第67話 いざ!カティアダンジョンへ!

 本日は晴天、ダンジョン日和なり!天気関係ないだろうけど、気分的にね!

 準備も万端。昨日新しく買って来た瓶全てに、傷湯、魔力回復湯、状態異常回復湯、治湯、疲労回復湯を入れてある。

 ご飯も保冷庫が空になる程大量に作ってある。食材残して行っても、傷むだけだから丁度良い。


 それと言うのもハンメルに行く前日、ダンジョン攻略について話し合っていた時の事。

 夜はダンジョンから転移で戻って休もうと提案すると、止めておいた方が良いとアンナさんに止められた。


 ダンジョンは通常とは違うことわりで出来ているらしい。

 外から見た感じと違い、中は広大。恐らくダンジョン内は通常とは異なる空間ではないかと。

 確かに転移で出る事は出来ても、転移で入るのはリスクが高い。


 それ以外にも注意されたのが、ダンジョンの魔物は1度倒しても一定時間で復活する。倒したからと安心し、復活した魔物に殺られる事案が少なくない数発生しているとの事。

 ダンジョンでは常にMAPを起動し、注意を怠らないように気を付けねば。


 あと宝箱について。7割の宝箱は、何かしらの罠があるらしい。

 それと1度中身を取り出しても、一定時間で中身が復活するが、1度開けた宝箱は、同じ人間には2度と開けられない・・・と。

 ちなみに復活後の中身はランダムで変わる。

 宝箱恐い。違うドキドキ感満載の予感。




 朝食後、皆が揃った所でいざ!カティアダンジョン入口へと転移する。

 今回はMAPで索敵が出来る私とコタロウ・リュウが先頭。

 真ん中に大河君、優斗君、陽菜ちゃんを置いて、その左右にアンナさんとガインさん。

 最後尾をクレマンさんとヒューゴさんが警戒するという布陣。


 入口の洞窟を入ると前回と同様、目の前には広大な草原が広がっていた。

 MAPに多数の魔物の姿はがあるが、まだ距離がありこちらに近づいてくる気配はない。


 とりあえず次の階層への階段までの最短距離を歩く。警戒してない様に見えるかもしれないけど、ちゃんとMAPで警戒してるからね?


「何の迷いもなくこの方向へ歩いてるのは何故かお伺いしても?」

「次の階層へ降りる階段が、こっちにあるからですよ!」

「・・・流石でございます。」

 クレマンさんの間が気になる。MAPさんが優秀過ぎる為、入口も階段も全部分かるんです。


「もしかして、全ての魔物と戦闘した方が良かったですか!?すみません!気付かなくて」

「違いますよ!?」

 少し食い気味に否定された。


「普通はもっと警戒しつつ、地図を作成しながら進むんだ。こんな風に散歩でもするみたいに移動しないから、クレマンもあたし達も戸惑っただけさ。」

「桜は気にしなくて良い。」


 アンナさんとガインさんがフォローしてくれた。確かに私の移動の仕方は、ゲームの移動の仕方かも。

 アンナさん達みたいに気配とか分からないし、とりあえず今は気にせずこのまま行こう。


 この階層にいるのは、ほとんど倒した事ある魔物ばかり。ただ、階段前にいる集団は名前が見えない。

「階段前に10匹の群れが陣取っていて、その内1匹は一回り大きいです。」

 MAPで見た情報をそのまま皆に共有する。


「大きいのは群のボスだな。」

「雑魚が9匹か。ガイン、クレマン、ヒューゴは2匹ずつ。桜、大河、優斗で1匹ずつが受け持ちだな。ボスはあたしが倒す。陽菜は後方待機。コタロウとリュウは陽菜の護衛を頼むよ。」

「「「「「「了解」」」」」」


 今回、ダンジョンでの指揮官はアンナさん。何の迷いもない指示に、安心感がある。さすが元騎士団大隊長!

 さて、階段前にいるのはどんな魔物なのかな。MAPでの警戒も怠らないように頑張ろう。

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