第2話 ブサメンは万国共通
魔王パワーを使うまでも無く、領主様とやらの居場所は分かった。
だってこのガンマの街で1番大きな屋敷に、とってもガラの悪い連中がゾロゾロ集まっているんだからな、間違いなくアレがアガン子爵とやらの屋敷なんだろう。
ガラの悪い連中(結構身長の高いマッチョばっかりだったので少しビビった)に近づいて行く、魔王になる前だったら絶対に近づくことがなかった。
その理解?決まってんだろ。
何とそんな連中に混じって結構可愛い子を発見したのだ、歳は十代後半くらいの赤みがかった黒髪ショート女子、革の鎧とか本物の直剣を鞘に入れて腰にぶら下げている様はまさに女冒険者って感じ。
やっぱいたな女冒険者、冒険者が集まる場所ならこう言う子が少しはいると期待してたんだよ。この時点でワザワザここに来たかいがあったわ。
早速声をかける、あわよくばパーティー結成とかいかが?(いずれはハーレムの一員ですけどね?クックックッ)。
「あの、すみません少し話を聞いても良いですか?ここの領主様はどんな方を雇ってくれ──」
「は?いきなり話し掛けないでよオッサン、臭いのよ、フンッ!」
「……………」
彼女はスタスタとどっかに行ってしまった。オッサンが声をかけてすんません、この世界なら不審者として問答無用でブザーが鳴らされる事は流石にないと思っていたらストレートに拒否られた。
まあ……仕方ないか。いきなりオッサンが馴れ馴れしい真似をし過ぎた、自身の顔面偏差値を弁えない行動をとった。きっと魔王と言うチートキャラに転生した事で少々調子に乗っていたんだろう。
ブサメンとか理不尽なまでに女性から嫌われる物だ、なぜかって?ブサイクだからに決まってるだろ。生理的に無理と面と向かって告白した女性に言われるなんて当たり前。厳しい恋愛ヒエラルキー社会を生きてきたブサメン魔王は理解した。
やっぱ魔族にも拒否られるんなら人間にも拒否られるよな。そりゃあそうだよ。
ブサイクは万国共通、美醜逆転してブサメンがモテるなんて異世界には俺は来てはいなかったんだ。
軽く絶望している俺に後ろから声をかけてくる者が現れた。
「もしっそこの黒マントの者よ、話をしないか?」
「………誰だ、貴方は?」
流石にアレだけ酷い扱いを受けた後だと自分もそれに倣う気は起きない。俺は声をかけてきたアラフォーらしき覇気のないオッサンに向き直った。
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