第4話『決意』
「ただいまっ」と帰宅すると幹部が迎えてくれ、組長が待つ部屋に向かった。
「凛、お前いつからそんな子になった?朝帰りとは頭を冷やすには長かったな笑 男でもいるのか笑?」と冷やかされた。
「昨日は取り乱してごめんなさい。お父さん、いや組長!私に仕事をさせて下さい」と頭を下げる。
「ほう笑 じっくりと整理が着いたって訳か! まあいいだろう。ならお前にその素質があるかどうか試すとするか?」と笑みを浮かべた。
凛に与えられたのは、柊の女となり、逃げた母親も含めて始末しろという課題だった。少しは躊躇したが、「分かりました。組長の顔に泥を塗るような事は絶対にしません」と一瞬で表情を変え笑みを浮かべた。
そして、柊からの連絡も出ずにいた。「おい、凛!今日も行かないか?」「連絡は取らずともちゃんとやる事はやってますよ?」と小悪魔ならぬ、悪女になっていた。
『お嬢、奴が小屋から出ます。尾行しますか?』と凛についてる下っ端から連絡が入った。『ええ!もし気づかれた時は私の名を出していいわ』と何を考えてるのか組長でさえも分からなかった。
柊と会わずに1ヶ月が経った時、久しぶりに小屋に来た凛。
「ちょっと、なんて顔してんのよ笑」とダル着で横になり、髭も生やしている柊がいた。
「お前、何考える?」と威嚇してきた。
「何って、逢いに来た……」と悲しそうな表情を見せると納得したのか優しいキスを交わす。
「疑って悪かったな」とまた横になる。
「ねぇ?名前教えて?」と突然聞いてみる事にした。
「はぁ?俺ら名前なんか知らなくても繋がってんだろ?」と凛の方を見つめる。「わたし凛、もっとあなたの事知りたい。ずっと怯えてた。あなたの事何も知らない、この小屋にいるってだけで…」と淡々と話し出した。
「お前、何かあったのか?」と凛の言動に不思議に思ったのだろう
「寂しかった。あなたに逢いたくても来れなかった」と泣き出した。
「柊……」と名前を言うと、凛はすぐに彼の名を呼ぶ。
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