一通の手紙には人間の人生ドラマが凝縮している

自分宛てではない、誰かから誰かへの手紙を目にするとき、後ろ暗さと好奇心が綯い交ぜになる。
この作品は一通の手紙で成立しているが、そこに丁寧に書かれているのは、市井の人が辿った人生が綴られている、濃い人間ドラマだった。
そして、ここまで読者を没入させる作品も稀だった。