第3話「クラス替えガチャSSR」(3)
始業式が終わりHRの時間に、いきなりTwitterの通知が来た。
さすがに爆音だと怒られるのでマナーモードではあるけど、ちゃんと振動でキャッチ‼
僕は即、リツイートといいねを押してから内容を確認する。
たぶつき【公式】@tabu_tuki≪今日もこれから練習です! 生配信ライブももうすぐですし、頑張りまーすっ! みんな、逢いにきてくださいね♡(
⁉
うおぉぉぉ! 逢いにいくよー! てか、珍しい! こんな時間にツイートなんて!
凹んだ僕を癒してくれる──やはり
なんて、一人ニヤニヤしていると後ろから小声で声が掛る。
「ちょっとハル、うぉぉぉって声、抑えきれてないんだけど……」
僕は振り返り、小声で「え⁉ まじ⁉」と反応すると
周りの様子を確認すると特に奇異の眼を向けられている訳ではなかったので、ギリギリセーフと言ったところだろうか。
クラス替えで初対面の人もたくさんいるし、いきなりヤバい奴認定されるのはとても悲しいので抑えていかなければ……!
まあ、若干手遅れ感はあるけど。
ともあれ、これ以上ヤバい奴認定されないよう注意してくれた
『ありがとう、危うく新クラスで≪小さくうぉぉぉと叫ぶヤバい奴≫認定されるとこだった! 以後気を付けまする!』
そう僕が送ると、
『≪小さくうぉぉぉと叫ぶヤバい奴≫って何、こわっ⁉ でもホントに! ハルがヤバい奴認定されたらあたしも嫌だし』
ふむ。
『……まあ、僕としては
『それも怖いわ!』『
『たしかに』『
『気に入るな!』という返事と「ぷくーっ」と描かれた可愛いスタンプが
僕は「エビッ♡」と描かれたスタンプを返す。
むぅ──と、僕は先ほどから頭を悩ませていたことに改めて思いを巡らせる。
逢ってどうしたいのか。
ずっと考えているけど、自分でも驚く程に答えが出てこない。
漠然と逢いたいという気持ちが強くなったのはたしかだし、色々お話ししたいという気持ちは勿論ある。存在を近くで感じたいというのもある。
でも、きっと、それは答えじゃない。
それは分かるのに──正解だけが出てこない感覚。
じゃあ、僕は本当に逢ってどうしたかったのだろう?
何度も何度も頭の中で自問する──けど、答えはでなかった。
嘆息。
とりあえず、帰って『たぶつき』の曲を聴こう。
何か答えが見つかるかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます