西上夏目
「...まさか色々と拗らせて正義論信者だったお前が女の子を連れ込むとは...私は嬉しいよ...」
なんか想像してた反応と違う。
「...あれ?怒んないの?てっきり不純だ~!とか言って怒るのかと」
「怒らないよ...でも、避妊はしろよ?」
夏目はニマニマと不適な笑みを浮かべながら俺の頭を撫でてきた。
「...下ネタやめろ!ってかこの子は俺の親友!」
性欲なんて不純な物ではなく、清く正しい友情である。
「...お前、高校生の癖にそういう友達を作ってたのか...?流石の私も引くぞ」
「...ちゃうわ!」
思わず関東出身なのにも関わらず大阪弁になってしまった...
「冗談だ...まあ、なんだ。友達出来てよかったな。君、名前は?」
目黒さんは急に話を振られた事に焦ったのかアワアワとしながらも呼吸を整え呟いた。
「め、目黒 花憐です」
「可愛い名前だな。私は西上 夏目、最近子どもが出来て店を任せっきりの悪徳店長だ」
目黒と聞いてピンときたのだろう。
夏目は自分が店長であると言うことも明かした。
ちなみに夏目の子ども《光希くん》は、つい半年前に生まれたのだがめちゃくちゃ可愛い。
よく目に入れても痛くないと言うかそれが確かになと思える程には可愛かった。
なんて、駄弁っていると電話が鳴った。
...どうやら夏目のようだ。
「すまん、急遽用事が出来た。これ、米と肉に野菜だ。二人で食べてくれ。じゃあまたな!」
「ありがとうございました...!」
目黒さんは頭を90度に下げた。
「付き合ったら真っ先に私に言えよ~」
そういうと夏目は足早に去っていた。
おそらく、光希くんに熱が出たりしたのだろう。
夏目があんなに取り乱すのは身内に何かあった時だけだ。
夏目が嵐の来て去って行ったら急に静かになった。
...俺たちは気まずさから互いに口を閉じていた。
でも、どうしても気になるので俺は疑問をぶつけることにした。
「所でなぜ毛布に?」
俺がそう問うと目黒さんは頬を真っ赤に染めた。
「ご、ごめん...!なんか...急に寂しくなっちゃってさ...」
...昨日は色々とあったのだ。
誰かに甘えたくなったのだろう。
「そっか」
親友なのだ。
それくらいは受け止めなければならないだろう。
「...怒ってない...?」
目黒さんは顔色を伺うようにこちらを見つめてくる。
「親友として頼ってくれたんでしょ?なら、むしろ嬉しいよ」
「そっか...えへへ」
目黒さんは少しばかり照れながら微笑んできた。
...少しばかりドキッとしてしまったが親友なのだ。
自制しなければいけないだろう。
その意味も込めて俺は外の空気を吸いに行くのだった。
作者から~
他作品のキャラとリンクしてたりするのでそこも楽しんでねん
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