じゃなくね?」
「言うなそんな事、わたしは……信じる。どれ程可能性が低くとも……………奇跡は起こると」
一体何が奇跡なのだろうか?それとカリオの言葉の一部が聞こえなかった……何故だ?。
「なんだあのブサイクは!殺せ殺せーー!」
「たかが3人だ、八つ裂きにしてやれ!」
「ゼオン、敵はかなりの数だが。本当にやれるのか?」
「フンッ!魔族共なんてオレの敵じゃねぇ!全員まとめてぶっ飛ばしてやる」
「………2人ともちょっと待って下さい」
あのクソ魔族ども、余計な事を言った。
俺がブサメン魔王であることをだ、もしもこの主人公ムーブの魔法が解けてブサメンだとメアリー嬢に気づかれたらどうする気なんだよクソ魔族。
これはアレだ、お仕置きが必要だな。しかも誰が言ったが分からないから、みんなお仕置きする必要がある。俺がこの手で……な。
「この程度の雑魚ども俺1人で十分です、2人はそこで見学していて下さい!」
「本気か、ゼオン」
「オイッ!いくら大口叩いてばかりのお前でも…」
「カリオ、大口はお前も大差ない感じだったろう。それに2人にはちゃんと見せていなかったから丁度良いとも思っているんだ」
「「……見せていない?」」
「そうっ魔王の戦闘力をな」
俺は前方に踏み出す、それだけで足下の地面にビキビキとヒビが入る。走りに難いんだよなこれ、まあそれでもロケットスタートだ。俺は風の弾丸になった。
「ッ!?きっきえ──グハァッ!」
「瞬間移動か!?くそがブロォアッ!?」
「違う!ただヤツは走ってバギャアッ!」
そっ普通に走って移動してるだけ、洞窟だしこれでも音速レベルにスピードは押さえてるんだよ?。
そのスピードで近づいて殴ったり蹴り飛ばすだけで大抵のヤツは洞窟の壁まで吹っ飛んで戦闘不能になる。
さてっチートで無双して最高にカッコいい所を見せるぞ!。
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