第11話 絆
コスプレとはキャラクターに成り切る事。
それはつまり.....魂を込めるという事だ。
俺はその事を思いながら顎に手を添えながら2人を見る。
ミーシャと蒼井だ。
「こっちはどうかな」
「これも良いよ。カワイイ!」
「そうだな。確かに」
そんな感じで話しながらミーシャと蒼井はコスプレの服を探す。
俺もコスプレの服を探しながら周りを見渡す。
そして魔法少女の服があったりする。
それを見ながら蒼井は目を輝かせてみる。
可愛いなぁ、と言いながら。
俺はその姿を見ながら笑みを浮かべる。
そうしてから、お前は魔法少女が好きなのか、と聞いてみる。
すると蒼井はその言葉に、だねぇ、とニコニコする。
その姿に俺は、そうか、と返事をする。
「じゃあ魔法少女にするノ?」
「そうだね.....ちょっと分からない。もうちょっと見ないとね」
「デスネ」
「.....でも可愛いな、って思う。.....魔法少女.....良いなぁ」
「ハハハ。良いと思うんじゃね」
俺としては良いと思う、と柔和になる。
蒼井は、何それ〜?、と言いながら唇を尖らせてから苦笑い。
ミーシャもクスクスと笑っていた。
その姿を見ながら、で。着る衣装はどれにする?、と聞く。
「.....私は.....もうちょっと考えたい」
「ワタシも考えたいです」
「ゆっくり考えて。俺は.....トイレに行って来るから」
「「はい」」
そんな感じで会話をしながら俺は一旦別れてトイレに向かう。
それからトイレに入ってから出てから。
そのまま戻ると.....コスプレ衣装に身を包んだ2人が。
可愛らしい服装だった。
「お前ら.....それは何の服なんだ?」
「これさっきの魔法少女の服装」
「.....めっちゃ可愛いな」
「そうだよね?やっぱり可愛いよね!」
「お前らの顔もそうだが.....その。確かにな。注目を集めると思うぞ」
そんな事を言いつつ苦笑しながら2人を見る。
そうしてから、じゃあこれ買おうかな、と言い出す蒼井。
しかし高いんじゃないかな、と思ったが。
ミーシャが、大丈夫デス、と俺にウインクする。
「.....どういう事だ?」
「ここら辺のコスプレ衣装はセールですので」
「.....え?そうなのか?」
「事前把握しています」
「.....やれやれだな。.....お前という奴は。全てシナリオ通りだったという訳だな」
「そうですネ」
ミーシャは言いながら俺を見てくる。
そして蒼井を見るミーシャ。
蒼井は、有難う.....ミーシャ、とお礼を言う。
それから笑顔になった。
「さて。そうなると買っていきまショウ!」
「.....そうだな」
「確かコスプレはカラコンとかもあるんだっけ?」
「そうですね。ワタシの判断ですが初心者にはちょっとハードルタッカイです。なので今はカラコンはしないで良いと思います。それでもキャラになっていますので」
「ミーシャ.....うん。分かった。じゃあ今はしない方が良いんだね」
「そういう事ですネ」
ミーシャは言いながらまたウインクする。
俺はその姿を見ながら、ふむ、と思う。
そうなんだな、と思ってしまった。
まあミーシャがそう言うならそうなのだろう。
「ミーシャは良いよねぇ」
「.....何がデスか?」
「カラコンしなくても外国人だから」
「.....ワタシはワタシなりに悩みましたよ。.....だから良いなんてナイです。ワタシは.....外国人ですから」
「.....!.....あ。ごめんなさい.....!」
そういや髪の毛とか瞳とか外国人差別もあるしな。
思いながら俺はミーシャを見てみる。
だがミーシャは、暗くなってしまいましたネ、と話を切り替えた。
それから、ダイジョウブです、と言いながらOKサインを出す。
指をリングにして、だ。
「.....ワタシはワタシですから.....そんなものに負けませんしね」
「.....ミーシャは強いんだな」
「.....そうですね。.....スキな人が側に居るからですかね」
「良い加減にしろ。.....恥ずかしいって」
「ふふふ」
言いながらミーシャは笑顔になる。
ニヤニヤしながら。
俺はその姿を見ながら苦笑した。
それからミーシャをチョップする。
そして、ったく、と言う。
「でも羨ましいかも。.....そんな態度同士の2人が」
蒼井が寂しそうにそんな事を呟く。
俺は?を浮かべて蒼井を見る。
すると蒼井は笑顔を浮かべながら首を振る。
それから満面の笑顔になる。
「.....行こっか」
「.....?.....あ、ああ」
「.....!」
ミーシャはその姿にやっぱりかな?的な顔をする。
だが俺には何の事か分からない。
そう思いながらミーシャと蒼井を交互に見る。
ミーシャは何か考え込んでいた。
何だろうか、と思うのだが。
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