第5話

 ごはんを作ると彼女が言ったので、眺めることにした。


 開始3秒で止めて、自分が代わった。料理のできるタイプの手つきじゃない。


 彼女のぶんの料理も作った。


 彼女と食べる。


「おいしい」


 彼女。うれしそうにしている。

 眉間のしわは深い。でも顔は綺麗。


「布団とってきます」


「えっ」


 彼女がびっくりしている。なんで。


 布団をとって。


「どうぞ」


「あ、はい」


 自分は、いつものようにベッド。


「あ、あの」


「なんですか」


「何も、しないんですか?」


 あ。食後の。


「アイスは冷蔵庫の一番下です」


「え?」


「え?」


「あ、はい。いただきます」


 彼女がアイスをなめるのを、ぼうっと眺める。やはり、目つきは鋭い。

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