『四季は流れる』
舞った桜に顔隠れるその瞬間、春を感じて恋をする。
春風に体を委ねて流れゆく。また繰り返す。
照った日に目を細めるその瞬間、夏を感じて恋をする。
夏至夜風に吹かれ道を一人練り歩く。また間違える。
降ってきた葉をはらい落とすその瞬間、秋を感じて恋をする。
秋風を感じ肺に息をためる。また涙ぐむ。
積もった雪に跡をつけるその瞬間、冬を感じて恋をする。
冬の冷たい風は何も感じない。
四季で変わりゆく私の体に、だれも触れてこない。
四季で変わりゆく私の心に、だれも問いかけない。
上からのぞく景色はどの季節も美しい。
そしてまた、私のいない、春がくる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます