第2話 光輝いた俺達はクズ職の為、ある場所に飛ばされた

ギャラック侯爵が置いた水晶を教師を含む逢坂学苑2年B組全員が見ていた。


『これから貴方達にはこの水晶に手を触れて欲しい。水晶から貴方達の職業が解ります。それを見て私が判断しますので。召喚された貴方達は此処にいる兵士より能力が高いと思いますのでご安心下さい。では、其処の年配の男性の方からお願いします』

ギャラック侯爵は担任の黒瀬文也くろせふみやに声をかけた。


『俺が最初なのか?』


『そうです。お願いします。嫌だと言ったら兵士に貴方を殺しますから』


『.....分かった.....手に触れたら良いのだな?』


『そうです。早くしなさい!』

ギャラック侯爵の脅迫により渋々と黒瀬は水晶に手を触れた。

すると水晶が光り、水晶を見た兵士が内容を言うのだった。


『フミヤ=クロセ....下級・戦士です』


『俺が戦士だと? 良いのかこの職業は?』


『まずまずの職業だと思います....次の人、どんどん行きましょう!』

その後、生徒達は水晶に手を触れて行く....。

戦士、魔法使い、僧侶などの下級職がどんどんできて行く。

その中で5人だけ特別な職業が出て来たのだ。


『アイラ=キタジマ 最上級職・剣王です!』


『私が....剣王? それってすごいのですか?』


『はい。最上級職でこの世界には誰もいません。アイラ様は私の後ろに来て下さい.....次お願いします』


『ユウゴ=カブラギ。同じく最上級職・聖騎士パラディンです!』


『俺が聖騎士パラディンとは信じられないぜ!』


『ダン=イチジョウ 最上級職・拳王です!』

次に拳王と言われたマッチョな男子は一条騨いちじょうだんと言いボクシング部に在籍いている男子だ。


『ミズホ=シラサギ。最上級職・精霊王です!』


『嘘.....。あたしが精霊王って言うの?』

精霊王と言われた女性、白鷺瑞穂しらさぎみずほと言い占い研究同好会に在籍している可愛い系の女子である。

そして、剣崎拓哉と獅子堂麗華の番になった。


『タクヤ=ケンザキ。最上職......勇者?? レイカ=シシドウ。最上職.....聖女?? なんと言う事だ! この世界に伝説の勇者と聖女が出て来た!』


それを聞いた王族達は驚きを隠せなかった。


『本当に勇者と聖女なのか? これは一番の成果だ!』


『僕が勇者?』


『私が聖女?』


『『ゲームなら最強な組み合わせだ!』』


『すごい....さすが剣崎君と獅子堂さんだわ』


『すごいぞ! 剣崎! 獅子堂!』

クラス達はもっと驚いていたのだ。

そして、残りは正樹、みどり、明日香、そして緑川先生となった。

その結果は......。


『アスカ=モチツキ。最下級職・農夫、ミドリ=ニシナ。最下級職・天気予報士』


『アキナ=ミドリカワ。最下級職・侍女メイド!』

明菜の職がわかるとクラス全員が笑い出したのだ。


『緑川先生って侍女なの? マジでビックリしたわ』


『緑川先生! 俺達の夜の相手をしてくれ!』


『お前ら、そう言うのは俺、黒瀬が最初だ! 俺が飽きたらお前らにやるからな?』

黒瀬は明菜を性奴隷をして思っていたのだ!

しかし、俺は少し気になる事があった。

....侍女メイドって...まさかな....

そして、俺の番になったのだ...結果は


『マサキ=マツカゼ。無職フリーター? と言う事は職なし!』


俺がフリーターだって!

マジで


『おいおい、オタクがフリーターだってさ....笑えるぜ!』


『本当にキモイ!』

お前らいい加減にしろよ!

俺が思っている時にギャラック侯爵が割って入った。


『此奴で最後で良いのだな?』

おい!

此奴とはなんだ!


『終わりました』


『国王、アスカ、ミドリ、アキナ、マサキの4人はどうしますか? その場で殺しますか?』

おいおいおいおい、俺達を殺すって言うのか?


『すいませんが、松風は良いとして、仁科君と望月君、そして緑川先生は殺すより男性達の愛玩具にしたら良いかと思います』

黒瀬!

お前は、明日香達を男子の慰め者にしようと言うのか!


『それは無理だ』


『どうしてですか?理由を聞きたいです』

黒瀬が国王に問いただすとギャラック侯爵が代わりに返事をした。


『この4人は、最低職でしかも、異教徒の女神エレナの加護を受けています。我々は女神エステリーゼ様の加護を受けていますので異教徒をそのままにするとダメなのです。だから、この4人は殺すしかないのだよ?』


俺達が異教徒だから殺すのか!

納得出来ん!

俺は心の中で叫んでいると王族から一人の女性が国王に助言をした。


『お父様。この4人は、国外追放したら良いのでは? 折角私達が召喚した異世界の人達ですよ? 殺したら女神エレナの怨念がこの国に来るかも知れません』


『そうだな.....。どうするか....』

国王が悩んでいるともう一人の女性が国王に提案をして来た。


『お父様。エリミアの言う通りです。この4人を国外追放としましょう。但し、この運命のカードで数字を足して、最後に残った数字の場所に転送されるのです』

第一王女のエリーゼがそう言い放った。


『それで行こう。ギャラックよ、カードの用意をしてくれ』


『御意』

国王の指示によりギャラック侯爵は運命のカードを用意した。


『国王様、エリーゼ様、エリミア様、レギオン様、ビクトル様。此処にある1から9までの数字が入っているカード81枚を用意しました。各自1枚ずつ引いてもらって足してもらい、最後に残った数字がこの4人の行く場所になります。0から3までは草原地帯、4から6までは湿原地帯、7から9までは森林地帯です』


そう言って国王一家はそれぞれカードを引いた。

国王は4,エリーゼは6、レギオンは5、ギクトルは9、最後にエリミアは2を引いた。

そして、数字を足していき、最後に残った数字は.......。


『最後に残った数字は.....8なので森林地帯に決まりました』

ギャラックが答えると国王は俺達に宣言をした。


『この4人を「森林地帯」に決定した。エリーゼよ、お前が転送魔法陣を発動しなさい。これでこの件は終わりだ。残った者は最上級職6人は各専用部屋で残りの下級職25人で男子13名と女子12名を6組に分別して最上級職1人に対して男子2名と女子2名とでパーティを組んでもらう。但し、其処の一番年上の男は少しの間待っておれ。この4人は直ぐに転送する。以上で解散とする』

国王の解散宣言でその場にいた王族は部屋から出て行く。

俺を始め明日香、みどり、緑川先生の4人は別の部屋に連れ込まれた。


『お前達、其処にある魔法陣の上に立て』

ギャラックの言う通りに俺達4人は魔法陣の上に立った。

すると魔法陣から光って俺達はその場から消えるのであった。


*****

正樹達が消えた後、ギャラックはエリーゼに尋ねた。


『エリーゼ様。あの4人は森林地帯の何処に転送したのですか?』


『あの4人は『魔の森』と言われる場所ですわ。だから一瞬であの4人は死ぬでしょうね....おほほほほほほ』


『それはいい案でした。さすがエリーゼ様』


『それとあのデブでキモイ男はこの後に「魔の森」に転送するとしましょう。3人の女性を好きにしたら良いと言ったら喜んで行くでしょう.....オホホホオホホ』


エリーゼとギャラックの二人はお互いに笑い合うのであった....。

しかし、これが4人の運命が大きく変わるのであったのだ。


******

魔の森の中心にある場所で4人は茫然と立っていた。


「正樹君。此れからどうするの?」


『そう言われていても....わからん!』


「分からんってなんじゃ! このバカ! ゲームオタクの正樹!」

明日香が俺に脳天チョップを叩き込んだ!


「痛いって言っているだろうが! この洗濯板女子が!」


「松風君。望月さんにそう言う事はダメです!」


「明菜先生に怒られてやがるの!」


「何を~!」

俺と明日香が文句の言い合いをしているとみどりがある言葉を話した。


「二人供、イチャイチャしなくていいのよ?」


「「誰がイチャイチャしているのだ! この天然め!」」


「緑川先生.......グス....二人がイジメます......」


「仁科さん....其処は....自業自得だと思うけど? それよりどうする? このままだと私達餓死するわ」


「「「.........」」」

明菜の話を聞いた俺達は沈黙をしたのだが.....頭の中に誰かの声が聴こえてくる。


『あのう....お取込み中すいませんが.....私達の話を聞いて欲しいのだけど?』


「「「「誰?」」」」

頭の中から女性の声が聴こえて来たと思えば、頭の中に別の人物から声が聴こえて来た.....男性である。


『すまん。失礼をした。僕はこの世界の神で創造神ラファエルと言う。先程の女性は僕の妹で名前はエレナと言う』


『女神エレナと言います。松風正樹さん。仁科みどりさん。望月明日香さん。緑川明菜さん。今から私達の指示に従って下さい』


「指示?」


『そう指示です。今から言う事を聞いて実行して下さいね? 今、貴方達は『魔の森』の中心にいます。其処から北に進むと建物がありますので先ずは其処に向って下さい。絶対にお願いしますね? 無視したら貴方達は死にますから』


エレナの指示通りに俺達は北に進んだ。

死にたくないからな!

1時間歩くと古ぼけた建物に到着をした。


『此処です。この建物の中に入って下さい! 急いで!』

俺達は急いで建物の中に入った。

建物は2階建てで1階には大広間があり、奥には美男子と美女の姿をした像が2体立っていた。

俺達はその前の椅子にすわると、2体の像が光って美男子と美女の実体が出て来た。


『これだと、君達に話が出来るから....君達ならこの世界を何とか出来ると思ったよ? お願いだ。私達の世界『ロマリア』を女神エステリーゼから取り戻してくれないか?』

ラファエルとエレナの二人は俺達に頼み込んだ。

......ってここってあの「ロマリア」なの?

その時、俺はあのゲームの事を思い出していた......を.....。

うそ~ん!


~作者より~

次回、エレナとラファエルがこの世界について説明をします。

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