第28話 神様っているんだね
個性豊かな神様達に自己紹介をされ、友人になり、様付なし丁寧語なしで話すことが決まった。
驚きの展開だけど、友人が増えて正直嬉しい。
「それでは創造神様が帰って来るまでに、桜のスキルや能力について、ある程度決めてしまいましょう。」
はーーーい!よろしくお願いしまーす!
「さっき言ってた温泉を作るスキルについては、俺とティアニスでつくるんだよな?」
「それだと~、単なるお風呂じゃないかしら~。温泉って確か色んな種類の効能がある薬湯じゃなかったかしら~?」
薬湯ではないかもしれないけど、疲労回復や肩こり、打ち身切り傷火傷etc……色んな効能があったよ。
「イシュトスとティアニスだけじゃ、火傷や打ち身くらいの効能しか作れないんじゃないかい?」
「ではディーネを入れたら良いか!」
「全員で作れば良い。」
「ハレクトの案採用~。全員ならどんな効能でも作れそう~。」
すごい温泉が作れそう!ワクワクして来た!
「他にはどんな能力が欲しいですか?」
うーん・・・何だろう。地球では中々気軽に旅行とか行けなかったから、この世界を見て回ったりもしたいかな?
「それなら転移魔法があると良いんじゃないかしら~。」
「火も使えた方が良いだろう!」
「それなら水も必要ですよ!」
「とりあえずあたし達の属性魔法は使えると良いんじゃないかい?」
「収納魔法。」
何だかガンガン話が進んでる。そんなに沢山扱いきれるかな。呪文とか覚えられる気がしないよ。
「大丈夫よ~。魔法は想像力なの~。呪文は特に必要ないのよ~。」
「のんびり試していけば良いさね!」
そっか、想像力!呪文を覚えなくて良いなら、何とかやれるかも!
皆であれやこれやと話し合っていると、ゼノス様とディーネ様が帰って来た。
「ただいま戻りました。」
「桜よこちらへおいで。この子達をお主へ。」
ゼノス様がそう言うと、ゼノス様の周りをふよふよと漂っていた2つの光が私に向かって飛んできた。
あまりの速さに驚いて、思わず目を瞑る。
・・・・・・・・?衝撃がない?
そっと目を開けると目の前に、首を傾げてこちらを伺っているコタロウとリュウがいた。
「・・・コタロウ?・・・リュウ?」
「「 わん! 」」
「会いたかっ・・・嬉しっ・・・いぃぃ・・ぅぅぅ・・・うああああああああぁぁぁぁ」
私が泣き出すと、2匹とも私の顔や手をペロペロと舐めてくれる。
昔から私が泣いていると、すぐに飛んできて慰めてくれた。どれだけ救われてきたか分からない。
2匹の変わらないその仕草に、涙が溢れて止まらない。何でとかどうやってとか、お礼しなきゃとか分かってるんだけど、頭が動かない。ただただ嬉しい。
どれくらいの間泣いたのか分からないほど長い間、私はコタロウとリュウを抱きしめながら泣き続けた。
途中神様達が入れ代わり立ち代わり、背中を摩ってくれたり、頭を撫でてくれた気がする。
そうして何とか涙が止まった後、やっと2人にお礼を言うことが出来た。
「ゼノス様、ディーネ様、本当にありがとうございます。いくら感謝してもし足りません。」
「地球の神も桜の事を心配しておったよ。助けられなくて申し訳なかったと、伝言も預かっておる。それとこれをお主へ渡して欲しいとも。」
ゼノス様が手を開くとポンッと何かが出てきた。何かの苗かな?
「お主の名前と同じ植物だと聞いておる。」
「桜!?これ桜の苗木なんですか!?私桜の花が大好きなんです!嬉しい!!」
もう二度と見れないと思ってた。大切に育てます!
「それで桜さんに付与する力は決まりましたか?」
ディーネ様が神々に向かって尋ねる。
「おう、決まったぞ!ディーネ、お前も力を貸せよ!」
「あと~私達~桜ちゃんとお友達になったの~。」
ニーリルの爆弾発言に、ディーネ様とゼノス様が驚いている。いや、ディーネ様は怒ってる?
「なっ!?狡いです!私だって・・・。」
「ほらね?って事でディーネとも仲良くしたってな桜。」
「嬉しい!よろしくねディーネ!」
「!!こちらこそよろしくお願いします、桜さん!」
友人がまた1人増えた。今日は本当に良い日だな~!
「わしも・・・。」
「「「「「「創造神様は駄目」」」」」」
神々に即否定されたゼノス様が、私の方へ振り向くと懇願するような目を向けてくる。
「・・・ゼノス様には大恩がありすぎて、とても友人なんて畏れ多くて・・・・・ごめんなさい。」
ゼノス様が項垂れてしまった。
「そうだ!今何時頃!?今夜は大熊亭で歌を歌う約束をしてるの。間に合うかな?」
「大丈夫ですよ。ここは現世とは時間の流れが違うのです。きちんと元の時間に戻しますので、安心してくださいね。」
礼拝堂から急に消えて、皆が心配してないか不安だったからホッと一安心。これならじっくり能力について相談出来るね!
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