#64 体育大会①



 体育大会本番当日。


 10月に入り朝は随分と涼しくなっているが、快晴なので日中は暑そうだ。




 いつもの様に石垣&真中、そしてワラシの4人で登校する。



「ケンピとワラシはリレーの代表なんだろ?」


「おう、ワラシが3番手で俺がアンカーだよ」


「ケンピは兎も角、まさかワラシがリレーの代表に出るとか、少し前なら信じられんよな」


「シズカちゃんに売り飛ばされたの」


「まぁ選抜の代表とかみんな嫌がるから、多少強引にでもさっさと決めて話し合い終わらせたかったんだろ?」


「でもワラシって、確か足速かったよな? 小学校のマラソンでビックリしたの覚えてるぞ」


「そうそう、俺がポロっとワラシが足速いの話したことあったから標的にされたのよ」


「でもまぁ良いんじゃね?ケンピとワラシで仲良く同じ種目に出れるんだから」


「そうなの。練習も一緒に頑張ったからね。ぐふふふ」



 なんだかんだと、ワラシも結構気合入っている様だった。







 学校に着き教室に行くと、八田さんと花岡さんがお喋りしていたので、挨拶を兼ねて花岡さんのコンディションの確認をした。



「二人とも、おはよ」


「ケンピくん、おはよー!」

「おはよ、ケンピくん!」


「二人とも朝から元気いいな」


「今日のリレー、よろしくね」


「花岡さんもよろしくね。 第一走者に全て掛かってるから」



 普段から注目されてるし、バレー部のレギュラーで試合の緊張感とかに馴れているはずの花岡さんには、これくらいのプレッシャーを掛けても大したことは無いだろう。


「ケンピくんもアンカー頑張ってね! それで、終わったらみんなで祝勝会しよう!」


「祝勝会って、勝つこと前提じゃん」


「勝とうよ!」


「お、おぅ」


 なんか花岡さん、俺よりも気合入ってるな。

 コンディションはバッチリの様だ。






 担任の先生が教室にやってくると、形だけのHRが終わり直ぐに男女交代で体操服に着替えて運動場に移動となった。


 各自、自分のイスを持って運動場に出ると、トラックの周囲をぐるっと囲む様に、各クラス毎で固まってイスを配置。

 ブサイクな俺と地味なワラシは、目立たない様に後ろの方に並べてイスを置いた。

 因みに人気者の八田さんや花岡さんは前の方で、その周りをみんなが争う様にイスを置いていた。




 今日の予定は、午前中に俺のハードル走と選抜リレーの予選があり、午後に八田さんが出る障害物競走と選抜リレーの決勝がある。

 それ以外は、各クラスの応援席に座って大人しく応援となる。 因みに選抜リレーは、予選は各学年別に行われ、学年ごとの1位と2位だったクラスが集まり計6クラスで決勝が行われる。




 ということで、自分の種目以外はワラシとずっとお喋りだ。



「花岡さんが、体育大会終わったら祝勝会やろうだって」


「クラスで集まるの?」


「内輪だと思うぞ。リレーの話してた時に言ってたからリレーメンバー中心じゃない?」


「なら4人とシズカちゃん?」


「そうだな。八田さんも一応自称総監督だったからな」


「バッキーも呼ばないと。コーチしてくれたし」


「おっけ。バッキーも呼んじゃおう。 また花岡さんVSバッキーが始まるな」



 花岡さんの半ケツ事件以来、花岡さんはバッキーが6組に遊びに来る度に仕返しとばかりにバッキーのスカートを捲ろうとするが、毎回返り打ちにあっていて、今や6組では花岡さんVSバッキーの仁義無き戦いがちょっとした話題になっていた。



 因みに俺の見立てでは


 戦闘能力ランキング


 1位 バッキー


 2位 花岡さん


 3位 ワラシ


 4位 宮森さん


 ビリ 八田さん



 そして、俺の見立てを聞いたワラシは


「シズカちゃんはどんなランキングなら1位になれるのかな」


「美少女ランキングだと花岡さんが不動の1位だし、腹グロランキングだとバッキーがダントツだし、スケベランキングだとワラシが殿堂入りだし」


「むっつりスケベランキングは?」


「なるほど」




 で、二人で考えたムッツリスケベランキング


 1位 八田さん


 2位 宮森さん


 3位 バッキー


 4位 花岡さん


 ワラシは、スケベなのを隠そうとしないので対象外。

 花岡さんも俺たちの前だと隠していないが、普段他の男子とかの前だと猫被っているから一応ムッツリランキング入り。



 そんな話をしているとバッキーが遊びに来たので、俺とワラシのイスをくっ付けて3人で座りながら俺たちの考えたランキングをバッキーにも教えてあげた。 因みに座り順は、俺が左で真ん中にワラシで右にバッキーだ。



「いやいやいや、シズカちゃんの為のランキング考えるなら普通は試験の成績の話が出るでしょ。ムッツリスケベランキングって、何も無いから無理矢理探した感が凄いよ」


「あーそうだった。八田さん、テストの順位だけは良いもんな」


「そうだったね。シズカちゃんテストの順位だけは良かったね。残念なことに」


「残念なことなんだ。っていうか、戦闘能力ランキングも大概だよ!」


「なんだバッキー不満なのか? 俺もワラシもバッキーの戦闘能力を認めてるんだぞ?」


「私がハンドおちんちんを唯一伝授した逸材。バッキーはもっと胸を張るべき」


「そんなの認められても全然嬉しくないよ!」


「なんでだよ。戦闘能力ナンバーワンって言ったら、三国志で言う呂布のボジションだぞ?カッコイイじゃん」


 腹グロさ的には袁術だけどな。


「え?リョフ?だれそれ? っていうか、そろそろ実行委員の仕事に行かないと」


「バッキーは何するの?」


「道具出したり片づけたり、あとハードル走の時のゴールテープを持つ係もやるよ」


「ほー」


「ケンピくんのゴールを一番間近で見れるから立候補したの」


「それは確かにビチョビチョになるね」ぐふふふ


「別にビショビショになりたくて係やるわけじゃないからね、って私行くね。 ケンピくんもフミコちゃんも頑張ってね!」


「あ!そうだ! 体育大会終わったら花岡さんが祝勝会やろうって言ってたから、バッキーも来てくれな」


「うん、わかった。必ず行くね」


「バッキーも実行委員がんばってね」


 ワラシはそう言いながら、バッキーに向けてハンドおちんちんを勃起させた。

 多分ワラシなりにバッキーにエールを送っているのだろう。

 バッキーもそれに応えるようにハンドおちんちんで返していた。



_____________


体育大会編 ①~③と続きます。



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