第9話 『子猫亭』での出来事
ギルドの受付嬢のリンダから紹介された宿『子猫亭』の場所まで徒歩で行く。
「この辺りは宿が多いなあ...。しかも、立派な宿ばかりいくらするのだろう?
丁度、「黄金の犬屋敷」って言うのがあるから聞いてみようか?」
ユートは「黄金の犬屋敷」の中に入り受付から話を聞きいた。
「すいません。お尋ねしたいのですが、1泊いくらですか?」
「いらしゃいませ.......チェ。ガキか? お前に払えるのか?」
「だから教えてください」
「つっか、分かった。素泊まりで1泊金貨1枚。食事は朝、夕方の2食あるので追加料金で各金貨1枚ずつだ。分かったか! この貧乏人め!此処はBランク以上の冒険者か貴族様専用だ。お前に泊まれないわ!」
1泊金貨1枚?
しかも朝食と夕食の2食で各金貨1枚?
合計金貨3枚でこの宿に泊まれるのか????
ぼったくりの宿じゃないか!
「ありがとうございました」
「さっさと行け! お前ぐらいの貧乏人には「子猫亭」で十分だ」
怒鳴り散らす受付の人に一言を言ってからこの場を出た。
「そこの受付の人、俺を舐めると....この宿2週間で潰れるぞ?」
「あはははは! 潰れるとはなあ....ここのガキ! 潰れるのは「子猫亭」だ! あそこは後2週間で終わりからな?」
そして、少し歩くと目的の「子猫亭」に着いた。
「子猫亭」は、はっきり言って......ボロ宿屋であったのだ。
3階建てで周りに庭もあるのだが、建物自体が今にも崩れそうになっていた。
それを見た俺は余りの光景で立ちすくんでいたのだ。
「うわあ.....ここマジで「子猫亭」なのか? まあ入るとするか?」
しょうがなく「子猫亭」中に入ると受付席と思われる場所に歳は10歳ぐらいの小さな少女が座っていた。
あれ?.....この子の耳.....猫の耳をしているなあ.....って、もしかして猫型獣人の女の子なのか?
キタアアア! 猫耳少女だあああああ!
俺が心の中で叫んでいるとその少女が声をかけてきて
「いらっしゃいましゅ....にゃあ?」
噛んでいるぞ? この子?
「すいません。ここは「子猫亭」で良いのですか? 泊まりたいのですが?」
「はい。此処は「子猫亭」でにゅにゃ。お泊りでしゅにゃ?」
「そうだけど? それで宿泊料金は?」
「はあい。1泊2食付きで金貨10枚でしゅにゃ?」
なんだと! 金貨10枚だって!
俺がそう思った時、後ろから同じ猫耳の女性が出て来て少女に脳天チョップをしていた。
『マール! 何言っているのよ! 金貨じゃなく銀貨でしょうが!』
「え~! ミーケお姉ちゃん! ひどい! 今日から金貨10枚にしようと言ったのミーケお姉ちゃんだよ! そうじゃないと......ここが無くなってあたし達は奴隷になってしまうよ?」
『それでもあの「黄金の犬屋敷」にはならないわ。出来る限りお客さんを多く取り入れないと....。って、あらお客様でした? 私は「子猫亭」の店主代理のミーケと言います。其処にいるのが妹のマールですわ。お客様、1泊2食付きで銀貨10枚ですけど、どれぐらいお泊りになりますか?』
「え~と、1週間でお願いします」
『それなら、銀貨70枚ですね? 料金は先払いになりますが?』
「はい。用意していますので、これでいいでしょうか?」
俺は銀貨10枚をミーケさんに渡し、ミーケはマールに指示をした。
『ありがとうございます。マール、お客様を「101号」にご案内させて』
「お姉ちゃん、わかった。どうぞ、こちらでにゅにゃあ」
マールの案内で俺は「101号」に向った。
「ここが「101号」でしゅにゃあ。夕食の時間に呼びに行きましゅにゃあ」
「ありがとう、これ少ないけど、チップだよ?」
俺は銅貨10枚程度のチップを渡すと
「わ~い、ありがとう!」
笑顔で答えて喜びながら帰っていった。
「101号」に入ると床はフローイングで所々にヒビが入り、少しボロいベットが置いていたが、シーツだけは洗濯しているのか綺麗だった。
俺はベットに寝転んで「冒険者利用パンフレット」の中身を見た。
読んで見て内容が細かいのでまとめると以下の内容になる。
***冒険者利用パンフペレット(ユートが整理した版)****
①冒険者登録するとギルドカードが貰え、掲示板の依頼、及び通常依頼を完了報告するとポイントが貰える。ポイントが一定値を超えると次の冒険者ランクアップが出来るようになる(Cランクまで)Bランクに上がるには基準ポイントの達成と昇格試験の合格、それと各支部のギルドマスターとその街の領主との面談で昇格が決まる。Aランクは、王都のギルド理事との面談、Sランクは各国の国王との面談で決まる。
②冒険者にはランク制度があり、最高位Sから最低位Fまでのランクがある。
その人数は以下の通りである。
Sランク.....国が認めた最高位のランク。各国に1人、又はパーティを指す。
Aランク.....各国の王都にあるギルド理事が認めたランク。在籍は各国100人程度
Bランク.....各街のギルドマスターが認めたランク。各街で約10~20人。各国1000人~2000人ぐらい。
Cランク....一般より上の冒険者のランク。各街で約2000人~4000人。護衛依頼や氏名依頼が出来て、各国に行ける事が出来る。
Dランク....一般の冒険者のランク。これが一番多い。各街で5000~10000人。
Eランク....新人から1年以上になれる冒険者ランク。Dランクと同じ人数。
Fランク....冒険者登録したランク。
③冒険者は依頼掲示板を見て依頼を受ける事が出来る。基本同ランク又は一つ上のランクが受けれるようになる(Cランクまで)
④Bランク以上の冒険者には専門の受付嬢から依頼内容を確認して受ける事が出来る
⑤ギルドカードには、魔物討伐履歴、依頼書完了履歴が記憶される。しかも、受取はギルドカードに銀行機能が付いている為、引き出しは受付嬢に依頼をしてお金を貰う事が出来る(預かり税がり、一年で預かりの5%が引き落とされる)
⑥冒険者同士のトラブルは関知しないがギルド内でのトラブルに関しては受付嬢がギルドマスターに報告し、報告されたギルドマスターの裁量で決定する。
⑦通常依頼は、その地域によって内容は違うが、普段は地域に被害が出る魔物中心の討伐、それと薬草採取がある。
(この世界で回復魔法が使える職業が少ない為、回復薬が多く消費するので薬草採取が一番多い)
⑧他の街や国に行くときは、Cランクの冒険者はカード提出したらすぐに出られる事が出来る。但し、ギルドカードを門番に提出する事。
(門番には常に依頼内容の情報が判断できる魔道具を身に着けて居る為、勝手に他の土地に行く事が出来ない)
⑨パーティメンバーが死亡した時は、必ず所在ギルドマスターに報告する事、死亡した冒険者の家族には見舞い金(金貨10枚~20枚)が支給される。
*********
結局、自分の事は自分でしないといけないなあって思った。一つ違うのは、パーティを組まないと達成出来ない依頼が多い事だ。
この世界ではソロで冒険者活動が中々厳しいって事だ。
だけど、俺は違うぞ! 絶対にソロでも行ける!
「確認したけど、こりゃあ普通ならCランクまで上げるのに約5年以上かかるはずだわ....。まあ大丈夫だろう....。取り合えず、今のステータスを確認するか」
俺はステータスオープンを呼んだ。
名前 レオン=ロックバーグ 15歳 男
元ロックバーグ辺境伯爵長男 種族 超人類
職業:
サブ職枠:僧侶レベル90・商人レベル40
*カンスト職*
基本職:戦士・剣士・武道家・魔法使い・探索者・狩人
生産職:錬金術・鍛冶師・木工鍛冶・薬剤師・付与魔術士・加工術士・結界術士
ネタ職:農民・木こり・天気予報士・料理人・釣り師・馬車操縦士・船乗り・大工
・設計建築士・発掘工
HP385000 MP250000
攻撃A・物理防御A・魔法防御A・魔力B・器用S・俊敏A・運A
獲得スキル:剣術・槍術・短剣術・全属性中級魔法・全回復中級魔法・武道術・弓術・全性能探知・全生活魔法・鉱石合成・全属性付与魔法・全耐性結界魔法・全異常属性薬作成・大工技術・高品質土壌作成・生育成長促進
固定スキル:望月流剣術・望月流格闘術・道具箱・神眼・隠蔽操作
固定能力:全異常耐性無効・魔法創造・身体強化
その他:女神エレーナの証
創造神ウリエルの証
.....なんだか化け物になって来たわ.....。
そして、部屋の外からマールの声が聞こえて来た。
「お客様。夕食の準備がでみましたにゃあ。一階の食堂に来て下さいにゃあ」
「分かったすぐ行くよ」
相変わらずネコ見たいに話すのかね?
俺は顔を傾けながら部屋を出て食堂に行くのであった。
~作者より~
次回は「子猫亭」の状況を見てユートが何かをします。
お楽しみ下さい。
面白いと思った方は評価ポイントをお願い致します。
一話につき、大体3000から4000文字の予定ですが、長くなりそうな時は分けて掲載します。
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