第45話
数日後。
「緊張する…」
「ははっ、なんでだよ!」
「だ、だって!これで、私、クンツァイトからタンザナイトになれるんだよ!あぁ、書類不備あったら嫌だな…」
「あー、確かに書類不備は嫌だ。…まぁでも、そしたら何度でも書き直すし。」
ヴァンはニナの手を握った。
「…そうだね!」
「んじゃ、行くか。」
「うん!」
2人は役所の中へ入り、婚姻届を提出した。
そして、自宅へ戻ってきた。
「はぁぁっ、ほんと不備なくて良かったぁあ!」
ニナはぐぐっと背伸びをした。
「おめでとうございます。」
ヴァンは笑顔で言う。
「ありがとうございます!」
ニナはぺこっとお辞儀をする。
「…どうですか?姓が変わったお気持ちは。」
「とってもとってもとーーっても嬉しいです!ヴァンさんはどうですか?」
「俺も死ぬほど嬉しいです。」
「ふふっ。私、幸せだ!」
ニナはヴァンに思い切り抱きついた。
ヴァンはニナを抱きしめたまま、くるくる回る。
「ニナ。結婚式はまだ先だけど…指輪、つける?」
「うん!つける!」
ヴァンはテーブルの上に用意していた結婚指輪を手に取り、ニナの左手薬指にはめた。
「生涯ニナを愛し抜くことを誓います。」
ヴァンはニナにはめた指輪を触り、微笑みながら言った。
「…私も、ヴァンを生涯愛し抜くことを誓います!」
ニナもヴァンの薬指に指輪をはめ、笑顔で伝えた。
「…ニナ、俺、幸せすぎて死にそう。」
ヴァンはしゃがみこんだ。
「死んじゃやだ。」
ニナもしゃがんで、ヴァンの顔を覗き込みながら言う。
「わかった、死なない。絶対死なない。」
「一緒に長生きして、一緒に楽しいことたっくさんしようね。」
「する。めちゃくちゃする。」
「ふふ。ヴァン、大好き!」
ニナは、最高に幸せそうな笑顔を見せる。
「俺も、大好き。絶対離さない。」
ヴァンは頬を染めながら、ニナの頬を両手で包んだ。
「ふふっ。」
ニナはヴァンの手に自らの手を重ねた。
「ニナ・タンザナイトさん。」
「はいっ。」
「ニナさん。」
「はーいっ。」
「愛してる。」
「私も、愛してるっ。」
2人は、笑顔でキスをした。
窓から差し込む光が、2人を暖かく包んでいた。
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