第66話 最終準備
ノアさんに聞いたお勧めの雑貨屋で、各々再び大量に買い込んだ。
4人は主に生活用品。私は色んな種類の空瓶を大量に。それと布。綺麗な柄が刺繍してある布や、綺麗な色に染められた布など。針などのお針子道具と糸も数種類購入。
帰りに市場で食材を買い込む事も忘れない。アンナさん達に、海鮮のお土産も買って帰ろう。
昆布やワカメが無いか探してみたけど、やっぱり売ってない。食べれるって知らなかったら、食べようと思う見た目じゃないもんね。
手ぶらで怪しまれない様に、行きに魔物を運んできた台車に思う存分買い込んだ物を乗せる。
来た時と同じ門から出る。と、同時にMAPを確認すると、敵意は無いけど数名の人間が、一定の距離をおいて付いて来ている。
「ヒューゴさん。」
「ああ、付けられてるな。」
MAPも無いのに分かるとは、流石ヒューゴさん。気配ってやつですか。
私とヒューゴさんの会話を聞いた大河君が振り向きそうになった所を、ヒューゴさんに頭も掴まれる。ギリギリと音がしそう。
「痛い痛い痛いっ!!!」
「振り向くな。気付いてる事をバラしてどうする。」
陽菜ちゃんが、不安そうな顔になっている。
「盗賊とかですか?」
「いや、違うな。冒険者ギルドか商業ギルドか分からないが、俺らの拠点を突き止めるつもりだろう。」
私も同意見です。搾取したいのか、スパイを疑ってるのかは分からないけど、付けられるのは気分が良いものじゃないね。
「じゃあ僕が土魔法で目隠しを作るので、隠れたら転移をするのはどうでしょう。」
「だな。どの道どこかで転移はしなきゃならんし、見えなきゃ転移したことも分からんだろう。」
「了解!さっさと帰って、コタロウとリュウをモフりたい!!」
優斗君の案を採用。ラースでの事があるから、付けられるのは少しトラウマ気味なんです。
「それじゃあ行きますよ!」
優斗君が土魔法で一気に壁を作る。私達の姿が隠れた瞬間、拠点まで転移する。
転移するまでMAPで追跡者を見てたけど、焦ったように向かってくる気配はあったけど、特に変わった様子は無かったし大丈夫でしょう。
「ただいま拠点!帰ってきたよー!」
無事に帰れたからか、少しテンションが可笑しいかも。
皆の荷物を収納から出して渡し、市場で買った食材を保冷庫に仕舞う。
陽菜ちゃん達も荷物を抱えてウキウキと部屋に戻って行った。
「コタロウ、リュウ出ておいでー!一緒に温泉入ろ!」
「おう!」「入るー!」
2匹と一緒に温泉に入る至福の一時。はぁ~生き返る~。極楽極楽。
そうだ。瓶に湯を入れやすいように、全て湯口の付いた温泉に作り直そう。
ハンメルで見たポーションを参考に、魔力が回復する温泉と、病気を治す温泉を新しく作る。
瓶を煮沸消毒したら、ダンジョンに持って行く用に沢山準備しておこう。
温泉から上がり大熊亭へ戻る途中、アンナさんとガインさんが2人掛で、大きな何かを運んでいる所と遭遇した。何を運んでいるのかは、知る事を頭が拒否してる。
「おう桜、お帰り!今夜の晩メシの材料狩って来たぞ!」
「ただいまです。・・・随分と大きな晩メシですね。」
「ワイバーンだ。」
「へー・・・そうなんですね・・・。」
サラッと言っちゃったよ。私はまだ心の準備が出来ておりません。
綺麗な状態のワイバーンを見れば、ほぼ一撃で倒したであろう事が伺える。何この最凶夫婦。恐ろしい。
今夜の晩御飯はワイバーンステーキだと、ガインさんが張り切ってワイバーンを解体している。
せっかくなので晩御飯はガインさんに任せて、私は明日からのダンジョン探索に向けて、ご飯を大量にストックしておこう。
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