第3話 神達に嘆願されて俺達4人は冒険を始める

『お願いだ。私達の世界『ロマリア』を女神エステリーゼから取り戻してくれないか?』

兄妹の神にお願いをされている俺達4人。


「どうする? 正樹君」


「あんた、はっきりとしてね!」


「松風君、ここは男子である貴方が決めて欲しいわ」

みどり、明日香、緑川先生....俺に決めさせる気なのか!

俺は色々と考えながらある質問を兄妹の神に尋ねた。


「質問して良いですか?」


『堅くならないでいいよ。もっと柔らかい言葉で良いよ?』


「それなら助かり.....助かる。質問と言うのは此処が「ロマリア」の世界で間違いないのだな?」


『ええ、その通りですよ? 君が言っているゲーム内と同じではないけどね?』

何故、俺がゲーム「ファンタジー・ロマリア」の事を分かっているのか?

俺は更に尋ねると意外な言葉が出て来た。


「俺が「無職フリーター」で緑川先生が「侍女メイド」で間違いないのか?」


『そうだよ。それと、仁科みどりさんの『天気予報士』と望月明日香さんの『農婦』はエステリーゼ教の信者にはバレていないみたいだ。この二人には僕の加護である『隠蔽操作』による者だよ?』

なんだって!

仁科と望月の職は神が隠蔽した職なのか...そうなればこいつらの本当の職は一体どんな職なのか?


『それで君達に見せたい物があるので、座っている机の上に石板があるのでそれを手に触れてくれないかな? そうすれば君達の今のステータスが目の前に表示するはずだよ? 本来、自分のステータスは自分しか見れないのだけど、これを使うと周りにも見えるから。特に君は直ぐに解ると思うけどね?』

俺達は兄妹の神の言う通りに石板に手を触れる。

石板から半透明の表示が出て俺達の今のステータスが表示された。

どれどれ、先ずは俺のステータスを見るか。


*****

松風正樹 17歳 男 童貞 職:無職(サブ職枠2 空き2) レベル1

身長185センチ 体重60キロ

HP300 MP200

能力 物理攻撃S・魔法攻撃D・物理防御A・魔法防御B・俊敏B・器用S・運A

基本スキル:剣術<3>・刀術<5>・格闘<5>・身体強化

加護:ラファエルの加護・エレナの加護

*****


おーい。詳しすぎるだろうが! 俺が童貞なんて......。

次は仁科のステータスだ


*****

仁科みどり 17歳 女 処女 職業:神官レベル1

身長155センチ 体重50キロ B94W60H86

HP200 MP300

能力 物理攻撃D・魔法攻撃D・物理防御D・魔法防御B・俊敏C・器用C・運B

基本スキル:身体強化・回復魔法<8>

加護:ラファエルの加護・エレナの加護

*****


......仁科のスタイル良いじゃん。しかも....バスト94? デカすぎだろう?

次は洗濯女子の望月のステータスを見よう。


*****

望月明日香 17歳 女 処女 職業:剣士レベル1

身長163センチ 体重48キロ B80W58H83

HP400 MP100

能力 物理攻撃A・魔法攻撃D・物理防御B・魔法防御C・俊敏S・器用B・運B

基本スキル:身体強化・剣術<4>・槍術<6>・刀術<8>

加護:ラファエルの加護・エレナの加護

*****


おい、望月よ....納得したわ。

頑張れよ?

最後に緑川先生のステータスを見るか?


*****

緑川明菜 20歳 女 処女 職業:侍女(サブ職枠1・空1)レベル1

身長160センチ 体重49キロ B88W57H85

HP100 MP100

能力 物理攻撃E・魔法攻撃E・物理攻撃E・魔法攻撃E・俊敏E・器用E・運S

基本スキル:身体強化・生活魔法<10>

加護:ラファエルの加護・エレナの加護

*****


.......能力は最低だな....まあ、これはあのゲームだと納得出来るわ。

しかし.....胸が88もあるの?

着痩せするのか...さすが大人の女性だな...って、処女だと!

マジっすか!

お互いにステータスを見比べると全員文句を言い放っていたのだ。


「緑川先生って処女で胸がデカイのよ!」


「望月さん。それは言わないで.....」


「明日香って本当に胸がないのね? 鍛えているから?」


「そうだよ! ほっとけデカ乳天然め!」


「仁科さん....私よりデカイなんて......」


「ちょっと明菜先生? それより明日香。職が剣士になっている。私は神官だって」


「本当だ....農婦から剣士になっている...ってみどりも天気予報士から神官になっている.....明菜先生は...侍女なのね....」


「仁科さんと望月さん! 私にその諦めた顔で話さないでくれる? 結構ショックなのよ....これからどうしましょう.....」


「三人とも、スタイルいいじゃん。特に望月は....予想通りの洗濯胸だな?」


「ほっとけ! このバカニート!」


「誰がバカニートだ。フリーターだ!」


「あのう....正樹君.....フリーター=ニートと言われているかも.....よ?」


「仁科さんの言う通りだわ....はあ。女子なら良いけど....男子に私が処女なんてバレてしまったわ....いやああああああああ!」

それぞれ思うところがあり、暫く時間が経過した時に兄妹神が話に割って入る。


『そこの3人の女子? この辺りで良いかな?』


「「「言い訳ないじゃんかあああああ!」」」


『『ごめんなさいいいいいいい!』』


「なあ。それより元に戻すけど、俺達のステータスはゲーム『ファンタジー・ロマリア』の内容と同じなのか?」


『其処は僕が説明するね? 正確には君達のは『ファンタジー・ロマリア(改定版)』を基本にしているよ? 他のクラス全員は旧『ファンタジー・ロマリア』を基本にしているけどね?それが僕達とエステリーゼとの違いさ』


「理由は教えてくれないか?」


『この『ロマリア』は僕達2人が作った世界だから。あらゆる異次元の世界の情報を取り込んで作ったのだけど、5000年前にこの世界は滅亡したのよねえ。その時に割って入って来たのが女神エステリーゼだったのよ。エステリーゼは何故か君達のゲーム『ファンタジー・ロマリア』のシステムを参考にして作り替えた。おかげで僕達は今の状況になったのさ。しかし、君達が召喚されると聞いてみていると松風直樹君とその幼馴染の2人、それとゲームには関心しない女性が1人いたので、僕達の加護としてこの世界に召喚されたのだよ? 正樹君と明菜君は特殊職で良いのだったけど、明日香君とみどり君は以前に君と一緒にプレイした経験を参考に職を与え、エステリーゼにバレないように職業のみ隠蔽操作したのだよ?』


つまり....俺がこのゲームの知識でエステリーゼが作り替えた世界を元に戻すって事か?

ゲーマーの俺には最高な場面だぞ!

って.....何で仁科と望月がこのゲームのテストプレイをしているのかを知っているのだ????

......まあいいけどね.....。


「それで、俺達4人でこの世界を元に戻すって事で良いのだな? 特に俺のゲーム知識を使って」


『ピンポーン! 大正解! 正樹君に座布団100枚あげて!』


「おい! 座布団はイラン! それよりも武器はあるのか? 俺達には武器はないぞ?」


『あ~。其処まで考えていなかった! ごめりんこね?』

何を言っていやがるこの天然バカ神が!

此処は抑えて行かないとな.....。


『君達の武器は横に置いているよ? 明日香君は刀で良い?』


「それでいいわ」


『みどり君と明菜君は杖で良いかな?』


「それでいいです」


「私は何もわからないから.....それでお願いします」


『正樹君は刀? それとも片手剣?』


「片手剣で、2本欲しい。ゲームでは二刀流だったからな」


『了解した』

ラファエルは祈りをすると各自の目の前に自分専用の武器が出て来た。


『先ずは正樹君の剣ね。いきなり最強な物は作れないので鋼鉄製にしたよ? 明日香君の刀は日本の伝統の刀の材料にしている。明菜君とみどり君の二人は重いので樹の魔物のトレントの材料で作った杖を用意したから。叩いても壊れないけど、強力な魔物には効果がないし、壊れるから注意してね? って言っても正樹君がなんとかするでしょう』

何で俺に振って来るのか!

って....俺やる事が解っているはずだとは思わなかったぜ。


『そして、此処から本番になるのでよく聞いてね? 今いる場所は僕達で言うと『原始の森』であのクソッタレ女神の言葉で言うと『魔の森』と言われている場所なんだ。この建物は強力な結界を張っていて僕達の加護を受けている人しか入れないのよ。エステリーゼ教の信者から見たらだたの森しか見えないの。分かった?』


「わかった」


『建物を中心半径500メートルまで結界の有効範囲だから。此処を拠点にして全員のレベル上げをしてから北に目指して欲しい。其処には僕達の信者が統治しているロマリア王国があるので先ずは其処に行ったらいいよ。その後は君達の自由で構わないから。南に行くとナイトハイム王国に行くので絶対に行ったらダメだよ?』


「わかった...って食事とかはどうするのだ? 食べる物がないぞ?」


「「「そうだった」」」

お前ら.....何もわかっていないのかああ???


『地下にこの世界の食材が置いている倉庫があるよ。量からだと1年ぐらいは生きていられるはずだよ? 調味料もこの世界の物なので上手く使ってね? 肉はこの辺の魔物を倒してと、魚は横に川があるから獲れるはずだよ?』


「すいません。此処にはトイレとお風呂はありますか?」


『トイレはあるけど、使えるかどうかはわからない。お風呂はないよ。川で身体を洗ったら良いかと思う。まあ、其処は正樹君が何とかするでしょう』


お~い! そこは俺がしないと行けないのか!

そうなると最初に取る職は生産職だな......。

マジで器用貧乏な職になるなあ.....。


『後、ナイトハイム王国では妻は一人だけど、性奴隷は何人いても問題ないのだけど、ナイトハイム王国以外は一夫多妻なので正樹君。君は今ハーレム状況だよ?』


ラファエル....サラッとすげえ事を言うのだ?

他の3人は黙っているぞ???


「「「.......」」」

仁科と望月は沈黙しているし、緑川先生からは夜叉顔で睨んでくるし....とほほほほ。


『そろそろ時間が来たから、僕達はこの辺で失礼するよ。僕達の加護はステータスで確認してね。それではバイバイー!』


兄妹の神は消えて行き、像のみ残った。

それを見て俺達はただ茫然としていたのであった...。

バカ野郎!


~作者より~

次回は建物内での正樹達の方針の話になります。

お楽しみ下さい。

明菜の本当の職業は何でしょう?

前作と同じなので分かりますよね?

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