第10話縁結びの神社へ
「よし! 腹ごしらえもしたし、そろそろ行こうか! 初恋を探しに!」
玄関で靴を履きながら、きらきらとした笑顔でモーヴが言う。その表情は、遠足を心待ちにしている少年のようだ。遥はその雰囲気に圧倒されながら、自分も靴を履いて部屋の外に出て、ドアの鍵をかけた。いつも使っている鞄に鍵を仕舞いながらモーヴに問う。
「どこに行きたいですか? 俺、そんなに詳しく無いけど、一応ネットで調べておいたので……パワースポットとか、デートで人気の場所とか」
「遥は優しいね! そうだな……まずはパワースポットで運気を上げたい。えっと、縁結びの神様っていうのが神社ってところに居るんだろう? その人に会いたい」
「会うのは無理ですね……」
「どうして? 忙しいの? アポイントメントを取らないといけない?」
「……えーっと」
どう説明すれば良いのだろう、と遥は頭を捻る。まさか神様に会いたいだなんて言われるとは思ってもみなかった。言葉を詰まらせる遥に、モーヴが言う。
「もしかして、一見さんはお断りってやつかい?」
「いえ、違います……そのですね、神様という存在は目に見える存在じゃ無いんですよ」
「え、ええっ!? そうなの!? この世界じゃ神様に会えないの!? 魔界じゃ普通に暮らしているのに!」
「えっ!? 暮らしている……?」
ぎょっとする遥にモーヴは言った。
「戦いの神とか、豊作の神とか、それぞれ魔力を持っていてね、普通に会いにいけるんだ。彼らはだいたい山の中とか海の近くとか……会いに行きにくいところで生活しているけどね」
「じゃあ、モーヴさんも会ったことがあるんですか? その……神様に」
「もちろんあるさ。僕が魔王を継いだ時に、いろんな神が集まってお祝いしてくれたんだ。楽しい宴だったよ。そっかー、会えないのかぁ。残念だなぁ」
「は、ははは……」
大きすぎるカルチャーショックを受けた遥は、ただ苦笑するしかなかった。
「会えないけど、お祈りは出来ますよ」
「うーん、そうだね。僕、お守りってのを買っておみくじってのをやってみたいんだけど、それはちゃんと出来るのかな?」
「それは大丈夫だと思いますよ」
「それじゃ、行こうか。いざ、出発!」
二人は徒歩で駅に向かった。春の気配を感じさせる陽気の道を並んで歩く。遥は頭の中で、調べておいた恋愛のパワースポットとして有名な神社への行き方を思い出していた。確かここから地下鉄に乗って二つ目の駅で降りて、そこからすぐにその神社はあるとネットの情報では書かれていた。
「モーヴさん、地下鉄って乗ったことありますか?」
「あるよ。耳がちょっときーんって痛くなるよね」
「ああ、分かります。これから乗るんですけど、大丈夫ですか?」
「平気だよ。気を遣ってくれてありがとう」
たわいもない話をしている間に、最寄り駅が見えて来た。横断歩道の信号が赤なので二人は立ち止まる。すると、二人の横で一人の七十代くらいに見える女性が「ふう、ふう」と息を漏らしながら足を止めた。彼女は片手に杖を持ち、もう片方の手には大きな重そうな紙袋を提げている。「大丈夫ですか」と遥が言う前に、モーヴが穏やかな口調で女性に話しかけた。
「何か、お手伝い出来ることはありませんか?」
「え?」
急に横から声をかけられた女性は、一瞬だけ驚いた表情を見せたが、モーヴの輝きを含む微笑みに呑まれてすぐに顔を赤くした。そして、小さな声でモーヴに言う。
「あの……荷物を運ぶのを手伝っていただけたら助かります。あの駅までで良いので……」
「僕たちも駅に向かうんです。良ければ改札までお運びしますよ」
そっと手を差し出したモーヴに、女性は赤い顔のまま紙袋を手渡した。モーヴは「わぁ」と声を上げる。
「これは重いですね」
「え、ええ……主人が急に入院することになって、着替えや必要なものを病院まで届けなくてはならなくて……」
「それは大変ですね」
信号が青に変わったので、遥とモーヴは女性の歩幅に合わせて横断歩道を渡った。横断歩道を渡りきると、すぐに地下に通じるエレベーターがある。遥はその下降ボタンを押した。女性は申し訳無さそうに言う。
「そちらのお兄さんも、ごめんなさいね……お急ぎでしょう?」
「いえ、大丈夫ですよ。困った時はお互い様ですから」
「ありがとう……あら? 貴方、どこかでお会いしたことがあるみたい……」
「え? そうですか?」
「不思議ね……私の勘違いかしら」
会話の途中でエレベーターが地上に到着した。三人はそれに乗り込み、地下を目指す。地下にたどり着くと、改札手前の切符売り場に若い女性が居た。彼女はこちらに向かって手を振りながら「おばあちゃん!」と駆け寄ってくる。
「おばあちゃん! もー! 電話に出てくれないんだから、心配したんだよ!? 電源も切れているし!」
「電話……ああ、画面が真っ暗になって動かなくなっちゃってねぇ」
「きっと充電が切れたんだよ!」
「充電……?」
「ま、まぁ、スマホってややこしいところがありますから」
遥がそう助け舟を出す。すると、若い女性は初めてそこで遥とモーヴの存在を視界に入れたようで目を丸くした。
「えっと、あなた方は……? おばあちゃんとはどのようなご関係で?」
少し警戒しているのか、彼女は少し低い声でそう問いかけた。モーヴは微笑んで答える。
「ついさっき、地上でお困りのご様子だったのでこのお荷物を運ぶお手伝いをさせていただいただけの、ただの通りすがりの者です」
「そうだよ、スミレ。このお兄さんたちは、私のことを助けてくれたんだよ。悪い人なんかじゃないから、そんな怖い顔をしないでおくれ」
スミレと呼ばれた女性は、モーヴが持っている紙袋を数秒見つめ「まぁ!」とすべてに納得した様子で頭を下げた。
「私ったら……すみません! それ、私が持ちますから渡して下さい! おじいちゃんの荷物ですよね? ここまで運んで下さってありがとうございます!」
「いえ、お役に立てて何よりです」
柔らかい笑みとともに、モーヴは紙袋をスミレに手渡した。スミレの顔が一気に真っ赤に染まる。このままこの二人がくっついたらおもしろいのに、と遥は心の中で密かに思った。
「申し遅れました。私は佐藤スミレです。こっちはおばあちゃんの……」
「サクラです。佐藤サクラ」
ふふっとサクラは笑う。
「佐藤家の女はね、代々、花の名前をつけられるの。おもしろいでしょう?」
「素敵な伝統ですね」
遥がそう言うと、サクラとスミレはどこか照れ臭そうに笑い合った。
「お二人とも、お時間は大丈夫ですか? おじい様がお待ちなのでは?」
「あっ、そうだった! でも、まだ何もお礼が出来ていないし……」
「お礼なんてとんでもない。さぁ、早くおじい様のところへ」
やんわりと断りを入れたモーヴだ。スミレは「それじゃ、お名前だけでも教えて下さい」と遥とモーヴを見る。二人は顔を見合わせて、軽く頷き合った。
「俺は風原遥です。えっと、こっちは……」
魔王さんです、とはさすがに言えない。打ち合わせをするのを忘れていた! と焦る遥をよそに、モーヴは余裕の表情でサクラとスミレに言う。
「日本語を学ぶためにこの国に来ました、モーヴと言います。よろしくお願いします」
「遥さんとモーヴさん、ね! では、何かの機会があれば、またゆっくりお話ししましょうね!」
「二人とも、どうもありがとう」
そう言うと、サクラとスミレは切符を買って改札を通り、目的のホームへと消えて行った。それを見届けてから、遥とモーヴも自分たちの切符を買うために財布を出した。
「ああ、遥。僕が払うから良いよ」
「いえ、二駅だから安いし大丈夫です」
「そう……?」
「それにしても、モーヴさんって自然に物事をこなしますよね」
「え?」
改札を通って、二人はホームに並びながら会話を続ける。
「困っている人を助けるのって、すごく勇気がいることだと思うんです。それをごく自然に出来るって、すごいなぁと思います」
「それなら遥だって、困っていた僕を助けてくれたじゃないか。同じだよ」
「勇気の重さが違うって言うか……」
「勇気に軽いも重いも無いよ。するかしないか、それだけなんじゃないかな」
ごうごうとホームに低い音が響く。電車の到着が近いことを告げている音だ。その音にかき消されないような良く通る声で、モーヴは真剣な表情で遥に言った。
「遥、僕は君に助けてもらってとても感謝しているよ。とても嬉しいんだ」
「え……」
「遥は困っている人を助けられる、とっても強くて優しい心の持ち主だよ。だから、胸を張って生きれば良い」
ストレートな誉め言葉に、遥は照れながら「はい……」と小さく頷いた。その様子にモーヴは満足そうに笑う。
「僕にとって、遥は英雄なんだからね」
「それは大袈裟ですよ……」
「友達が英雄って、僕ってばすごいなぁ」
そんな会話の途中で、電車が到着した。二人はそれに乗り込む。車内は空いていて、二人は座席に着くことが出来た。
――強くて優しい、か。
モーヴの言葉が胸に染み渡る。素直に嬉しいと思う言葉を、何度も心の中で繰り返すとぽかぽかとした気持ちになった。
――それは、モーヴさんも同じだと思う。
魔王、という響きはとても怖いイメージだったが、目の前の魔王様はまったく威張っていないし穏やかだ。きっと、民からも慕われているのだろうな、と遥は想像した。
「あ、もう着くね」
「そうですね」
二駅の旅は短い。降りたくないな、もっと遠いところに二人で行ってみたいな、と遥は何故だかそう思ってしまった。
「遥……?」
電車が止まっても動かない遥の顔をモーヴが心配そうに覗き込む。遥は慌てて「降りましょう!」と立ち上がり、開いたドアから勢い良く電車の外に飛び出した。
「女性のお客さんが多いね」
「え、ええ……」
縁結びの神様で有名な神社なだけに、たどり着いたその場所は人々で賑わっていた。参道がみっちりと人で埋まっている、というわけでは無いが、数十人の参拝客が鳥居の写真を正面から撮るために列を作っている。
二人はその列を避けるようにして、鳥居をくぐるために端に寄って歩いた。
「真ん中を歩きたかったね。その方がご利益がありそうなのに」
そう零すモーヴに、遥が言った。
「いえ、参道を歩く時はこうやって端っこを歩くのがマナーなんですよ」
「え? そうなの?」
「はい。真ん中は神様が通る場所だから避けないといけないって聞きました」
「へぇ……遥は、神社に詳しいの?」
「詳しいと言うわけではないですけど、俺のおばあちゃんに教わったんです。おばあちゃんは神社とか、お寺とか、仏像とか……そういうのが好きな人でしたから」
「遥のおばあ様か。一度、ご挨拶がしたいな」
「……いえ、おばあちゃんはもう……」
表情を曇らせた遥を見て、モーヴは慌てて「ごめんね」と言った。
「そうか、もういらっしゃらないのか……悲しいことを思い出させて本当にごめん」
「あ、悲しいだなんて……平気ですよ。本当に辛かったら、自分からおばあちゃんの話なんてしないですし」
「本当に、大丈夫?」
「大丈夫ですよ。おばあちゃんも、こうやって思い出話をした方が喜んでいると思いますから」
手水舎でひしゃくを手に取り、両手と口を清めた後、参拝のために賽銭箱の前に二人は立った。あらかじめ用意しておいた五円玉をそこに入れ、鈴を鳴らし、二回お辞儀をして二回手を叩き、心の中で祈った。
――モーヴさんが無事に初恋を見つけられますように。
それからもう一度、頭を下げて遥の参拝は終わった。だが、横のモーヴはまだ目をつぶって何かを祈り続けている。その様子を遥はぼんやりと見つめた。
――綺麗だな。
モーヴの金色の髪は、春の温かい太陽の光を浴びてきらきらと輝いている。相変わらず全身黒づくめだが、それがモーヴそのものの美しさを引き立てていた。
――モーヴさんにも、ちゃんとした春が来ますように。
そんなことを考えていると、顔を上げたモーヴと目が合った。遥は思わずどきりとする。モーヴは照れ臭そうに遥に言った。
「この後はどうすれば良いの? さっきまでは遥の真似をしていたから……」
「ああ、えっと、最後に一度、お辞儀をしたら良いんですよ」
「そっか、ありがとう」
モーヴは深々と頭を下げた後、笑顔で遥の肩を軽く叩いた。
「なんだかね、すごくパワーを貰った気がするんだ!」
「それは良かったですね。たくさんお祈りしていたみたいですし」
「うう、恥ずかしいなぁ。けど、いっぱい祈ったよ。ねぇ、本当にお賽銭は五円で良いの? この国で二番目に安いコインなんだろう? 願い事を聞いてもらおうっていうのに、それは失礼なんじゃないかなぁ……?」
「それは……五円とご縁をかけたんですよ。同じ言葉の響きでしょう?」
「うーん、日本語難しい……」
少し不安な様子のモーヴに、遥は「まぁまぁ」と手を叩きながら言った。
「お守りとおみくじでお金を使えば良いんですよ。そうすればきっと、縁結びの神様も喜んでくれると思いますから」
「……そうだね! よし、僕は絶対に大吉を引いてみせるよ!」
不安そうな顔から一気に明るい表情になったモーヴに安心して、遥はまずお守りを買うために、女性たちが並ぶ列の最後尾へと足を進めた。
「それじゃ、同時に見るよ?」
「はい」
「せーの! はい!」
お守りとおみくじを手に入れた二人は、神社の隅の方で同時におみくじを開いた。結果は――。
「あ、俺は大吉です!」
「僕は……中吉か。うーん、ま、悪くは無いよね!」
遥はおみくじに書かれている言葉をゆっくりと読んだ。縁結びの神社らしいおみくじで、恋愛関係のことしか書かれていない。
「えっと、未婚の者は……良縁あり、か」
本当にそんな縁があればいいけどな、と思いながらおみくじを眺めていた遥の肩を、今度は興奮気味にモーヴが叩いた。
「ね、見て! 探し人は身近に居る、もう出会っている可能性ありだって!」
「それは良かったですね! その……出会っている人って、もしかしてスミレさんのことじゃないですか?」
「え? スミレさんってさっきの?」
驚いたようにモーヴは目を見開く。遥は力強く頷いた。
「ああいう偶然から恋ってのは始まったりするんですよ、きっと」
「えー、そうかなぁ。びびっと来なかったんだけどなぁ……」
「びびっと?」
「そう。この人こそ運命だ! ってスミレさんには感じなかった。残念なことに」
「そうですか……」
肩を落とす遥に「でも」とモーヴは力強く言う。
「出会ってるってことはさ……この神社に来ている人の中に、もしかしたら居るんじゃないかな! 僕の初恋になってくれる人が!」
モーヴの言葉を聞いた遥は、眉間に深くしわを刻んだ。
「それってつまり、ここに居るすべての女性に声をかけまくる……ナンパしまくるってことですか?」
「ナンパだなんて! 人探しだよ、人探し!」
「……俺は先に帰りますんで、どうぞご自由に」
鳥居の方に向かって歩き出した遥の背中を、モーヴは笑いながら追いかける。
「冗談だよ、冗談」
「どこまで冗談なんだか……ちょっと待ってください」
ズボンのポケットの中のスマートフォンが震えていることに気が付いた遥は、足を止めて画面を見た。それは、カフェのマスターからの着信を伝えている。急いで遥は通話ボタンをタップした。
「も、もしもし! 何かありましたか!?」
『遥ちゃん! お手柄よ!』
「お、お手柄……?」
『そう、貴方って子は、素晴らしいわ!』
いったい何のことだろう、と首を傾げる遥に、マスターは通話口から興奮を隠しきれない声で言った。
『貴方、サクラおばあちゃんを助けたでしょう!?』
「え? サクラさんって、あの杖をついた女性の?」
『そうよ! そのサクラおばあちゃんよ! うちの常連でね……遥ちゃんとはシフトの関係であまり会ったことが無いと思うけど……とにかく、サクラおばあちゃんは遥ちゃんがウチの店員だってことを思い出したってわけよ!』
そういえば、どこかで会ったことがあるみたいだと言われたな、と遥は記憶を辿った。それは本当のことだったのか、と遥は驚きのあまりスマートフォンを持つ手に自然と力が入る。
マスターは続けた。
『お孫さんからお礼の電話があったの! 遥ちゃんに助けてもらったんだって』
「いえ、荷物を運んだのはモーヴさんで……」
『今はその話は置いておいて! 良い? サクラおばあちゃんの息子さん、つまりスミレちゃんのお父さんはね、有名なパティシエなの! 限定ケーキなんか開店五分で売り切れちゃうんだから!』
「は、はぁ、そうなんですか」
『その息子さんもね、今回のことを聞いてものすっごく感動したんですって。それでね、お礼と言ってはなんだけどって、ウチにオリジナルのケーキのレシピをプレゼントしてくれるっておっしゃってるのよ!』
「そ、それは良かったですね!」
レシピが貰えるということがすごいことなのかどうか、いまいちぴんと来ない遥は、とりあえずマスターのテンションに合わせることにした。遥の弾んだ声に満足したのか、マスターは「ふふっ」と笑いながら言う。
『ケーキが完成したら、遥ちゃんとモーヴさんに一番に食べてもらうわね!』
「はい! 楽しみにしています!」
『それじゃ、またカフェでね。モーヴさんによろしく伝えてね』
「分かりました! では、失礼します!」
通話終了のボタンをタップした遥は、ふうと息を吐いた。マスター、ケーキ作るの得意なのかな、そんな疑問を浮かべている遥の頬を、つんとモーヴがつつく。
「良かったね。マスター、喜んでいたね」
「……聞こえてましたか?」
「うん。だってマスターの声、大きいんだもん」
ふふっとモーヴが笑う。
「これも、縁ってやつなのかな」
「え?」
「人と人との結びつきのこと。これはきっと恋愛だけじゃないんだね」
モーヴの言葉に遥は納得した。あの横断歩道でサクラに出会わなければ、モーヴが声をかけなければ、マスターが喜ぶような結果を得ることは出来なかった。これは……縁結びの神様が、運を分けてくれたおかげかもしれない。
「俺はモーヴさんのことをお祈りしたんだけど、ま、良いか」
「え? 僕のことを祈ってくれたの? どんなことを?」
「あ、いえ……」
「教えてよ」
「な、内緒です!」
照れ臭くなって、遥は再び鳥居に向かって歩き出した。モーヴは「教えて教えて」とおどけたように遥の後を追いかける。はしゃぐイケメンに、その場に居た女性のすべてが反応していたが、モーヴは向けられた視線のどれにも目もくれず、前を歩く遥の背中をただ見つめていた。
神社を後にする前に、鳥居に向かって二人はぺこりと頭を下げた。同時に柔らかい風が吹き、遥の髪を揺らす。どこかで縁結びの神様が見守ってくれている、そんな予感が遥の胸を温かくさせた。
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