第7話 その頃の勇者と言われている召喚者達は?

***今回は勇者(剣崎拓哉)視点の話になります***


僕達、逢坂学苑高等部2年B組のクラスと先生はこの「ロマリア」と言う世界に異世界召喚されたのです。

ギャラック侯爵って言う人により、僕達は水晶に手を触れると職業が分かるのだった。

その中で僕、剣崎拓哉は勇者。

獅子堂麗華が聖女で鏑木が聖騎士、北島愛羅が剣王。

そして、一条が拳王、白鷺瑞穂が精霊王である事がわかったのだ。


「拓哉は勇者なの? 私は聖女だって。ラベノ小説で読んだ内容だと勇者と聖女は恋人同士だわ。嬉しい!」

獅子堂は俺が勇者で本人が聖女だと分かったととても喜んでいた。

その後、他のクラスメイトが職がわかって行き最後の4人が...外れ職だと分かった。

先ずは仁科みどりさん。

彼女は天気予報士で今日の天気がわかる職でこの世界には必要がない職業だ。

僕はそんな仁科さんに好意を寄せていて、一回だけ告白をしたことがあった。

その時は「ごめんなさい....私昔から好きな人がいるの」って言われ断れたのだ。


次は剣道部の女子で強いと噂の望月明日香さん。

彼女は鏑木がいつもちょっかいを出していたけど、本当は望月さんに惚れていた。

しかし、結果は.....農夫婦で、農作業が特筆している職の為、これも必要ない職であった。


そして、教育実習生の緑川明菜先生。

彼女が2年B組に配属された日、このクラスの全員が緑川先生に好意を持っていた。

その彼女が侍女だったとは.....。

侍女はつまりメイドの事でこれも必要がない職業だった。


最後に、松風直樹。彼は望月さんと仁科さんの幼馴染で小学6年生からの付き合いである。

彼女達は他の男子には興味ないように見ているけど、この松風には毎日話かけて来る仲みたいだ。

その彼の職業は....無職。

つまり職がないって事だよな?

マジでニートじゃんか?

笑えるぜって心の中で笑っていた僕がいた。

その後、職なし4人はエリーゼ王女の提案によって森林地帯に転送されたそうだ。

この事は僕の世話係の侍女から聞いたのだ。

そして、僕達の担任の黒瀬先生も彼女達を追っかけるように森林地帯に転送されたと聞いた。

あの最低教師め、彼女達を犯して黒瀬先生の性奴隷になるかと思い、お前も森林地帯で死んだら良いっと思った。


次の日の朝、残った僕達は大食堂で朝食を取った後、エリーゼ王女から此れからの事を話してくれた。


『今、此処にいる貴方達は、魔王を倒す為に其処にいる勇者始め、最上級職の6人の手助けをしていただきます。その為には貴方達のレベルを上げないと行けません。最低でもレベル60以上にはしていただけないと魔王の配下には勝てないのです』

其処で僕はエリーゼ王女に尋ねた。


「エリーゼ王女。質問していいですか?」


『どうそ』


「もしも、僕達が魔王を倒したら元の世界に戻れるのですか?」


『そうですね....戻れる可能性があると言っておきましょう』


「何でですか?」


『私達は貴方達を異世界召喚は出来るのですが、帰還魔法はまだ研究中なのです。魔王を倒すのには年月がかかります。その間に帰還魔法を完成して、魔王討伐後に帰還出来ると私は考えています。』


僕はその言葉に少し疑問に感じました。

もしかしたら僕達は元の世界に戻る事が出来ないっと.....。

そう思っている時、頭の中で女性の声が聴こえて来たのです。

その場にいたクラス全員も同じように聞こえて来たのです。


『よくぞ、この世界に来てくれた。今、君達....異世界人達の頭の中に話している。私の名前は女神エステリーゼと言います。私の信託によりこの国の国王から召喚するように命令をしたのは私だ』


僕が代表で話をする。


「女神エステリーゼさん。本当に僕達が魔王討伐したら元の世界に戻す事が出来るのですか?」


『出来るぞ。その為に王族の一人の命を持って帰還魔法で君達を元の世界に戻してあげる。それと魔王を倒すのに今の君達のレベルは低いから私の加護をあげよう。私の加護の内容は『獲得経験値2倍』と『身体強化2倍』が使える。それを使って君達のレベルをMAXにしてもらいたい。勇者を含んだ最上級職の6人に対してはパーティ全体の獲得経験値3倍をやろう。それで6人以外の下級職のレベルの底上げをしてもらいたいのだ。但し、パーティを組んでいない時は通常の2倍になるのでな?』


「後、僕達は召喚されたままの服装なのでこれでは戦えません。何とかできませんか?」


『そうだな....最上位職の6人には聖なる武器を与えよう。他の人達はこの国の最強な武器を与える様に信託するとしよう。それで良いか? 勇者君』


「それで充分です。ありがとうございます」


こうして女神エステリーゼとの話は終わって僕達はレベル上げの準備をして行く。

此処で僕は重要な事に気が付いていなかった。

これは後で分かった事なのだが、ナイトハイム王国は世界征服を企んで最初にロマリア王国を支配下にする計画である事に。

ナイトハイム王国の住民全てが奴隷に近い扱いをされていて、王国内でクーデターを計画している貴族がいる事に....僕達はその兵士として召喚されていた事に.....。


そして2ヶ月過ぎた頃、僕達、2年B組のクラス全員は城の謁見室に呼び出された。

その場で待っていると国王を始め王子達が一緒に登場して各々の席に座り、ギャラック侯爵が僕達に話を始めた。


『タクヤ=ケンザキ殿始め、召喚者達殿。確認したい事があります』

僕が代表として答えた。


「確認する内容は何でしょうか?」


『君達の職レベルと健康状態を聞きたい』


「分かりました。最初に僕を入れた6人の最上級職について、僕がレベル30、麗華が28、優吾が27、瑞穂が25、騨が34、最後に愛羅が26です。」


『.....。なるほど。残りは?』


「残りは、男子が平均40前後で女子は平均35前後です」


『ふむふむ。低いのう....低すぎる!』

ギャラック侯爵は大声で喚いていた。

何でそんなに喚いているのかな?

レギオン第一王子がある人物に話かけた。


『騎士団長アイン! これはどう言う事か! 普通なら2ヶ月したらレベル50ぐらいにあんるはずだぞ! しかも女神の加護がある召喚者達は我々より能力が高いはずだ!』


『はい。レギオン様。此れまでの経過の説明を致します。』


『よかろう、言うが良い』


『では、6人の勇者達には我が近衛騎士団『漆黒の翼』の幹部1人個別に付けて訓練していいます。残りの24名は『漆黒の翼』の団員が1人当たり6名1グループでグループ単位で訓練した結果です。但し、訓練相手が疑似魔物なのでレベルが上げられない状況になっています。今、『漆黒の翼』の団員の平均レベルは70、幹部だと80にもなるのですが......。』


僕はその事に驚いた。

此処まで血を吐くような訓練をしても、この国の兵士のレベルの半分しかない事に.....。

しかも、クラスから聞いた話だと、僕達以外のクラス全員が色々と注文を出して、国が援助しているって事に。

特に男子全員は週一回、侍女らしき女性との性行為をしてもらっていた。

僕はしていないけど....と言うより麗華としているけどね?

優吾と騨はクラスの女子の不満を聞いて、そのお礼として性行為を毎日しているって聞いた事がある。

瑞穂と愛羅は二人でいつも一緒に謎の行動ばかりしているのでよくわからない。


『ならば、今までの待遇を改めないと行けないのか?』


『はい。そう言う事になります』

レギオン王子は考え込んでいる。

其処にギャラック侯爵が割って入って


『レギオン王子。訓練だけではなかなかレベルと戦いの経験値があがりませんぞ?』


『そうなのか? ギャラック。何かいい案はあるのか?』


『はい。迷宮ダンジョンでの訓練はどうですか?』


『迷宮か? なるほどな....いい案だ。』


ダンジョン?

マジですか?

そう思うとギャラック侯爵が話を続けた。


『我が国には3つの迷宮があります。1つは初心者向けの『草原の狼達』、中級者向けの『水辺の地底湖』、最上級『輪廻の扉』があります。初級ならレベル30から中級ならレベル60程度、最上級ならレベル90以上です。勇者含んだ6人の最上位職達には中級に潜っていただき、残りは6人パーティで初級に潜っていただきます。勇者パーティには副騎士団長のユリウス=ラインハルトの他3名を支援として参加され、残りのパーティには騎士団員3名の構成で参加されたら良いかと思います。

最終的には勇者パーティは最上級の『輪廻の扉』をクリアしてもらいます。無論、その時はサポートとして『漆黒の翼』の団長アイン=バルバトスと副団長ユリウス=ラインハルトと魔法騎士団『紅蓮の翼』の副団長ミランダ=ブレンダーが一緒ではどうですか?』


『なるほど.....。』


『後、もう一つ提案があります。今、召喚者達は城内で過ごしていますが、パーティを組むのであれば6人を1パーティとして別々に部屋を用意したら良いかと思います。勇者6人には西の塔の最上階にある部屋をこれは個室なので各1人入れば良いかと。残りの24人に関しては東の塔にある部屋を使います。其処は6人部屋なので残りの24人は男女各12名いるので男子6名が2組、女子6名が2組になりますので問題ないかと思います』


『ギャラック。その内容で行くぞ! タクヤ。これで良いか?』

王国側の提案に僕達は相談をして決めた。


「ギリオン王子、ギャラック侯爵の提案に賛成します」


『ギャラック、準備にはどれぐらいの日数がかかるのだ?』


『そうですな....3週間で』


『2週間にしろ!』


『御意』

こうして、僕達は2週間後に迷宮ダンジョンに潜る事になるのだった。

しかし.....これも僕は全く知らなかったのだ。

これから始まる惨劇を見るまでは.....。

それが分かるのに1年が経過するのであった。





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