第2話 髪型のチェンジと下着のチェンジと?

その。何というか。

一言で言うなら何かがおかしい気がする。

翌日になったが.....流石に冗談だよな?

でも冗談でエロゲキャラになるとか普通女の子が言うだろうか。

冗談に聞こえないのだが.....でも流石に冗談だよな?

煩いかもしれないが気になって仕方がない。


「ふあ.....」


まあどっちにせよ俺は学校に登校しなくてはならない。

俺は大欠伸をしながら。

4月の暖かい日に包まれながらそのまま教室にやって来る。


そしてギョッとした。

何がといえば.....目の前の角度に居る蒼井。

一気に髪を切って短髪になっているのだが。

それもバッサリいっている。

所謂ショートヘアになっている。


「わー。蒼井ちゃんどうしたの?イメチェン?」


「可愛いね」


「有難う」


そんな会話と。

男子達のほんわかな視線が注がれる教室。

俺は顎に手を添えて考える。


そしてそのまま椅子に腰掛けた。

まさか。

いや.....まさかな。

と思い鞄を置いてから机の中に教科書を.....あれ?

生徒手帳と.....手紙が挟まっている。


(後で屋上に来て下さい)


開けてみると。

そう書かれていた。

俺は、?、を浮かべて顔を上げると。

そこにウインクした蒼井が。


ショートヘアでも相当に可愛い.....が。

その。汗が噴き出る。

何でかは分からないが.....昨日の件が頭を過った。

それから眉を顰める。



4時限目の終わり。

俺は売店で買ったパンを持ってから屋上に向かう。

それからドアを開けてみると。


そこに蒼井が立っていた。

笑顔で、である。

俺は汗をかきながら見る。


「その。御用は何でしょうか」


その様に聞いてみると。

蒼井はニコニコしながら髪の毛に触る。

それから、この髪型。似合っているかな、と聞いてくる。

俺は、まあ似合っているが、と答える。

すると蒼井は赤面しつつ、有難う、と笑顔を浮かべた。


「雪子ちゃんに似てる?」


「.....雪子ちゃん?誰だ?」


「やだな。忘れちゃったの?は、恥ずかしいけど.....エッチなゲームのキャラクター.....」


「お前さんマジにやっているの?!エロゲのキャラに変身しているの.....」


「当たり前だよ。私がやりたいって言ったんだから」


嘘だろコイツ。

そもそも何の為に.....何故!?

俺は青ざめながらその姿を見る。


答えは教えない、と言葉を発しながら蒼井は笑顔を浮かべた。

それから何を思ったか。

スカートを.....持った。


「し、下着だって同じ色にした.....」


「.....は?」


「エッチな.....下着も!同じ色にしたの!!!!!」


「.....」


すまん。

聞き間違いか。

今、下着も同じ色にしたと言わなかったかコイツは。

真っ赤の真っ赤になりながら俺を見てくる蒼井。

それから捲る仕草をする.....おいおいおいおい!!!!?


「うわ!バカ!何やってんだ!?」


「私は.....なるって言ったよね。エッチな.....キャラクターでも」


「だからと言って現実で混合するな!?まさか屋上に呼んだのもシチュエーションの為か!?」


「そ、そうだけど.....」


何この人!?馬鹿なの!?

俺は真っ赤になりながら慌てて止める。

捲る事が出来なかったのか手をスカートからそのまま離す。

それから深呼吸した蒼井。

そして俺を見てくる。


「何がお前をそこまで駆り立てているんだよ!?冗談だろ!」


「じょ、冗談に見える?私は雪子ちゃんになるの」


「なるの、じゃない!現実と2次元を混合すな!?」


「こうしないといけないから」


「何が!?」


全く意味が分からない!

どうなっているのだ!?、と思いながら見ていると。

でも恥ずかしいからスカートを捲るのはまた今度ね、と言ってくる。

いや。捲らなくて良いから!?

何考えてんの!?


「お前.....何でそこまで雪子ちゃんになりたいんだ」


「それは色々あるから。私の.....親も好きだし.....アニメが.....」


「アニメが好きだからって!?ああもう!」


俺は頭をガリガリ掻く。

それから、そんなにアニメが好きなら俺の知り合いのコスプレ店を紹介するから!エッチな事をしないでくれ!、と俺は見る。

すると赤くなっていた蒼井は目を輝かせて、え?本当に?、と聞いてくる。

俺は、嘘は言わない、と言った。


「約束だよ!絶対に約束!」


「分かった!分かったから!」


俺は真っ赤になりながら手を掴んでくる蒼井を見る。

蒼井はハッとしてから手を離した。

それからモジモジし始める。


その姿を見ながら俺も再び真っ赤になる。

こんな青春ってありなのか?

そんな事を考えながら。


「その。雪子ちゃんって料理も得意.....なんだよね?」


「何で知っている.....いやまあ得意ですが.....」


「ネットで調べた。じゃあそのお弁当作ってきたから.....一緒に食べない?」


「ネットで調べた!?.....え。嘘だろお前」


「嘘じゃない。内容もその.....こだわった。雪子ちゃんのお弁当の真似をしたから.....た、食べてくれる.....かな」


ネットで調べた.....え?嘘だろ。

俺は、じゃ、じゃああれやこれやを見たって事か.....!?、と悶える。

もう生きていけない気がしてきた。

恥ずかしさで、だ。


「程々にしてほしいんだが。恥ずかしいんだけど」


「私は程々にするつもりはないかな。.....だって私は雪子ちゃんになるつもりだから」


「.....」


どうしたら良いのだろう。

この娘.....かなり暴走している気がする。

俺は赤くなりながら蒼井を見つめる。

蒼井は口元をモニュモニュしながら俺をジッと見てくる。

えへへ、と言いながらだが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る