第11話 メインヒロイン候補?

 少女が起きた、回りをキョロキョロすると自身が拉致されている事に気づいた様だ。


「ようやく魔法の眠りから覚めたか人間?」

「ッ!?キッキサマは私の寝室に侵入してきた賊ですか!」


 あの小太りが美少女に声をかけている、ちなみに会話の内容も魔王パワーなら簡単に盗み聞き可能だ。美少女と小太りは何やら言い合っているな。


「貴様と貴様の母親をこの地に連れてくる事こそが我らの目的だったのだよ!」

「何が目的か知りませんが!例えこの純潔の身を汚されたとしても貴様達の思い通りにはさせませんからね!」


 ……なんと!あの美少女、メアリーとやらは処女だったのか!?。


 それはとても大切な事だ、何故なら俺はアラフォーの童貞。故に自身が恋愛してやがて結婚する相手は処女……つまり純潔の乙女と決めているからだ。


 だって結婚するならちゃんと膜を保持できるくらい貞操観念が高い娘の方が断然良いに決まっている、ヤリマンが悪いとは言わないがこの世界だと……性病とか怖いからな。


 まあその手のヤツも魔王パワーならどうとでも出来る(股クサ女神にしっかり確認した)。


 何よりアラフォー童貞に相応しい十代後半から二十代前半くらいの処女の美少女をメインヒロインとして理想の異世界生活を送る為に俺は魔王となって人類を滅ぼすなんて鬱な使命を受けて異世界転生したんだからな!。


 ……こっちがアラフォーなのに向こう年齢が若いのは仕方ない、だってそれが俺なのだから。真性のロリコンではないと思うのでそこは見逃して欲しい。


 まあ何はともあれ俺の中でアガン子爵の愛娘ってポジションでしかなかったメアリー嬢の重要度がぶっちぎりでぶち上がる。これは何としてもブサメン魔王のカッコいい所を見せて──。


 魔王パワーで異世界無双!。


 メアリー嬢の心を射止める!。


 異世界のテンプレ、貴族令嬢との婚約イベント発生!……っという流れだ。魔物に攫われた美少女を助けてチョロインゲットとか王道の異世界テンプレだしな。


 やれる、やれる気がする、むしろヤレる気しかしませんなーーーーーーー!。

 俺は魔王パワーをして拳を振りかぶった─。


「なっ…なにが純潔だ貴様!?我らが寝室に乗り込んだ時にイケメンの執事とシッポリやりまくってただろうが!一体どの口で言うんだ、しかも魔法で眠らせたら何日も爆睡しやがって!お陰で儀式が遅れに遅れて……」


「あ~~っ聞こえません聞こえません~~!」

「キッキサマーーー!あの巫女の血筋じゃなければぶっ殺して─」


ドッガァアアアアンッ!


 俺の拳がダンジョンの壁を吹っ飛ばした。さあっメインヒロイン候補をお助けしますかな?。


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