第42話 ハンバーガーとフライドポテト
さあ、昨日仕込んだ天然酵母パンのパン種は膨らんでるかな?うんうん!2倍に膨らんでる!
予定通りに、今日はハンバーガーとポテトを作ろう!
パン種を10等分にして、丸めて少し休ませる。20分くらい経ったら、もう一度丸め直して天板に並べて1時間程休ませる。
霧吹きがないので、ハケで軽く表面に水を塗ってから焼く。これでバンズの出来上がり!
ハンバーガーに挟むハンバーグは、パンを休ませてる間に焼いてある。
パンを半分に切り、ハンバーグにトマトソースをかけ、トマトとレタスを挟んだら、ハンバーガーの完成!
あとは付け合わせのフライドポテトを揚げよう!
じゃがいもを3mmくらいの拍子切りにし、水気を拭いて塩コショウ。小麦粉と片栗粉を合わせたものをまぶして、こんがりキツネ色になるまで揚げたら出来上がり!
ハンバーガーとフライドポテトを乗せたお皿を3つ用意する。
「アンナさーん、ガインさーん。試食お願いしまーす!」
「はいよ!」「おう。」
3人揃ったのでテーブルに座って、いよいよ実食です。パクリ。
「おーーいーーしーーいーー!久々のジャンクな感じが堪らなーい!ポテトも美味しい!ケチャップ欲しい!」
「美味っ。何これ。パンにハンバーグ挟むと、こんなに美味いの!?芋も美味い!手が止まらない!」
「・・・桜。これも今日レシピ登録して来い。」
アンナさん大喜び。ガインさん困り顔。
はい、レシピ登録してきます。また行列出来ても困るしね。
ハンバーガーなら屋台でも出せるし、一気に広がりそうだな。どこでも食べられるお手軽感が良いんだよね!
「何それ新作!?俺も食べたい!」
イアンさんが本日も、お肉を持って御来店。いつもありがとうございます!
ハンバーガーはあと7個あるので、限定7個で販売しようかな。あ、1個は登録する時にマリーさんへ見本として渡したいから、6個だね。
「試作品なので6個と少ないですが、食べられますよ。」
イアンさんに伝えると、早速注文入りました!それを見ていた店内のお客さん達も一斉に注文。あっという間の完売です。
「桜これも美味い!!!パンもすげー柔らかいし、ハンバーグとソースと野菜が堪らなく合う!この芋も、芋なのにこんなに美味いなんて。毎日大熊亭で飯食いたいよ!」
相変わらず良い食べっぷりのイアンさん。こんなに喜んでもらえると、作りがいがあるよ。
他のお客さん達も、美味しいって言いながら皆笑顔で食べていた。美味しいって幸せだよね。はぁ~ケーキ食べたい。
ランチタイムが終わり一段落したので、ガインさんの言いつけ通りに商業ギルドへレシピ登録に向かう。
でもなー、天然酵母作るのに時間がかかるし、そもそも元気な酵母さんが作れないとパンも失敗するかもしれないんだよね。
そこら辺も合わせて、マリーさんに相談しよう。そうしよう。
商業ギルドへ入ると、丁度マリーさんのカウンターが空くのが目に入った。
ラッキーと思いマリーさんの所へ足を向けた私へ、後ろから呼び止める声がかかった。
「初めまして、異国のお嬢さん。貴方がハンバーグのレシピを登録してくれた桜さんかしら?」
振り向くと、そこには・・・・・誰も居なかった。
「あれ?今誰かに声掛けられた気がしたんだけど・・・。」
思わずキョロキョロと辺りを見回すが、誰もいない。気のせい?
「あなたわざと!?目線もっと下!ここよ!ここ!!」
目線を下へずらすと、そこには私の腰くらいの高さの女の子が立っていた。
「ちっさ!」
「ちっさい言うな!!!」
驚きのあまりつい本音が漏れてしまった。
「ゴホンッ。失礼。私は商業ギルドのギルドマスターのバルバラと言います。こう見えて貴方より年上なのよ。」
まさかの商業ギルドのギルマスだった。それよりも気になるのは、私より年上ねぇ。
「そうなんですが、大変失礼しました。あの、私の年齢を何故知ってるんですか?」
「あら?誰かから聞いたのだったかしら?ごめんなさい、忘れちゃったわ。」
へぇー、忘れちゃったんだ。この人何だか信用出来ないな。
思いつきでマップを使ってみると、彼女のマークは赤色だった。鑑定も使ってみる。
結果は・・・お城で王様の隣にいた感じの悪かった宰相の姉らしい。姉!?年齢は・・・48歳!?このちびっ子が!?
「それで今日は何をしに?またレシピの登録かしら?」
「はい、まあ、そうですね。」
「それなら私が登録しておいてあげるから、レシピを渡しなさい。」
商業ギルマスは高圧的な態度で、私に手を差し出してきた。小さいから全く怖くはない。
「書類にサインも必要なはずですよね?」
「私が全部やっとくから大丈夫よ。」
にっこり笑いながら手を出してくる。
ふーん?なるほど?妨害したいんだね。売られた喧嘩は買いますよ!
「わざわざ商業ギルドのギルマスが、私なんかのレシピ登録を!?そんな恐れ多いですよ!私の登録サインも要らないんですか!?」
「ちょっと!?」
声を大にして話しています。丸聞こえだね!
私の声が聞こえた周りの人達が、私達に注目している。
「ギルマスの手を煩わせるのも申し訳ないですし、いつものカウンターで登録するので大丈夫です!声をかけて頂いてありがとうございました!!!」
大きな声でお礼を言い、ぺこりとお辞儀をすると、ギルマスは苦虫を噛み潰したような顔をしながら去っていった。勝った!
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