第9話 蒼井の気持ち

ミーシャはエロゲが好きだが.....その中でも俺と同じエロゲが好きだ。

つまり俺と同じエロゲ好きなので意気投合した部分がある。

なのでミーシャとは結構仲が良い。


そんな事を考えながら俺は授業を受ける。

それから欠伸をしていた。

しかし.....ミーシャに告白されるとはな。


「.....蒼井も俺が好きなのか?」


いやまさかな。

思いながら俺は欠伸をしながら外を見る。

すると数学教師の山吹に睨まれた。

ったく面倒臭い睨みだな。


「.....」


次に山吹が目を逸らした時に蒼井を見る。

その徐々に崩れていく姿を見ながら俺は赤面する。

やっぱりなんかあるのだろうなきっと。


服装が崩れていっているしな。

雪子に似せたいってのも.....納得がいく。


そして時間が経過して休み時間に入った。

それから.....また突っ伏していると。

教室にミーシャがやって来た。

そうしてからミーシャが話しかけてきた。


「起きてクダサイ」


「.....ミーシャ?」


「拓也。寝ている場合じゃ無いですよ。.....凄い大ニュースです。雪子のえろ.....じゃなかった。新作ゲームが出るらしいですよ」


「何ぃ!!!!!」


完結しているにも関わらずか!!!!!

それは本当か!!!!!、と一気に目を見開く。

それからクワッとなる俺。

そして興奮してきた。

あちこちの部位が。


「おっと。取り乱してしまった」


「.....落ち着いてクダサイ。.....ワタシもさっき知ったばかりで歓喜が止まらないですよ」


「.....そうだよなぁ」


俺達は納得していると。

蒼井がやって来た。

楽しそうだね、と言いながら。

俺は雪子の服装に近い蒼井を見ながら赤くなる。

いかん.....やっぱりコイツの思いを考えてしまう。


「?.....どうしたんですか?拓也?」


「.....すまん。色々考えてしまってな」


「そうなんですか?」


「ああ。.....蒼井が段々エロゲキャラに似てきたなって」


「.....え?.....本当に?何だか嬉しいな!」


蒼井は手を叩いて喜ぶ。

それ喜んで良い部分じゃない。

俺はその姿を見ながら苦笑いを浮かべながら.....も。

蒼井がまあ喜んでいるなら良いか、と思った。


「.....取り敢えずア○メイトに行くんだよな?」


「そうだよ」


「ですね」


「.....放課後に向かったら人多いかな?」


「ダイジョウブでは無いでしょうか。経験上ですが平日は人がスクナイですよ」


「そうは言ってもな.....人気のアニメが今やっているしな」


ああ今期の派閥アニメ多いですものね、と顎に手を添えて考えるミーシャ。

俺はその姿を見ながら、ふむ、と思う。

それから考えていると蒼井が、それでも行きたい、と言い出した。

俺は?を浮かべて蒼井を見る。

蒼井は、知りたい。アニメの世界、と話してくる。


「.....ああ。成程な」


「良い心掛けですね!ワタシ感動しました!」


「人多くても行ってみたいからね。エロゲも見たい」


「平然とエロゲ言うな!!!!!それから俺達は買えんぞ!」


「じゃあ普段どう買っているの?拓也くん」


「.....ネット通販だな」


「それしか無いですよネ」


ネット通販で年齢偽って買うしかない。

思いながらそう言ってみると。

年齢って誤魔化せるんだ、とふむふむと納得している。

何を企んでいるつもりだコイツは。


「私もいっぱいエロゲ買いたいなぁ」


「.....買わなくて良い。不健全だ」


「それは良い心掛けです!是非ともにエロエロに洗脳してアゲマショウ!貸してあげます!」


「ミーシャぁ!!!!!」


「有難うミーシャ!」


また手を叩いて喜ぶ蒼井。

教室の奴らが何事かと見ているから!

俺は慌てながら止める。

するとキーンコーンカーンコーンと聞こえた。

ミーシャが慌てる。


「グァあああ!ヨレイが!」


「はよ帰れ!ミーシャ!授業に間に合わなくなるぞ!」


「ですね!ミーシャ。これにて失敬!」


ミーシャはダダダと走って行く。

ったく、と思いながら走って行くミーシャを見た。

それから俺は蒼井を見る。

本当に仲が良いの羨ましいな、って柔和に悲しげに言う。

首を傾げる。


「.....まあ仲が.....良いっちゅうかあれだな。.....ミーシャとはお前と付き合う前よりはるか前に知っているから」


「.....そっか。何だか羨ましいな」


「そんなに羨ましいか?」


「そうだね。.....私も頑張って仲良くなりたい。拓也くんと」


「.....!」


まさかの言葉に。

俺は赤面しながらその姿を見る。

そして、えへへ。何言ってんだろ。じゃあね、と去って行く蒼井。

俺は???を浮かべながらも、まあそう思うなら、と俺も仲良くなりたいと思った。


それから窓からまた空を見上げる。

やれやれ.....次は古文か。

面倒いな、と思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る