第27話 お友達!?

 ゼノス様の力がないなら、他の神々の力で出来ないのかな?光の女神様がいるのなら、他にも神様が居るんじゃないかな。


「ディーネ様では止められないのですか?」

 ディーネ様へ視線を向けると、綺麗な顔が悔しそうに歪んでいる。


「わしへの信仰心は減ったが、他の神々は信仰心が増え、力を増しておる。だがわしと彼らでは役割が違う。いくら力をつけていても、彼らでは召喚を阻止する事は出来ぬのじゃ。」


 役割か・・・。ゼノス様に力があったら、陽菜ちゃん達は地球に帰れるのかな。


「帰すことは出来る。・・・わしの力が戻ればじゃが。」

 はい、また心読まれてます!

「自然と聞こえてくるのじゃよ。」

 はいはい、そういう事にしておきますよ。

「お主、わしへの扱いが雑ではないか?」

 キノセイデスヨ。



「ゼノス様、本題がまだです。」

 ずっと黙ってやり取りを見ていたディーネ様が、ゼノス様へ話を促した。

「そうであった。桜、お主にステータスがないのは、体がまだこちらの世界の体になっておらぬからじゃ。故に言語理解が出来ずに苦労をかけた。」


 あ、やっぱりそうだったんだ。本当言葉覚えるの大変なんだよね。

「まずは体をこちらの世界のものへと変えねばな。」

 その瞬間ゼノス様の周りに、見知らぬ男女が現れた。


 筋肉ムキムキなマッチョな男の人

 お人形みたいに整った顔の男の子?

 天真爛漫な可愛い女の子

 ぽっちゃり仲間の女の人

 長身長髪の男の人

 そしてわがままボディの妖艶な美女ディーネ様


「わしの力では足りぬのでな。力がある神々に協力してもらい、お主の体をこちらの世界の体へ変えようと思う。望みは何ぞあるかな?」


 望み・・・うーん・・・太らない体?ディーネ様みたいなたわわな胸?それとも病気が恐いし、元気な体?難しいな・・・。

 あれ?でも今見た目変わっちゃうと、誰も私だって分からないんじゃ!?


「確かにそうじゃな・・・では、望んだ時に望んだ姿へ変われるようにしようかの。」

「えっ!?そんな便利な事出来るんですか!?」

「出来るとも。では姿は今のままで病気にならない体で作り直し、スキルとして変身能力を付けるとしようかの。」


 とっても便利な能力を貰えた!やったね!

「まあ、それやるの俺らなんだけどな。」

 ボソッとムキムキマッチョさんが突っ込んだが、ゼノス様は華麗にスルー。


「まだ終わりではないぞ。迷惑をかけた詫びに、好きな力をお主に授けたいと思う。他にも願いがあれば、出来うる限り叶えたいとも思うておる。希望はあるかな?」


 ・・・・・願い。本当に何でもいいのかな・・・。

「叶えられる事ならば何でも大丈夫じゃ。」


 ・・・・・コタロウとリュウに会いたい。

「うん?誰じゃ?」


 私が地球で一緒に暮らしていた、とても大切な愛犬かぞくだよ。こっちに召喚されるより前に、死んじゃったんだけどね。

「ふむ・・・。ディーネ、少し力を貸しておくれ。桜よ、わしは少し席を外すが、お主は他にどんな能力が欲しいか考えておいておくれ。」

 そう言うとゼノス様はディーネさんと消えてしまった。


 能力って言われてもなー、温泉に入りたいとかそんな願いでも良いのかな?

「ならば僕と火の神の力で、温泉が作れるスキルを作りましょう。」


 誰だっけ?っていうかまた思考を読まれてる!?読めるのゼノス様だけじゃないんだ!?

「私達にも聞こえてくるんだよ~!私は風の神ニーリル、桜ちゃん天真爛漫で可愛いって思ってくれてありがとね~!」

 ああああああああぁぁぁぁぁ・・・聞かれてたぁぁぁぁぁ。


「何だやっと自己紹介か?俺は火の神イシュトス、筋肉には自信があるぞ!」

 言いながらムキムキポーズ決めてる。自信があるなら良かったです。


「あたしゃ大地の神ヨルア、ぽっちゃり仲間同士よろしく頼むよ!」

 にこにこ笑顔で言われたけど、失礼なこと考えてすみませんでしたー!!


「僕は水の神ティアニス、人形は褒め言葉なのかな?まあ、整った顔って言われたのは嬉しいです。これからよろしくお願いします。」

 褒めてます褒め言葉です!


「闇の神ハレクト。」

 怒って・・・・る?

「怒ってはいない。」

「桜ちゃん気にしちゃダメよ~。ハレクトはいつも愛想が悪くて仏頂面なの~。」

 ニーリル様ディスるのやめて!?


「滅多に人との接触を極力控えている我らが、珍しく桜とは接触を許されている。このチャンス逃す手は無い!桜よ!我と友になろう!」

 はい?急にどうしたのかなイシュトス様?


「はいは~い!私もさんせ~い!とっても面白そう~。」

 面白そうって、ニーリル様。そんな理由で神様と友達とか無理ですよ。


「そんな堅苦しく考えるでないよ!この世界での友人は少ないんだろう?そう滅多に会えないとは思うけど、あたしとも友人になっておくれよ。」

 堅苦しい!?私の考えの方が変なの!?


「皆言い出したら聞かないんだよね。桜さん、ディーネも含めた僕らとお友達になって貰えませんか?」

 ティアニス様、説得を諦めないで。


「・・・・・・・・・・・」

 ハレクト様は嫌そうだし、どうしたら良いんだろう。

「嫌ではない。」

 嫌じゃないんかーい。


「は~い!満場一致でけって~い!私達のことは様付けなし、砕けた口調で話してね~!」

 満場一致!?私とディーネ様は数に含まれてない!?


「ディーネも桜の事心配してたし、異論はないさね!桜も嫌じゃないんだろう?」

 むしろ嬉しいです。


「決まり~!これからよろしくね~!」

「皆ありがとう!こちらこそよろしくね!」

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