第〇服 安赦帰堺(肆)
着の身着のままであった
「なんと……」
「四郎右衛門さまはそれで宜しいので?」
「我らは商家であって、商いが本分。欲しければ儲けて買うなり、作らせるなりすれば好い。茶の湯を以て禄を喰むは本分に非ず」
そうは言っても、御伽衆として仕えるということは禄を喰む。聞けば
「あれはどういうことやろか」
一頻り頸を傾げた紹和は微妙な顔をしたまま「まだ、
それはあるまい……と
「伯父上の才を受け継いでいる唯一の御人との自負か」
「
下女が、
(
「茶が渡来したのは、平家全盛の折でな……」
天台宗の僧であった栄西は、形骸化し貴族政争の具と堕落した天台宗を立て直すべく、平家の後援で
栄西から茶の種を譲り受けた
その品質には産地間で大きな差があり、最高級とされたのは京都郊外の栂尾で、特に「本茶」と呼ばれた。
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