デジタルな愛とアナログな憎 6
1週間後。
「勝さん、朝御飯テーブルに並べるね」
「ああ、ありがとう」
「クロハ、ご飯だよ」
「にゃあん」
沙智さんの呼びかけに答えて今日の朝食を頂く。
猫用の缶詰の中でも、好物のかつお・まぐろ味だ。前日泊まっていった為、今朝は勝もこの空間に居るけれど、恋人の前なので猫の私よりずっと上手に猫を被っている。2人で朝食を作り終え、テーブルに着くといただきますと挨拶した。
会話を余所に黙々とご飯を食べ進めていると、ふとTVの音声が気になり目を向ける。
「次のニュースです。○○県××市の国道で、普通乗用車が電柱に衝突し、男性1人が死亡する事故が発生しました。男性はリオンヌの名前で活動する動画配信者だということで、警察が事故の状況を調べています」
思わず口に含みかけたものを零した。
――――丑の刻参りとか知らない感じ?
――――一週間ぐらい後に相手が死ぬと言われているんだよお
――――結局我慢出来なくて繰り返しちゃうかも!
……いや…………まさかね?
私はこの後一日を、全身から血の気が引いたような心地で過ごすのだった。
第二話 了
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