#63 机の角でグリグリするの、流行ってる?



 短いですが、夜なべして書きました。


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 体育大会本番に向けて、俺の気持ちは徐々に高まってきている。


 何せ陸上部退部してから初めてのレースだからな。

 学校行事とは言え、どうしても気合が入ってしまう。


 そんな俺の意気込みに、いつもの3人は付き合ってくれていた。





 放課後、4人で集まり体操着に着替えて校庭に出る。


 柔軟体操をしっかりしてから校門へ行き、学校の外周を3周走る。


 体力作りが目的の走り込みなのだが、ワラシだけでなく八田さんやバッキーも一緒に走る。

 みんな帰宅部だしいい機会だからとほぼ強制的に走らせている。


 特にバッキーには「最近ふっくらしたんじゃない?」と脅したら、目の色変えて走り込みに参加するようになった。 1年の陸上部の時ですら走る姿を見たこと無かったのに、やはり女の子だから体形が気になるのだろう。


 走り始めると最初は毎回八田さんが一人でぺちゃくちゃ喋りながら走るが、俺とワラシとバッキーは黙って黙々と走る。 喋りながら走ると体力の消耗激しくなるからね。 俺たちはそれが分かってるから黙ってるけど、八田さんは最初の1周はずっと喋りっぱなし。でも2周目からどんどん口数減って、3周目になるとぜぇはぁぜぇはぁ言って大人しくなる。

 でも次の日になると、また最初はぺちゃくちゃ騒ぎながら走る。 頭良いのか悪いのか分らん娘だ。


 で、3周走り終えると、運動場に戻ってダッシュの練習開始。

 これは俺とワラシの二人だけ。

 八田さんとバッキーは外周3周走るとバテバテになってるからね。


 そしてダッシュを10本終えると、毎回ここでワラシが脱落。

 でも最初の頃ワラシでも10本は無理だったけど、走り込みの効果が出て来たのか最近は10本最後まで頑張って出来るようになったようだ。



 最後は、俺だけのメニューで、ワラシを肩車して腰を落とした状態で同じところを行ったり来たりとひたすら歩く。

 これがかなりキツイ。

 足腰を鍛えるという目的の他に、根性も鍛えるのだ。

 レース中、脚に疲労が来て息も上がり始めてから最後に物を言うのが根性だからね。


 ただこの練習、ワラシが興奮して騒ぐから落ち着いて集中出来ない。


 運動場で運動部が大勢部活をしている中、肩車されてて目立つから嫌がって騒いでいるわけでは無い。

 いつもの病気だ。



「ぬうぉぉぉ!ケケケケケンピくんの頭が私のお股にぃぃぃ!!!」


「ワラシ、ちょっと静かにするんだ。集中出来ないだろうが」


「だってぇぇぇぇお股がぁぁぁ!!!」


「分かったから卑猥ひわいな声で騒ぐでない!」


 俺が注意するとワラシは一旦黙るのだが、今度は俺の頭を両手で掴むと俺の後頭部を自分の股間にグリグリさせ始める。


「こら!歩きにくいだろうが!」


「・・・・・」


「グリグリは止めろ!」


「・・・・・」



 結局言っても聞かないから、グリグリされながらひたすら歩き回る。


 5分程歩いていると


「ふぅ~、コレは病みつきになりそう」ぐふふふ


「こらワラシ。お前その様子だと、今までも誰もいない教室で俺の机の角とかでグリグリしちゃったりしてるだろ?」


「なななななんで分るの!?」


「俺とお前はソウルメイト的なアレだからな。お前のことなら何でも分るんだよ」


「なるほど・・・ということは、今後はケンピくん公認でグリグリしても良いということで」ぐふふふ


「いや止めとけ。 教室で他の誰かに見つかったら引き籠り案件だぞ」


「確かに。ケンピくん以外の人に見られたら引き籠らざるを得ませんね」




 そんな俺たちの会話を聞いていた八田さんとバッキーは


「机の角でグリグリって、ナンノコトダローネ?」


「シズカちゃん、ココで初心なフリすると逆効果だからね? さては・・・シズカちゃんも教室でグリグリしたことあるんじゃないの?」

 

「なななななナニ言ってるの!?わ、私がそそそそんなことするわけないじゃん!」


「ヘェー」



 八田さんもしたことがあるらしい。






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