第4話 ミーシャのいきなりの告白と乙女のナイショ

蒼井翠子は本当に完璧だと思う。

成績も美貌も何もかもが。

のだが.....何だかコスプレをしたいとか。

そんなのに一切興味を示さない様な性格だった筈なのだが何か崩れていっている気がするのは俺だけか。


「.....」


俺は目の前のエロゲキャラになりたいと言い出した蒼井を見る。

そしてそれに感激したキャリーが色々とエロゲキャラが着ている様なアニメのコスプレ衣装を選んでいる。


何という事か。

あの完璧な蒼井は何処にいってしまったのだ.....?

そんな事を頭の中でグルグル悩ませているとこんな声がした。


「ね、ねえ。キャリーさん」


「何?翠子」


「.....その。キャリーさんは.....その。好いているのかな」


「.....何を?.....あ。なーるほど。それは確かにイエスだよ。私が答えるなら」


えぇ!?、と驚く蒼井。

オイオイ何の話だ。

俺は考えながら目の前の着替え室をソワソワしながら見る。

そうしていると丁度目の前のカーテンが開き。

チャイナ服に着替えた蒼井が出て来た.....素足が結構出ている。


「どうかな!?雪子ちゃんもこんな服を着ていたよね!?」


「.....ま、まあそうだな.....うん」


「その、飯場くんあまりジッと見ないでほしいかも。素足が恥ずかしい」


「す、すまん.....」


赤くなりながら口元に手を添えてそっぽを向く蒼井に対して見ながら。

キャリーはニコニコしながら俺に向いた。

ねえ。飯場クン。私と付き合ってって言ったら付き合ってくれる?、と直球で聞いてきた.....ハァ!!!!?


俺は愕然としながらキャリーを見る。

何.....を!?

蒼井まで顔を引き攣らせている。

俺は衝撃を受ける。


「ワタシは貴方が好き。今伝えておくね。返事は後でも良いから」


「.....い、いや。今答えるけど。俺は蒼井にも告白されたけど断るぞ。俺みたいな奴と付き合ってもしゃーないから。つーかずっと好きだったのか!?」


「そうだよ?ラブだったよ?」


「マジかよお前.....」


こんな簡単に告白されるとは思ってなかったんだが。

俺は真っ赤になりながらキャリーを見る。

相変わらず気楽過ぎる野郎だな!

本気で恥ずかしいんだが!

キャリーは笑顔を浮かべているが!


俺は悶える。

すると小声でこんな声がした。

途切れ途切れだが耳打ちをしている様だ。


「キャ、キャリーさん.....」


「何?」


「い ない ねが。実 ね?」


そんな言葉が聞こえる。

俺は、?、を浮かべながら顔を上げると。

目をパチクリしていたが親指を立ててキャリーが納得した。


そして俺に向いてくる。

人差し指を立てて、シークレット、と言った。

何だよ一体.....さっきから。


「ワタシはあくまでこんなんだけどそれでも最低限の事は知ってるから。何というか秘密を破るのは好きじゃ無いからね飯場クン。どうやら彼女には悩みがあるみたいだけどねぇ」


「全く意味が分からない。でも聞いては駄目なら聞かないが.....」


「そうそう。あ。ワタシとは付き合ってくれるかな」


「付き合えないって!?何かおかしくね!?」


うーん。根性無し、と言ってくるミーシャ。

俺はその言葉に顔を引き攣らせながら見つめる。

するとミーシャは、まあでも色々あってその考えは今は良いかな、と切り上げた。

どういうこっちゃなのか。

そう考えながら見ていると。


「ね、ねえ。飯場くん」


「何だ。蒼井」


「次はどんなコスプレしてほしいかな」


「いや。俺はそんなの求めてないぞ。どういうのって.....」


「そんな事ないよ。だ、だって飯場くん男の子だからそれなりにエ、エッチなの求めているでしょ?」


あのな.....。

俺を何だと思っているのだ。

思いながら見ているとミーシャは、じゃあ次はビキニ?!水着しようか!、と言い出した。

オイコラ。

恥ずかしいわ!


「で、でもスク水とか.....好きなんでしょ?」


「んな訳ない」


「でも雪子ちゃんは着ていたから」


「.....」


辱めを受けている感じなのだが。

俺が、である。

だってそれはスク水せ、セクロスだろ。

そのシーンの事を言っているんだな?


勘弁してくれ。

マジに恥ずかしい。

死にたい。


「ほほーう。.....根性があるね。雪子チャンのそのシーンの事を言うとは」


「お前もう黙れミーシャ。お前が言う度に大変な事になっている気がする」


「ワタシは楽しい事が好きだから」


「そういう問題じゃねぇ!」


俺は、ああもう!、と言いながら蒼井に向く。

蒼井に首を振ってから、そこまでしなくて良いから、と言い聞かすが。

でも興味はあるから、と赤い顔でスク水を取りにいく。

俺は止めたが聞かないまま行ってしまった。


「ま。そういう事だから。満足するまでヤラせたら?」


「何か.....お前。やらせたらの部分が濃いぞ。別の意味に聞こえる」


「そんな事は無いよ。アハハ」


「いや。絶対に嘘だろ。お前」


「アハハ〜」


ミーシャは逃げて行く。

あの変態め。

俺は考えながらそのままミーシャも蒼井も見送る。


そして椅子にどかっと腰掛けた。

そうだな、と思いながら。

取り敢えず満足するまでやらせよう、と思いつつ.....。

何処で区切りになるかも分からないが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る