第7話 シスタークリスのある一日

****今回はクリスの視点で送りします****


私の名前はクリスティ=ノーマン。

今はザクソンにある孤児院のシスターとして生活しています。

私の家はロックバーク家の騎士の家柄で16歳の時にレオン=ロックバーク辺境伯爵夫妻の従女として仕えていました。

18歳の時、レオン=ロックバーク辺境伯爵夫妻から嫡子で2歳になったレオン様の専属侍女となり、レオン様がユート君に改名して私がシスターとしてもう合わせて10年間一緒に暮らしています。


最近、ユート君に私の歳が26歳って事がばれていたのがビックリしました。

私の固有スキルで隠蔽操作で年齢と体のサイズを調節していたのに.....。

何でばれたのか、それはユート君の神眼のスキルを使ったからでした。

そのスキルでは隠蔽操作も聞かないので....その時点で私は諦めました。


将来、ユート君が15歳になり冒険者になるまで一緒に行こうと思っています。

だって! ユート君は可愛い! それと孤児院の男の子も可愛いから!

食べたいいいいいい!

そう思いながら毎日暮らしています。


私の一日は、朝ユート君を起こす事から始めます。

ユート君が意識不明から取り戻した以降は、ユート君のベットに潜り込んでイジワルをしていましたが、最近、何故か防御結界を張ってしまい.....イジワルが出来ません!

お陰で毎日、下着姿で結界を蹴りを数十回して起こしています....まあ一応ストレス発散になっているのだけど.....。

今日の下着は、赤いレース柄の普通タイプです。

その後、食堂に行って朝食を食べます。

食堂では孤児院の子供達全員と院長先生他シスター達と一緒に朝食を食べています。

ちなみに私は料理が下手で以前に料理をしたら、子供達約半分が食中毒にかかってしまっったのす....ユート君が作った食中毒を治す薬で問題がなかったのですが、それ以降は私が料理する事がありません.........シクシクシク。


朝食を食べている時に院長からユート君に質問がありました。


「ユートさん。今日の予定は?」


『今日は魔物討伐と薬草摂取をします。クリス姉ちゃん、部屋にある魔法袋を持って素材の買い取りをして欲しい、頼むよ?』


「わかりました」

今日は素材の買い取りの日であったのを忘れていました。

ユート君は私の事をクリス姉ちゃんと言ってくれます......体が火照ってウズウズしていますわ♡


『クリス姉ちゃん、まさか....忘れているではないだろうな?』


「覚えていますってユート君」


『本当か? また太っていたぞ? 今度は2キロだ、此処2か月で6キロ増えているぞ?』


ユート君! .....なんて事を言うの!

私は体重とスタイルは完璧にしているのに!

2か月で6キロ太っているって.......後でステータス確認が出来る魔道具で確認しょう.....。

ちなみに孤児院では、ステータス確認が出来る魔道具が置いています。

その理由は子供達が10歳になった時、司祭様が神託をするのに使い子供達に適切なアドバイスをする為です。

私はユート君が言われた事に大きく反論をしました。


「私は太っていません! 胸が大きくなったのです! 見て下さい!」


私は上半身になろうとしたのを見てユート君は慌てて


『分かった! もう...胸を揉むのは止めろ! 子供達が喜んでいるぞ? それと院長先生も何か言って下さい!』


「そうねえ.......シスタークリス。3時のおやつのお菓子を大量に食べるのがいけないわね......シスターメイ。シスタークリスが食べるお菓子の量を調節してくれる?」


「わかりました。院長。クリスさん、一緒にダイエットしましょうね♡」


院長.....メイにあんなことを言うの! あの子、まだ16歳なのに年上の女子が好きなシスターって言っているのに!

シスター・メイは最近、孤児院に入って来た見習いシスターである。

歳は16歳なのに普段は眼鏡をかけているのだが眼鏡をはずすと何故か妖艶な顔した少しぽっちゃりの体型をしているシスターだ。

年上の先輩シスターに何時も甘い声を出してくるのだ。


私はそう言う趣味ではないから!

それとユート君、遠い目をして私を見ないでよ!


「シスター・メイ。それは自分で管理しますから、おやつの後は子供達と外で遊ぶので大丈夫ですよ?」


「.....そうなのですか?  ....残念です.....(ちぇ、もう少しで落とせると思ったに)」


貴方ねえ、心の声が何となくわかりましたよ?

食堂での出来事が終ったので私はユート君から頂いた魔法袋を持って、ある場所に買い取りの依頼をする為、孤児院から出て行きました。

その場所は、孤児院から少し離れた場所にあり、赤い3階建ての建物になっていました。

中に入り、2階に上がってすぐに買い取りの専門の受付が見えて、其処に立っている受付嬢に話をかけました。


「そうこそ、冒険者ギルド、ザクソン支部にようこそ....ってクリスさんでしたか?」


「おはよう、ミーナさん。今日は素材の買い取りに来たの? いるかしら?」


「いますよ? 空いているか確認してきますね?」

ミーナさんは席を外して、すぐに戻って来ました。


「大丈夫ですよ? 一緒に行きますか?」


「私一人で行けるわよ。ありがとうね」

ミーナさんの感謝の意をしてから3階に昇って、目的の部屋に着きました。

部屋の扉を叩くと奥から男性の声が聞こえてきたのでした。


「誰だ?」


「私です。いつもの用事に来ました」


「空いているから入れ」


「では失礼します」

私は部屋の中に入った。

部屋には先程の男性が机の上の書類の整理が終わった所だったので、私は向いソファーに座った。


「よく来たな? クリス。そうか、今日は買い取りの日だったか?」


「はい。そうですよ。ギルドマスターのゲイル様」


「お前にゲイル様と言うのは気味が悪いから普通に話せよ?」


「そう....わかったわ、ゲイル。今日の素材の一覧はこっちになるわ。ユート君が纏めてもらったの」


「どれどれ、ほほう.....オーク50体、ビッグボア50匹、ゴブリンの魔石が200個か..素材はその魔法袋に入っているのだな?」


「そうよ? それじゃあ、袋ごと渡すから前に渡した袋を返してくれる?」


「これがその袋だ...。この袋便利だな? 亜空間収納搭載の袋は」


「ユート君が作った袋だからね?」

私はゲイルに素材が入った袋を渡し、その代わりにゲイルから袋を返してもらった。


「しかし、亜空間収納の袋は組み込まれている魔石に魔力を入れると中身の一覧がが出る品物だ.....普通に売れば白金貨1枚になるのだが.....」


「それは売れなし、これは孤児院の私有物なので無理だわよ?」


「分かった。分かった。さすが.....ユート....いやですな? それでミューエルからの依頼は聞いて来たのか?」


「はい。からの依頼はリオン様の今度についてギルドマスターのゲイルさんの意見を聞きたいのです」


ゲイルさんから言われたミューエルは孤児院の院長先生でしかも、ゲイルさんの奥さんだったのです。

院長先生から聞いてビックリしましたわ。

だって、あのドラム管体型の院長先生が人妻だったのに....。


「俺の考えを言わせてもらぞ?」


「少し待って下さい......。準備が出来ました。どうぞ言ってください」


私は、机の上に録音魔道具を取り出して、それに魔力を込めました。

この録音魔道具は、院長先生が制作した魔道具で、魔力を入れると1時間程度の録音が出来るのです.......院長先生は....魔道具開発者でもあるのです。

準備が出来たのでゲイルさんは話を始めました。


「レオン様の今後については、15歳になったら冒険者ギルドで冒険者登録をしていただく、最初はFランクから始まる決まりなので、其処はレオン様次第だと思うって言ってもなあ.....すぐにCランクまで上がれるだろう? Cランク冒険者に昇格したらこの街、ザクソンの領主との面談をする。それで領主との相談で今後の目的を決めようと思う。参加者は領主と俺、そして、ミューエルとお前クリス。後はBランク冒険者パーティ「白銀の狼」のメンバー4人とレオン様で全部で9人だ。その件はCランクに昇格した後でレオン様と相談して日時を決める。それまでは。以上だ」


ゲイルの話の録音が終ると私は少し気になった事を聞いた。


「今のベルマーク王国の状況はどうなっているの?」


「今は調査中だが.....結構ややこしくなって来ているかな? こればかりはレオン様が成人してCランク冒険者に昇格した時にレオン様自身が決める事だ。それよりクリス。お前は冒険者活動をしているのか?」


「しているわ。まあ主に浮気調査とか、院長先生経由の依頼ばっかだけどね?」


「そうか.....確か、お前はCランクになったよな?」


「そうだけど?」


「なら、これは俺からの忠告だ。お前にはレオン様が成人してCランクになった時、。その役目、お前自身が死ぬ事になるかもしれん、それとミューエルにこの手紙を渡してくれないか? お前の今後の事を書いている。絶対に中身を見せるなよ!」


そう言ってゲイルさんから手紙をもらった。


「分かっているわよ? 中身を見てしまったら....あの人、あの顔で恐ろしい事を言うに決まっているわ」


「それじゃあ、買い取り金額は全部で金貨150枚と銀貨80枚だ。ミューエルのギルドカードを持ってきただろう? 渡してくれ。振り込むから」


ゲイルさんから院長先生のギルドカードを渡し、そのカードで買い取り金額の振り込みをしました。

これでゲイルさんの用事が終って、私は喫茶店に入り、少しお茶とお菓子を食べて孤児院に戻り、ゲイルさんからの手紙を院長先生に渡しました。

院長先生はその手紙を見てから、私の顔を見てニャっと笑顔で話始まりました。


.....マジで嫌な予感がする.....その嫌な予感が当たりました!


「シスター・クリス。明日から料理が上手にできるように私自ら料理の先生となって貴方を一人前の料理人にしますわ♡ 頑張ってね♡ 後、ユート君が狩りに行っている時には、ユート君が作ったトレーニングルームと言う部屋で自身の身体を鍛えてね♡」


「嫌ああああああああああああ!」


「嫌って言わないの? いい? これは貴方の為になるのです。貴方が料理上手になる事と体を鍛えてスリムなスタイルになってユート君を悩殺出来るわよ?」


.......私は院長先生の言う事を妄想して.....そして、決断をした!


「分かりました! 私、シスター・クリスは料理と体を鍛えてユート君をメロメロにさせます!」


「よくぞ、出来ました! 明日から始めましょう!」


「はい!」


こうして私、クリスティ=ノーマンは、ユート君の為、料理の特訓と体を鍛えて、ボン!キュ!ポン!のスタイルになる事を目標に活動する事になりました。

見ててユート君!


~作者より~

今回はクリスの一日を書きました。

後半の内容は、ユート(レオン)自身の運命が変わると思って下さい。

意外と重要人物が出て来ました。

今後の展開にご期待下さいね。

又、面白いと思った方、今後の展開を読みたい方は是非評価ポイントをお願いします。

追伸、クリスはヒロインじゃありません.....。

メインヒロインは既に決定していますけど、2章か3章の掲載予定を考えています。


次回は7月9日に更新します。





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