fragment6 エトワール

   コヨーテである僕の一部を 

   ひたむきに隠したままでは

   月が満ちても

   あなたをエトワールとして

   出迎えることは出来ない

 

   限りなく抑圧された精神の海で

   その歌姫と交換した神器は

   まだ稼動していて


   仮そめの呪術では、その約束を

   果たさない口実にはならない 


   剥き出しの姿形から 表象に立ち昇る

   本能であるがゆえに

   飛べない鳥を演じ続ける 深層の理由が

   そこに明白に語られる


   そして それは同時に 免疫を捨てて

   抵抗する自らを監禁し 

   唄うことまで拒否した

   彼女の深淵の期待をも写実している

   

   そのために僕は

   盲目であっても 全身を正しい狼に戻し

   贖罪に背を向けて

   まっすぐに愛を

   欲動の次元にまで高めなければならない


   そして次の月が欠ける時


   祝福してくれる者が 負の勢力だと

   分かっていても 必ず僕は


   路傍の草で創られた粗末なティアラを

   載冠者としてあなたに贈ることで


   あなたが ひとつの陥穽として仕掛けた

   緊縛を開放し エトワールとして

   真に倒錯の王朝へと導くだろう

   それが決して 二人にお似合いの大階段で

   なかったとしても

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