第4話 ミリアの策略
そして、俺とミリア氏の話は個チャに移った。
「さて、ラムさん。なぜ私がわざわざ雑共和国に異を唱えているか、わかりますか?」
「いや、まったく……。雑談板を支配するためじゃないのか?」
「そんなに小さなものじゃありません。私の最終目標は、この国の全掲示板の統一です」
「はあ?」
ミリア氏はますますおかしいことを言い出した。全部の掲示板を統一するだって、そんなの壮大すぎる。やはりこの人は、ただの厨二病患者なのだろうか。
「なので、私としては、あなたたち雑共和国とは協力したいと思っているのです。今は敵対していますがね。ですが、それはこれからのお楽しみですね。では、そろそろ遅いです。おやすみなさい」
「はあ。おやすみなさい」
一方的にいろいろ言われたままで、会話が終わってしまった。結局ミリア氏が何を考えているかはわからない。雑共和国と友好したいのか戦争したいのかもわからない。いったいどうすればいいのか、俺はわからなくなってしまった。とりあえず、俺はミリア帝国を納得させることはできなかったと雑共和国に声明を発表し、うまく建国記念演説をせずに寝ることができた。
⭐︎
次の日。朝起きて俺が雑談板を見ると、なんともカオスな状況が起こっていた。
「我がサージャ王国は、雑談板を支配するため、創立を宣言する!」
「テラ帝国こそが雑談板の支配者である!」
「シャカ社会主義共和国が一番である!」
「いや、俺の国が一番だ!」
「いや、俺の国が!」
「俺の国が!」
「私の国が!」
「僕の国が!」
と、次々といろいろな国が成立していた。どの国も自分の『国』が最も偉いのだと主張している。
そして、面白いことに、その新しい国たちは、ほとんど全部、まるでそれが建国の儀式であるかのように、雑共和国に宣戦布告していたのだ。
これはどうすればいいのだろう。とりあえず、実質的な最高権力者のリーザに聞いてみることにしよう。
そんなわけで、俺は雑共和国のスレに向かったのだが、雑共和国のスレも既にカオスになっていた。
「雑共和国! われわれシャカ社会主義共和国は、ただ今ザーツを陥落させた! 今すぐ降伏し、シャカ国に忠誠を誓え!」
「何を戯言を! 我が雑共和国は、雑談板一の科学力を持っているのです! そんなことを言っている間に、あなたたちの首都を落として差し上げますわよ!」
「よくも言ってくれる! 雑共和国は名前に雑と入っているのだから、兵器も雑なのだ! そんなに高度な兵器が作れるはずがないのだ!」
「あら、雑の本当の意味を理解していませんことね? 雑というのは雑談板から一字取っているんですわよ? そのような誹謗中傷は許せませんわ!」
なんかやり合っている。こちら側で戦っているのはリーザだ。あいつ、俺がいない間に勝手に戦争を始めやがった。
くっ。なんとか、この状況を収拾できないものか。
「おい、お前ら、戦争をやめろ! 何をそんなぐちゃぐちゃな戦争をしているんだ! そんなのは戦争じゃない、妄想戦争だぞ!」
とりあえずそう言ってみた。
「あら、ラム大統領、おはようございます。その分だと、まだ『戦争法』を読んでいないようですね。そこにリンクを貼っておきますから、さっと読んできてください。そしてシャカ国と戦うのを手伝ってくださいね」
リーザはまた俺のよくわからない用語を出してきた。『戦争法』だって? なんだそれ?
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