はじめっからAランクの勇者の俺は他の人にバレるのが怖いのでもう魔法を使わないことにしましたが何故かどれだけレベル上げしようとしてもレベルが上がらないので金髪美少女と一緒に川に捨てることにしました。
カラサエラ
第1話 風が吹く夜
我が名は、勇者アレク・M・バーウィッチ!
「……何してんの?」
「……はっ!? いや、なんでもないぞ。うん」
「そう? じゃあ行くよー」
「おう!」
俺たちは並んで歩き出した。
◆
『……ふぅ』
僕は小さく息を吐いた。
今さっき、僕たちはギルドマスターと話をしていた。
内容は僕のランクについてだ。
ギルドマスター曰く、僕にはAランク相当の実力があるらしい。
つまりは、今の僕はAランク冒険者と同等かそれ以上の実力を持っているということだ。……まぁ、そんなことはどうでもいいんだけどね。
問題は、この事実が他の人にバレてしまう可能性があるってことなんだよね……。
例えば、あの金髪の女の子とか。
彼女は間違いなく気付くだろうな……。
そしてきっと、僕のことを恨むに違いない。
……なんせ、彼女は僕に負けてるんだから。
だから絶対にバレるわけにはいかないんだよ。
幸いにも、今日は僕たちの他に人がいない。
ここはなんとか誤魔化すしかないかな。
…………。
よし。決めた。
僕はこれから先、一切魔法を使わないようにしよう。
だって、もしも誰かに見られてたら大変だし。
それに、もし万が一、僕が魔法を使ってるところを見られていたら、その人も危ないしね。
「ねぇねぇ、アベルくん」
「ん?……どうかした?」
「さっきの人が言ってたけど、私たちって凄く強いみたいだよ」
「そうだね」
「えへへ、やっぱりそうだったんだ」
「うん」
「……でも、どうしてだろうね?」
「……うーん……」
……それは確かに不思議なことだ。
なんせ、僕らは今まで一度も戦ったことがないんだから。
それなのに、なぜあんなに強いのか。
……もしかして、スキルのおかげなのかな? だとしたら納得だけど……。
……あれ? 待てよ。
そもそも、僕たちはいつの間にレベルが上がったんだろう?
確か、初めてゴブリンと戦った時に、一匹だけ倒して経験値を得たはずなんだけど……。
……。
まさか、ゴブリンを倒したことで上がったっていうことはないよね? だって、まだ何もしてないはずだもん。
……ということは、やっぱり戦闘以外で経験を積んだってことになるのかな?
それ以外で強くなる方法なんてあるだろうか……。
……。
あっ! そっか! そういうことだったのか!!
「分かったかもしれない……」
「本当!?」
「多分ね。おそらくだけど、僕たちが強くなった理由はレベルアップじゃないと思う」
「そうなの?」
「うん。恐らく、これは訓練の効果だと思う」
「訓練の効果?」
「うん。ほら、前にギルドマスターさんが言っていたじゃないか。毎日の訓練は必ず身に付いているって。それを実践しているからこそ強くなれたんだと思う」
「なるほどぉ〜」
「まぁ、あくまで予想に過ぎないけどね」
「それでもいいよ。ありがとう!」
……うん。やっぱりリリアナちゃんは笑顔が一番似合うね。
「ねぇ、アベルくん」
「どうしたの?」
「また私と戦ってくれる?」
「もちろんだよ。僕からもお願いするよ」
「やったぁ〜!!」
リリアナは両手を挙げて喜んだ。
「じゃあ早速始めようか!」
はじめっからAランクの勇者の俺は他の人にバレるのが怖いのでもう魔法を使わないことにしましたが何故かどれだけレベル上げしようとしてもレベルが上がらないので金髪美少女と一緒に川に捨てることにしました。 カラサエラ @3cutter_4cats
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