第10話 異世界に来ての初めての宿泊をしました①

俺達は冒険者登録とパーティ登録を行った後、受付嬢のエリカから更に詳しく説明をしてもらった。


『マサキさん達の登録が終りました。これが冒険者カードです。マサキさん達はCランクなので銅製のカードとなります、受け取って下さい。このカードはネックレス型なので絶対に身に着けて下さい』


「はい。これが冒険者カード.....まるで戦争映画に出て来るプレートみたい....。みどり?」


「うん。本当だ」


「この裏に記載しているのは?」


「多分、名前と職業と年齢だと思うが?」


『そうです。此れには名前と職業と年齢が記載しています。それと魔物を倒すとこのカードに記載されます。冒険者ランクは一番上がSで次にA、Bとなって最後はFとなります。マサキさんはパーティリーダーですので表に☆マークが記載されています』

其処から続きの説明を聞くとこうなる。

掲示板の依頼を受けて完了すると報酬が貰えて報酬金額を貰えるのだが、毎回貨幣での支払いだと大変な為、カードで報酬の受け取りになる。

冒険者ギルドでは銀行機能があり、必要な金額を引き出せる事が出来るのだ。

つまり、日本での銀行で冒険者カードはキャッシュカードになっている。

国によっては貨幣が違うのでロイゼン王国以外の国に行った時にいちいち両替しないと行けないのでカードに記載されるのだ。

ちなみにロイゼンの貨幣はロンと言い、

1ロイ.....日本円で約10円として計算される。

銅貨1枚.....100ロイ(日本円で約100円)

銀貨1枚.....銅貨100枚

金貨1枚.....銀貨100枚

白金貨1枚....金貨100枚

となっているのだ。

報酬の受け取りはパーティリーダーが指名した人物が金庫番として受け取り、パーティメンバー同士でカードを触れて交換できるシステムであった。

俺達は金庫番として明菜さんがやってもらう事にした。

理由は簡単....お金にうるさいのだ.....短大生の明菜さんはアルバイトで生計を立てている。みどりはお金持ちで金銭感覚がない!

明日香は浪費癖が多いので却下、俺は節約しながら生活しているけど、家計簿とかつけていない....明菜さんはそう言う事には打って付けであったのだ。

しかも、明菜さんには「商人」の職をカンストしているので価格交渉は絶対の自信があったのだ.....明菜さんってすげえ!


「エリカさん。今まで討伐した魔物があるのだけど、買い取りは出来るのかしら?」


『アキナさん。出来ますよ? 隣の解体場に行ってくれたら買い取りもしてもらって下さいます』


「それと、宿を探したいのだが?」


『希望はありますか?』


「私はお風呂とトイレがある所がいい」


「「私も!」」


「後は防犯機能がある所だな?」


『そうですね......それなら『柳月』って宿が良いかもです。だいたい一泊一人銀貨10枚からありますよ? 場所は此処から宿泊施設区画にある少し大きな場所になります。支払いはカードが使えますので大丈夫ですよ?』


「ありがとう」


エリカさんにお礼を言って俺達は隣の解体場に行って、そこに討伐した魔物の買い取りを行った。

その価格は....800万ロイになっていた。

俺は明菜さんに一人金貨10枚ずつだけカードから引き出してもらった。

そのお金は商人区画によってはカード支払が出来ない場所がある事と屋台では現金払いのみしか取り扱い出来ないのであった。

俺達は宿の確保をする為に「柳月」に向った。

柳月の場所は直ぐに見つかった....何故なら...ここは.....。


「「「なんちゅう場所なのよ!」」」


「まあ建物自体、日本でのホテルと同じみたいだな?」


俺達は中に入って受付に向かい受付の人に声をかける。


「すいません。泊まりたいのですか」


『あら、いらっしゃい。今日はお泊りですか? 最低でも1週間は泊まらないといけないのだけど?』


「はい。俺達4人で一か月お願い出来ますか?」


『それなら個室? それとも4人部屋?』


「4人部屋で、それとお風呂とトイレはありますか?」


『4人部屋でお風呂とトイレですね? 1泊朝夕食事付で50万ロイ。銀貨50枚です。一か月で1500万ロイですが割引して1200万ロイ、金貨12枚です。支払いは現金ですか?』


「冒険者ギルドから聞いた所ではカード支払が出来ると聞きましたが?」


『はい、出来ますよ。 先払いなのでカードをこの石板の上に置いて下さい。少しだけ待って下さいね......準備出来ました代表の方どうぞ』


明菜さんがカード支払をして受付嬢は明菜さんに部屋の鍵を渡す。


『はい、これが部屋の鍵です。部屋は3階の『303号』となります。部屋にはシャワー室とトイレがあります。お風呂に入りたければ5階の男女別の大浴場がありますよ?』


「ありがとうございました」


『それとこの後、夕食の時間になりますので2階の食堂かそれとも部屋での食事が出来ますけど?』


「部屋でお願いします。明日から朝は食堂で夕方は部屋でお願い出来ますか?」


『分かりました。朝の食事の時間になると大きな鐘が鳴りますので』


「はい」


『それじゃあ。ごゆっくりどうぞ~』


宿泊の受付が済んだ俺達は『303』号室に向って歩いて行く。

途中、3階に上がる魔法陣とかがあって驚きながら『303』号室に到着した。

中にはいるとそこには.........。


「「「「なんじゃああこりゃあああああ!」」」」

部屋は畳25畳の大きさで入り口の隣にはシャワー室とトイレがあり、反対側には4人が入るベットが.....。


「これってベット? 大きすぎるじゃないの?」


「一応ベランダがあるわね? ウッドデッキじゃないの」


「本当だ.....4人が座れる椅子とテーブルが置いている.......。此処って日本での高級ホテルじゃ.....」


明菜さん、みどり、明日香がそれぞれの意見を話している傍に俺はただ茫然していた。


「取り合えず座って話をするぞ? 俺が結界を張るから待ってくれないか?」

俺は結界を部屋全体に張ってから椅子にすわる。

女性陣もそれぞれの椅子に座るのを見てから俺は話を始めた。


「まずは、ロイゼン王国にてナイトハイム王国の情報を聞きださないと行けないのがひとつ。次にこれからの俺達の行動について話し合いだな?」


「そうよね...あの国の情報が先にだよね?」

明菜は真顔で答える。


「兄妹の神から聞いていると思うけど、あの国にはエステリーゼの加護を持った人達と、クラスメイト達がいる。これは俺の考えだが、あいつらはこの世界を支配しようと各国へ戦争を始めようとしている。俺達以外にも転移者がいると考えている」


「正樹、私達以外にも転移者がいるの?」


「ああ、あの王女からの話だと、他にも転移者が来ているはず。それは「ロマリア王国」、「レオバード連邦」、「ロマリア帝国」、「ガイアス王国」に派遣されていると考える。此れも俺の考えだけど、「ロマリア王国」は兄妹の神を信仰しているの為、エステリーゼ信仰者はロマリア王国に入っても行動が出来ないはずだ。「レオバード連邦」は亜人族が集まっているのと「ロマリア王国」との交流があるから今の所は問題ないが、「ロマリア帝国」と「ガイアス王国」はこの世界の覇権を握る為にさまざまな工作をしていると俺は思う」


「それで、ここロイゼンは?」


「一応、中立にはなっているが、ロマリア王国寄りだと考えている」


「そうよねえ....この建物。マジで日本と言うより外国からの建物に近いわ。転移者がいたらそうなるでしょうね.....。あの兄妹は元々の管理者だから...ありえるかも知れないなあ....。」

俺達が話合いをしていると誰かが割って入って来た。


『それは、間違いないぞ?』


「「「「誰?」」」」


『創造神ラファエルだ。正樹の言う通り、この世界には君達がいた『地球』から召喚て言うより、『地球』で何かの事故で死んだ人をこの世界に転生をされた人間がいる。人族、獣人族、エルフとかドワーフとかいろいろだな....。ただし、『地球』の神と交渉して20人までは転生したのだよ。転移は全くしていない。私達の世界にあのエステリーゼが介入して来て、あいつは無断でこの世界に転生と転移をさせたのだ。転移召喚は君達が初めてだが、転移は5人しか行っていない』


「転移者は今はこの世界にいるのか?」


『私達の転移者は500年前に20人をしたのみだけだ。転移者の子孫はいると思うが? ロイゼン王国とロマリア王国の王族は私達の加護を受けている転移者の子孫である。其処で君達にはお願いがある.....。この世界には迷宮と言うダンジョンが各地に配置している。その迷宮を攻略して欲しいのだ』


「迷宮攻略?」


『ああ、迷宮がある場所は帝国に2つ、王国に2つ。ロイゼンにも2つ。あのナイトハイムには1つ。レオバードとガイアスには2つあるのだ。これらの迷宮を攻略してエステリーゼの野望を防いで欲しい。ロイゼンの方は冒険者ギルドから情報を聞いたらいいだろう.....では、また逢おう!』


そう言ってラファエルの声は消えて行った。


「と言う事だ。迷宮攻略は俺も賛成だ。なんせ俺達がこの世界で生活するにはお金が必要だからな? そろそろ夕食の時間だ」


俺達は夕食の時間になり、部屋には使用人が入って来て夕食を準備するのであった。


~作者より~

遅くなってすいません。

次回もお楽しみ下さい。

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