第15話 『子猫亭』のその後とガメッツ商会の嫌がらせ
新しい『子猫亭』が完成して、オープンしたのであった。
その前に俺はミケールさんに商業ギルドに行ってギルド登録を行ってもらった。
其処で商業ギルドと冒険者ギルドの掲示板に『子猫亭』のオープンする日を告知したのだ。
子猫亭の入り口には料金表を掲示した。
***子猫亭料金表***
①宿泊のみ 一泊一人銀貨10枚(別途銀貨3枚で朝夕食事付、お風呂は無料。パーティでの場合は一人当たり銀貨1枚割引で銀貨9枚)
②食事のみ 日替わり昼ランチ 銀貨2枚 日替わり夜ランチ 銀貨2枚
但し、お酒の提供はありません
③大浴場のみ 一人当たり銀貨1枚 (食事は別途銀貨2枚)
④1週間宿泊サービス 一人当り銀貨70枚(朝夕食事付、お風呂無料。パーティの場合は一人当り銀貨7枚割引で銀貨63枚)
⑤1か月宿泊サービス 一人当り金貨3枚(朝夕食事付、お風呂無料。パーティの場合は一人当り銀貨30枚割引で金貨2枚と銀貨70枚)
日替わりランチに関してはコッテリコースとあっさりコースの2種類にしている。
冒険者達によっては種類が多いと選べるのが大変な為、解りやすい内容にした。
酒まで置いとくと酒場の売り上げが落ちるのでここでは酒は置いていない。
つまり、周りに気を遣ったのである。
しかし、此処で大きな問題があった。
それは従業員がミケール達4人しかいない、しかも、昼と夜限定の食事処をすると人手が回らないので、俺が取った方法は......。
孤児院を出た子供達を子猫亭で雇ったのだ。
料理補助と給仕担当が4人と部屋と洗濯作業担当が4人、お風呂作業と受付担当が各2人で合計10名を孤児院の院長先生に頼んで手配してもらったのだ。
賃金は1日銀貨1枚で三食食事付で住み込みが可能にした。
住み込み場所はミケール達の家の隣に従業員専門の寮があり、各自個室でトイレ共用がある建物に入居してもらった。
実は孤児院から出た子供達は住み込みで5人部屋が殆どで食事は出るが給料から引かれる事が多いなので、実質貰える賃金は銀貨15枚が最高で中では銀貨5枚しかもらっていない人もいたので、多くの子供達が立候補するケースが多かった。
其処で従業員の雇い年齢は15歳から20歳までの5年間にした。
休みはローテを組んで休んでもらい、休みはミーケが畑の作業の手伝いをしてもらい将来的に農村で農業をしてもらう事になったのだ。
.....こうしてオープンして1か月経った頃には子猫亭は大繁盛をしていたのであった。
勿論、俺は依頼達成したので半年間無料の報酬を貰ったのだ、やったぜ!
ある日、ミケールさんが俺に相談をしてきた。
『ユートさん、ビックリしましたよ。これほど儲かっていると思いませんでした』
「でしょう?」
『あのガメッツ商会の宿『黄金の犬屋敷』が何か嫌がらせすると思っています.....いい方法ありますか?』
「その辺りは大丈夫だ。外壁の入り口には選別魔道具を組み込んでいて、中に入ると悪い奴は白く輝いて中に入らない様にしているのだ。此処にはいる人は善人が多い。もしも、その人が中で悪さをすればすぐにバレる様に工夫しているぞ?」
『それなら、安心しました.....。』
まさか、食中毒の件で不安になっているのかな?
調理場に置いている食材は調理場の奥にある亜空間倉庫に入っている。
この倉庫は時間が止まっているので食材は新鮮、しかも腐っている食材は黒くなり直ぐに廃棄出来る様に作った倉庫だ。
まあ色々と工夫はしているけどね?
っとどうやら食堂から怒鳴り声が聞こえて来た。
『おい! なんだこの料理は? 虫が入っているぞ! しかも野菜も腐っているじゃないか! 店主を呼べ!』
カウンター席に座っている太った男と細い男が喚いていた。
『店主のミケールです。どうかしましたか?』
『お前が店主か! この料理見て見ろ虫が入っているじゃないか! しかも、野菜も腐っているし、この店はこう言う食事を作る所なのか!』
『違います.....』
『それじゃあ今から商業ギルドのギルドマスターにこの店を閉店させる様に駆け込んで行くぞ! それが嫌なら弁償しろ! 金貨100枚だ!』
『そんな.....』
ミケールが困っている時、俺が割って入った。
「そこのお二人さん。良いか?」
『何だこのチビ!』
「この店を作ったのは俺です。言い忘れたのですが、この食堂の天井には食事時間の間、この食堂を監視している録画魔道具を設置しています。今から録画内容を確認しますね? ミケールさん調理場の壁に埋め込んでいる魔石に手を触れて下さい」
『分かりました..今手を触れました...天井から映像が映り出しました....ってこれは? どういう事ですか?』
ミケールは録画内容を確認すると細い男が虫を入れた場面が出て来たのだ。
しかも、デブの男は野菜に何かの薬をかけた様子も映っていた。
『俺は何もしてねえ!』
「あんたが言った通りならこの水晶に手を触れて下さいな?」
『....わかった。手を触れるぞ.....何も光っていないじゃないか!』
二人の男は水晶に手を触れると水晶から光が出てこなかったので自慢げに話す。
すると、奥から騎士達が入って来て
『そこの二人組、ちょっと詰め所に来てもらおうか?』
『何で俺達が来ないと行けないのだ?』
『このユートさんの発案でな.....そこにある水晶に手を触れると私達の詰め所に置いている魔道具に反応する事になっているのだ。魔導具が黒く光ると此処で悪さしていると分かり確認してきたのだ。だから、今から詰め所に来て再度、ウソ発見の魔道具に触れてもらえるかな?』
『『......』』
『お前達! この二人を引っ張れ!』
『『『『ラジャ!』』』』
騎士達は二人組を連れて行くのであった。
『それでは失礼します』
『ありがとうございました』
「わかった? ミケールさん」
『悪事を録画して、この水晶で騎士団の詰め所に繋がっていたのですね?』
「そう言う事だ。俺と冒険ギルドマスターとの相談でした方法だな?」
『これなら安心しました』
ミケールは喜びを上げて調理場に戻って行った。
どうだ!
俺の作った警備システムは! 日本での知識を使ったシステムなんだぞ?
このシステムを商人達に配置してもらおうかな?
ちなみに俺は商業ギルドに登録済みでギルドマスターと知り合いであるのだ。
このシステムは他にもいろいろな機能があるから、それはギルドマスターに言っておこう.....と思う俺である。
***********
その夜、子猫亭の外には20人程の不審な人物達が並んで立っていた。
若い男が太った男に声をかける。
『親方。此処ですか? 今夜襲う場所は?』
『その通りだ。この宿は最近人気になっているからな? 結構お金を持っているはずってガメッツ商会の会頭から聞いた話だ。今から此処に忍び込んでお金を貰うぞ!しかも、この宿の嫁と娘も犯して良いって言われているからな?』
『そういう事なら遠慮なしで行くとしますよ? 俺は獣人を犯すのは初めてなので楽しくて股間が疼きますぜ』
『行くぞ! お前ら!』
『『『『『おおおおおおおお!』』』』』
盗賊達は雄たけびを上げて宿の外壁にフック付きロープを投げてフックはうまく外壁の上に取り着いた。
そして、盗賊達は昇って行くが.......。
『ぎゃああああ!』
『なんだあああ!』
『体が痺れる.....』
昇っていた盗賊達が次々と落ちて来た。
それを見た親方は子分に指示をかけた。
『お前ら、こうなったら魔法で壁を壊せ!』
子分たちは壁を壊す為、爆裂魔法を一斉に放ったのだが......外壁はビクリとしなかったのだ....。
『壁が壊れていないだと! なんだ! この光は!』
外壁の上から盗賊達へ光が差し込んだ。
その光を浴びた盗賊達は次々と眠りに落ちて行った。
『眠い.....なんだ....ここは....』
次々と眠りに落ちて行く盗賊達。
その行動を見た俺は宿泊している冒険者達に館内放送をかけた。
ちなみに俺の部屋は3階の高級部屋にいて、部屋全部に館内放送が出来る魔道具を配置、その魔道具を使って放送したのだ。
もしも、危険な事態になった時に館内全体に聞こえるようにしたのだ。
どうだ! この完璧な防犯機能は!
『この宿には防犯機能が付いていて、壁には麻痺効果の魔法が埋め込めている魔道具によって手に触れると痺れてしまいます。入り口の光は睡眠効果の魔道具で発したので光に当てられた人は全員眠っています。ミケールさん、騎士団に通信魔道具で報告して下さい』
『わかりました』
『それと宿泊のお客さんには言いますが、宿の各階には防御結界を張っていますので間違っても外に出ない様に注意してくださいね?』
俺の館内放送で聞いた宿泊客はそのまま寝ていたのである。
こうして、盗賊達は騎士団に捕まって尋問されるのだった。
そして、領主の謁見する日を迎えたのである。
~作者より~
次回は領主への謁見での話となります。
バカ息子が犯した事で領主の爆発が出ます。
お楽しみ下さい。
*****最新情報******
8月中旬から下旬にかけて新作を掲載します。
タイトルは『FANTASY・ROMALIA<英雄伝説編>』です。
この新作は『FANTASY・ROMALIA~異世界召喚された無能な俺は本当のスキルが覚醒して4人の嫁達と一緒に無双します~』を大幅に内容を変えて作りました。
主人公のオタクぶりが沢山出る物語となっていますのでお楽しみ下さい。
尚、前作『FANTASY・ROMALIA~異世界召喚された無能な俺は本当のスキルが覚醒して4人の嫁達と一緒に無双します~』は約25万PVを記録しました。
そちらもよろしくお願いします。
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