親友編
朝の修羅場
あれからとりあえず俺は目黒さんを連れて帰宅した。
今の不安定な精神状態で家に帰ったりでもしたらそれこそまずいだろう。
それに親友にあんな粗悪な場所へ行ってほしくない。
「...本当に泊まっていいの...?」
2人ベットに座って一息ついていたら、目黒さんは少し不安げな面持ちでそう呟いた。
「別に独り暮らしだし。それに一応、2部屋あるから全然大丈夫」
リビング兼台所に寝室の2部屋だ。
後は一応、ユニットバスがある。
「...そっか」
ちなみに高校生の独り暮らしの癖にある程度、まともな家に住めているのは従姉妹が知り合いに頼み込んでくれたからである。
...本当に頭が上がらない。
「どうしたの...?」
目黒さんはなんと言うかもじもじしていた。
髪の毛の毛先を弄ったり、視線が右往左往している。
「あっ!?ごめん...こういうの初めてで」
...意外だ。
「彼氏の一人や二人居たことあると思ってた」
「あんまりそういうのに興味なかったんだよね~」
「なるほど。また、でも親友何だし適当に寛いでくれ」
目黒さんは深呼吸してこちらを見つめてきた。
「...だね!」
あれから俺は昨日の残りの肉じゃがなどを目黒さんに振る舞い、お互いに入浴なども済ませ後は寝るだけになった。
「俺はソファーで寝るから目黒さんはベットで寝てくれ」
さすがにお客様を硬いソファーで寝かせるわけにはいかない。
「えっ...!でも、内田くんがベット使ってよ」
目黒さんも申し訳なさそうな表情を浮かべアワアワしている。
「俺は良いかな...?ベット苦手だから、普段からソファーで寝てるんだよね。これはマジで」
ちなみにマジである。
我ながら変なヤツだなと思うが俺はベットが世界で一番苦手だ。
「俺と二人でソファーで寝たいならいいけど」
「...わかった、ならベット使わせてもらうね」
それから俺たちは照明器具などを全て消し眠りについ。
深い微睡みの中、やや低い女性の声が聞こえてくる。
「...きろ!...起きろ!」
身体も揺さぶられ、俺はとうとう重い瞼を開いた。
「目黒さん...?おはよう」
てっきり目黒さんに起こされたとばかり思っていたが、当の本人はなぜか俺の毛布の中に入り込んでいた。
...嫌な予感がする。
俺は視線を上へと向けるとそこには従姉妹の姿があったのだった。...
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