#14 男の子の恋愛観 パート2
「「はぁ!?」」
「相手居るって、カノジョ出来たってこと???」
「おう。カノジョ出来た」
「マジかよ!ウソだろ???」
「いや、ウソじゃない。 自分でも信じられんくらいだが、マジな話だ」
「で、誰なの?」
「相手のこと教える前に、約束してほしいんだけど。 その子のこと、悪く言ったり面白がったり馬鹿にしないで欲しい」
「え?もしかしてすげぇブスなの?」
「石垣! ケンピはそういうのを止めてくれって言ってるんだろーが!」
「あ、わりぃ。 ちょっとショックが大きすぎて、つい」
「いや、まだ名前言ってないし良いけど。 でも、頼むからその子のことは変な風に言ったり、このこと他の連中に言ったりしないでくれるか? まだ誰にも言ってないし、二人には言うけど、色々周りに知られると、他の連中には何言われるか分らんし。俺が言われるのは慣れてるけど、カノジョが言われるのは我慢出来んし」
「ケンピ、その子のこと好きなんだな。 ケンピらしいっちゃケンピらしいな。 俺は約束するよ。石垣も約束しろよ」
流石、真中。
顔だけじゃなくて、こういう所がモテるんだろうな。
「分かったよ。俺も約束するよ。 で、誰なの?俺たちが知ってる子なんだろ?」
「うん。 今、ワラシと付き合ってる」
「「はぁ!?」」
「いや、ワラシってあのワラシだろ? オカッパ頭の」
「うん、そのワラシ」
「う~ん、ワラシかぁ・・・う~ん・・・」
「約束したばっかでこんなこと言うと誤解されそうだけど、ケンピは妥協とかしてワラシと付き合ってるとか無いの?」
「え?妥協・・・?」
妥協・・・
そんなつもりは全然無かったけど、そう見えるのか?
いやいやいや
俺は妥協される側であって、俺の方が妥協してるとかありえんだろ
「マジな話するけど、ワラシのこと好きだよ。 ワラシから告白してくれて、それまで意識してなかったけど。 俺なんてブサイクで女子とかにキモイって言われてるのに、そんなヤツ好きになってくれて、それだけで嬉しくて告白OKしたけど、好きになった切っ掛けとか聞いて凄い嬉しかったし、一緒に遊んだり勉強したりしてると、ワラシって実は凄い面白くて可愛らしい奴だって分かって、今はマジで好きだよ」
「じゃあいいんじゃね? 俺らがとやかく言うことじゃないし」
「う~ん、でもワラシかぁ・・・」
「まぁ、俺がワラシのこと好きになったの、理解してくれとまでは言うつもり無いし。でもワラシのこと馬鹿にしたり面白がったりするのは止めてくれな」
ちょっと格好つけてワラシへの気持ちとか話してみたけど、俺も石垣も真中も、なんかお互いモヤモヤしている気がした。
そんなタイミングで、母さんに呼ばれた。
「お兄ちゃ~ん、フミコちゃんが来てるよ~!」
「は!?」
「「フミコちゃん???」」
あ!
昨日の夜、ワラシが俺の分のケーキを今日も作ってくれるって言ってたっけ!
もしかして、わざわざ持ってきてくれたのか!?
慌ててスマホを確認すると、15分くらい前に今からウチにケーキ持ってくるってメッセージ来てた。
急いで玄関に降りていくと、今日もオシャレしたワラシが自分の髪を摘まんでモジモジしながら立っていた。
「メッセージ送っても返事無かったけど、温かいうちに届けようと思って、来ちゃった」
「悪い! いま石垣と真中来てて、メッセージに気が付かなかった!」
「え!石垣くんたち来てるの!? お邪魔してごめんなさい。ケーキ渡したかっただけだから、帰るね」
むむ
ここでワラシを帰してしまうのは、なんか間違ってる気がする。
折角石垣たちにワラシのことを話したんだから、俺の知ってるワラシを二人にも知ってもらういい機会だと思うし。
「ちょっと待って!ワラシ!」
「う、うん・・・」
「実は、いま石垣と真中に、俺がワラシと付き合い始めたこと話してたんだ。 二人とも馬鹿にしたり面白がったりしないって約束してくれてて、それで良かったら、今からワラシも一緒に遊ばない?」
「え・・・でも・・・」
「大丈夫。緊張するなら喋らなくても良いから。 今のオシャレして可愛いワラシの姿見せてくれるだけでも十分だから」
「ううう、またケンピくんがイケメン発言・・・」
「少しだけでも良いから。 もし無理になったら、途中で帰ってくれていいし、その時は家まで送るから」
「・・・分かった。 じゃあ少しだけお邪魔するね」
「うん、ありがとう、ワラシ」
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