第7話 ライバルとして対峙するけど

俺は北条雪子(ほうじょうゆきこ)が好きだ。

それは誰かといえば今、話題に上がっている雪子の本名である。

その雪子だが.....グッズを集めるぐらいに好きである。

そんな中何故か、この雪子になりたい、と言い出した女の子が居た。


その女子を見つつ外の景色を嗜む。

ふむ、と思いながらだが。

何故アイツは雪子になりたいのだろう。

そんな事を考えながら春の陽気を浴びていた。

目が==になる。


「ああ.....春って良いな.....本当に」


「そうだねぇ」


「.....いつの間に!?」


目の前に何故かミーシャが居た。

違うクラスのしかも学年も違う野郎だが。

今は昼休みだから良いものの。

何をしているんだ!?

俺は驚愕しながら見ていると。


「用事があって来ました」


「.....用事?何の用事だ。手短に頼むぞ。もう注目をかなり浴びているから」


「あ。本当に.....いやん」


「いやん、じゃない」


そもそも主も美少女なのだから。

俺は困惑しながら見つめる。

するとミーシャは、じゃあ手短に。ワタシとお昼ご飯食べない?、と言ってくる。

何を仰るのやら。

俺は1人が好きなのだから、と告げると。


「ふーん。まあクラスメイトにエロゲラブってバラそうかな」


「殺す!!!!!」


「じゃあ是非とも付き合って下さいね♪」


「ったく.....」


そんな言葉を交わしていると。

奥から蒼井の声がしてきた。

私も混ぜてほしいかも、と言いながら。


額がピクピク動いている。

オイオイお前ら。

配慮してくれ.....頼むから。

教室でこんな会話しているから俺がシカトされるんだぞ。

これもきっと影響があるし。


「ほほーう。随分とでしゃばるじゃない。蒼井チャン」


「それは貴方もだよね。ミーシャ」


「ワタシはスキンシップと思ってまーす」


「これはす、スキンシップとは言わないと思う!」


「いえいえ。ワタシはスキンシップと思ってまーす」


そして何を思ったか。

ミーシャは俺の腕に自らの腕を絡ませてから。

そのまま表に引き摺って行く。


俺は赤面しながら、お、オイ!、と慌てる。

その腕にスリスリしてくるミーシャ。

そんな姿に慌てる。


「ミーシャ.....やり過ぎ!」


「だってワタシだって飯場クンが好きなんだから」


「.....それは分かるけど.....うー!!!!!」


「ふふーん。羨ましかったら奪い返してみなされ」


ニコニコしながらミーシャは俺の腕に絡ませてくる。

その姿に嫉妬する?様な姿を見せる蒼井。

それから蒼井は赤くなりながら俺の腕を片方握った。

そして俺を見上げてくる。


「.....拓也」


「は!?」


「え、えっちなゲームだって下の名前で呼んでいるでしょ?だから」


「だからって名前で!?恥ずかしいんだが!」


「私の名前も名前で呼んでほしいかも。ね?拓也」


翠子って呼べって事か?

俺は真っ赤になりながら蒼井を見る。

蒼井は赤くなりながら俺を見上げてくる。

すると、ワタシの事も忘れないでね、と見てくるミーシャ。

待った待った!板挟みじゃないか!


「お前ら!落ち着け。どっちにせよ混乱するから!」


「ワタシは混乱しないよ〜。アハハ」


「そうだね。私もだよ」


「.....取り敢えずは屋上に行くぞお前ら。この周りに人が集まって来ているし」


「屋上行くの?」


「あ、でもワタシは屋上目当てでした」


そして俺達は移動を開始する。

それから階段を登っていると.....ミーシャがニヤッとした。

そうしてから、それぇ!、と言って蒼井のスカートを思いっきりめく.....オイ!!!!?

俺は真っ赤に赤面する。


「い、いやぁ!!!!!」


「そんなに恥ずかしがるコトですかね?だってワタシ達に構わずにTバッグなんか履いちゃってまぁ」


「確かにそうだけど!でもいきなり捲られるとかは慣れてないの!」


「いや慣れてないなら履くなよ.....」


俺は額に手を添える。

それからスカートを抑えながら、うー、と唸り声を上げる。

そんなに恥ずかしいなら履くなよ。


顔を引き攣らせながら俺は見る。

すると蒼井が、どうしても履かなくちゃいけないから、と答えながら赤くなる。

俺は、?、を浮かべながら見ていると。

ミーシャが蒼井の背後からハグを思いっきりする。


「可愛いですね!やっぱり蒼井チャンは!」


「あの.....一応、私って先輩だよ?ミーシャ」


「関係無いですよ!フレンドに境界線はありません」


「まあ確かにそうだけど.....」


正直言って蒼井とミーシャがここまで仲良くなるとは思ってなかった。

蒼井もミーシャも水と油の様な感じだったから、だ。

つまり交わるには少しだけあれかな、と思っていたので。


だから嬉しい気持ちがある。

蒼井ともこんなに仲が良くなるとは思ってなかったしな。

今までずっと勉強だけが全てと思っていた氷の女王かと思っていたしな。


「飯場クン?何がおかしいんですか?」


「いや.....蒼井もミーシャも仲が良いなって思ってな」


「そりゃそうですよ。別方面ではライバルかもしれませんがね」


「.....別方面って何だ?」


「ナイショです」


唇に人差し指を立てる。

それから蒼井の手を握るミーシャ。

そして駆け出して行く。


まるで未来に向かって、だ。

俺はその様子を見ながらため息を吐く。

そして苦笑した。

でも何だか.....その言葉にこの胸に引っかかる感じのものは何だろうか。

何だか気になる感じだ。

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