20本目の剣

黄色いヒヨコ見つけたよ

どこからともなくやってきて

2羽鳥になってとんでくのさ


「アーサー。ニワトリにでもなるきか?毎朝早起きして。」

アーサーはクビを振った。

「もうすぐ元旦でしょ?初日の出見なきゃ。」

パーシバルが聞き返した。

「アーサー、元旦、というのはなんでしょうか?」

「ほう。アーサー王は博識だね。パーシバル、元旦というのは遠い東の国で一年のはじまりを意味する言葉だよ。」

アームドパルトが聞いた。

「ジェロはそんな遠い国から来たのか?」

「いや?ただ知り合いに東洋人がいてね。まあともかく、アーサー王は1年のはじまりを祝いたいと。」

「そうなんだけどさ?初日の出って山から拝む物じゃない?山行こう!山!」

「アーサー王。初日の出は山とは限らないのだよ 。」

「どういうことだ?」

アームドパルトが聞いた。

「海から見る初日の出もまた乙な物だということさ。」

「なるほど。じゃさ?パーシバルとジェロが海で、私とアームドパルトが山で拝むって言うのはどう?」

「いいアイデアですね。私もジェロと話したいことがあるので丁度いいです。」

話したいこと?なんじゃそら。

「ま、三日後だな。元旦ってのは。パーシーにはいい土産話が出来そうだな。」

ーーー三日前

「王よ。このたびは滞在をお許しいただきありがたき。」

『まあよい。して、そなたが国をあげてこの国を攻め落とそうとしていると聞いたが?』

「・・・王よ。私はそのような気はありませぬ。」

『よかろう。ただし1週間だけ待とう。それで答えをだせ。いいな?』


ーーー元旦

「はあ、はあ、キツイぞ!この急斜面は!」

「し、しかたないでしょ!話してたら2人で山登りすることになったんだから!」

アームドパルトが腰掛けた。

「ちょっと休憩をだな・・・。」

「だぁーめ!休むと後がつらいよ?さっ、立って!いくいく!」

川のせせらぎを聞きながら数時間。頂上だ。

「だぁーはぁー!!もう一歩も歩けん!」

「ほら!初日の出だよ!人生初ってやつでしょ?」

「ぐがー・・・。がー・・・。」

ね、寝てるし。

その日見た初日の出は何にも変え難いものだったとか。


「パーシバル殿と初日の出をみるとはな。」

「ジェロ。話してください。戦争を仕掛けるつもりなのですか?」

「アーサー王次第だよ。王が腑抜けなら国を落とすのも容易い。そういうことだ。」

「ジェロ......。」


20本目の剣。読了。

Thi・21本目の剣を始めますよろしいですか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る