第13話 ドッキリ大成功!

 昨夜遅くまで勉強してた為、少し寝不足気味。でも今日の私はやる気に満ちている。

 やっと意思の疎通が、少しずつでも取れるようになるからだ!

 カタコト上等!頑張るぞー!


 私が朝から燃えていると、クレマンさんが着替えを持って起こしに来てくれた。チャンス!

「桜様、おはようございます。」

「クレマンサン、オハヨゴザイマス。」

「!?」

 驚いてる驚いてる!にひひ。やったね!


「言葉が話せるようになられたのですか?」

「マダ。スコシ。」

 やっぱり、いきなり会話は難しい。でもコミュニケーション取れてる~。


「少しでも素晴らしいですよ。こうしてお話することが出来、大変嬉しゅうございます。さあ、朝の支度を始めましょう。」

 そう言うとクレマンさんは服をテーブルに置き、部屋の外で待っていてくれる。もちろん私のぽっちゃり体型にピッタリの服を・・

・・。何で皆分かるの!?恥ずかしすぎる。


 私はクレマンさんが準備してくれた服に悶えながら着替えて、扉の外に向かって声をかける。

「クレマンサン、オワッタ。」

「良くお似合いです。ちょうど料理長が来たので、朝食にしましょう。」

やっぱり料理長が来ちゃったんだね。


「リョウリチョウ、オハヨゴザイマス。ゴハン、アリガト。」

「桜様!?言葉が喋れるようになったんですか!?」

 料理長は早口で聞き取りづらい。


「スコシ。ユックリハナス。ウレシイ。」

「はっ!申し訳ない!驚きすぎてつい!」

 うん、だからゆっくりでお願いします。


「今朝はパンではなく、ご飯にしてみました。その方がまだ食べやすいかと思いまして。」

「ゴハンスキ。ウレシイ。アリガト。」

 会話が出来る!お礼がやっと言える!ご飯が美味しい!頑張って良かったーーー!


 少し会話をしながら、美味しい朝食を食べていると、誰かが扉をノックする。

「失礼します。」

 入ってきたのはヒューゴさんでした。

 いつものように扉の側で監視・・・護衛を始める。


 ご飯を食べ終わり一息ついたので、料理長に今日の予定を話しておこう。

「リョウリチョウ、ゴゼンチュウ、チュウボウイク。イイ?」

「桜様に教えて貰えるなら、いつでも大丈夫です!お待ちしております!」


 私と料理長のやり取りを見て、ヒューゴさんが驚いた表情で固まっていた。

 そういえばまだ挨拶もしてなかった!

「ヒューゴさん、オハヨゴザイマス。キョウ、ヨロシク。」

「!?お、おはようございます。こちらこそよろしくお願いします。」

 驚いてるーーー!やったね、大成功!




 朝のルーティンを終わらせて、いざ厨房へ!!

「オハヨゴザイマス。オイシイ リョウリ ツクル。ヨロシク。」

「「「「「 !? 」」」」」

 皆が驚いて固まっている。ふっふっふっ。たーのしーい。


 ちなみに今日から陽菜ちゃん達には、通訳なしで頑張ってみたい事を伝えてある。3人共心配そうだったけど、慣れるためには実践あるのみ!

 3人にもそれぞれ、やらなきゃいけない事がたくさんあるしね。


 本日のメニューは夕食用に天ぷら、明日の朝食用にパンケーキを伝授。

 たどたどしい文字だけど、レシピも書き直してあるよ!

 説明しながら一通り作り、試食をする。本日も皆の幸せそうな顔を見ることが出来ました。

 もちろん今日もヒューゴさんを釣りあげました。意外にもパンケーキが好みの模様。ふむふむ。


 この後はいよいよ街に行きたいと思ってる。どんな料理があるのか見てみたいし、お昼ご飯も街で食べてみたい。

 皆にお勧めのお店を教えてもらい、いざ出発!の前にヒューゴさんの説得からかな。

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