第6話 お友達になってクダサイと蒼井のTバッグ

蒼井。

そしてミーシャ。

彼女達は2人共に色々な胸の内を抱えている。


例えばミーシャはクォーターなりの悩みを。

そして蒼井は勉強だけの人生の悩みを。

俺はその姿を見ながら、ふむ、と考える。


俺なんかが言える立場じゃ無いけど。

もっと軽くいってほしいものだ。

人生とは常にそんなものだから、だ。

だけどそうはいかないのが人生。


それらもエロゲで知った。

最低かも知れないがエロゲは本当に神のゲームだ。

人生を色々教わるしな。

考えながら欠伸をしつつ歩いて登校していると。

背後から声がしてきた。


「ハロハロー」


「.....おう。み.....しゃ?」


俺は愕然としながら見る。

そこには何故か。

雪子が着けている様な雪兎の髪留めを着けた.....ミーシャが。

髪の毛を調節して切っている。

ってオイ!!!!?


「お前!?何.....!?」


「私だって君が好きなのは代わり無いんだから。冗談でも無いし。だから私も雪子ちゃんに変身するよ」


「うっそだろお前.....」


「徐々に変えていくつもり。君の隣に立ちたいからね」


俺は額に手を添えた。

そして愕然とする。

なんてこった、と思いながら。

本当にアホなのかコイツ、と思っていると。

もっとアホなのが来た。


「お、おはよう」


「.....おう。蒼井.....え」


「蒼井チャン!?」


そこには。

スカートを短くした葵が立っていた。

ブラウスが見えている。

つまり完全に清楚な感じがぶっ壊されており。

所謂.....雪子ちゃんの状態。


俺は真っ赤に赤面する。

何というかミーシャもビックリ。

それどころか、ハァハァ、言いながらスマホを構えて写真を撮っている。

何やってんだお前ら。

道端ってか此処は撮影会場じゃ無いぞ。


「どうしたんだお前.....」


「だって雪子ちゃんってこんな服装だからね」


「.....そこまでやれって事じゃ無いだろ.....」


よく見ると。

かなり不愉快そうな目をしていた。

何かに怒っている様なそんな目である。

俺は、?、を浮かべて蒼井を見る。

蒼井は、お父さんにコスプレ用品没収された、と怒りを露わにした。


「何で?そんなに勉強が全てなの?」


「それは許し難いな。.....お前の親もアニメ観ている癖に」


「許せないよね。.....だから私は怒っているの」


「それはワタシも怒りたい。何でそんな事をするんだろう」


「だよね」


だから反発して私はコスプレする、と意気込む蒼井。

もっともっと激しくするつもり、とも。

いや通行人が聞いているからな。

そんな事を言うな。

俺は恥じらいながら周りの視線を感じる。


「でも何で没収なんだろう」


「.....分からんな。それは」


「ワタシの親はエロゲを目の前でしていても気にしないのに」


「家庭の事情ってもんがあるんだろ」


「ナルホド」


でも私は幾ら家庭の事情だからって許さないけど。

と蒼井は怒りながら話す。

俺はその言葉に、まあだよな、と言ってから顎に手を添える。

そして考えた。


「まあ没収されたものは仕方が無いよな。また買うしかないな」


「そうだね。私は諦めないし」


「ワタシも協力するよ。あ。そうだ。ワタシの家に置いてたらどうかな。コスプレ用品」


「.....え?良いの?」


「ワタシは気にしないよ。それに.....蒼井チャンの家に置いていても没収待たされちゃうでショ?」


そうだな。

それが良いんじゃないか蒼井、と俺は向いた。

すると蒼井は頬を掻きながら。


じゃあお願いしようかな、と笑みを浮かべた。

そうすると、じゃあ交換条件、とミーシャが言った。

そして口をモニュモニュさせる。

それから言い出した。


「わ、ワタシとお友達になって.....クダサイ」


「え?もう友達だと思っていたけど.....」


「え.....でもワタシは飯場クンがラブだから.....」


「そんなの関係無いよ。友情に対決姿勢とか要らないから。だから友達だよ」


俺はその言葉に何だか涙が出てきた。

親父の様にミーシャを見守っていたから、だ。

ミーシャには友人が出来ないから。


なかなかエロゲやっていると真面目に分かってくれる奴が居ないから。

クォーターの影響もあるし、だ。

だから何だか涙が浮かんだ。

良かったなミーシャ、と思いながら。


「.....有難う。蒼井チャン。これからヨロシク.....」


「うん。いっぱい色々な事を教えてね。ミーシャ」


「.....蒼井。有難うな」


「何が?何もしてないよ?」


「いや。それでも十分お前はやってる。有難う」


「.....???.....変な飯場くん」


こういう友情も良いよな。

俺は考えながら笑みを浮かべる。

するとチャイムの音が.....聞こえてきた。

しまった!!!!!ホームルームがぁ!!!!!

俺達は慌てて駆け出す。


「予鈴が鳴ったね!」


「急がないとヤバい!教師にぶっ殺される!」


「ワタシも急がないと!」


それから俺は駆け出す。

すると目の前を走っていた蒼井のスカートが捲れた。

短いから、だが。

そして真っ赤なTバックが.....。

俺は鼻血が出た。


「蒼井!!!!!お前!!!!?」


「.....え?.....!.....キャァ!!!!?」


何で下に何も履いてない!

そして何故Tバッグ!?

雪子に合わせたってか!?

最悪だ!?

お前マジに強姦魔とかに犯されるぞ!?


「アハハ!まさにNICEだよ!蒼井チャン」


「もー!」


「お前が悪い」


赤面する蒼井。

そして俺達は校門までやって来てから。

そのまま怒鳴り散らす教師を撒き散らしながら。


その状態で教室に駆け上がった。

それから俺達は教室に入る。

全く、と思いながらだったが。

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