第2話 馬鹿で悪いか?
当時クラスでも優等生の彼に聞いてみた
「トマトの英語って?」
「トメートだよ」
「卵の英語は?」
「エッグだよ」
「馬の英語は?」
「ホースだよ」
「じゃ豚の英語は?」
「トンだよ」
彼は小学校を卒業すると私立中学校を受験することになっていた。
そして何故か?見事に私立中学校に合格した。
多分、その後は進学高校に進み、
有名な大学を卒業して、
有名な企業に就職して、
トントン拍子に重役になっていったのだろうと思う。
後日談であるが、
彼は豚の英語がピッグであると認識したのであろうか、
彼にとっての仕返しみたいなことがあった。
「ねぇ、ケチャップの英語知ってる?」
私はうんと答え、
「ケチャップ」
と言う。
「じゃ、マヨネーズは?」
「マヨネーズ」
「ソースは?」
「ソース」
「醤油は?」
多分、彼は、「ショウユ」と言う答えに導きかったのであろうと思う。
しかし当時の私は、
「キッコーマン!」
と答えてしまった。
答えを待っている彼のにやけた顔がみるみる変わっていき、
目玉が飛び出しそうになったかと思うと、
静かに頭を下げて寂しそうに私の前から去って行った。
クラスで一番の秀才を前にして、
凡才の私は勝利を確信した。
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